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H2Bが宇宙に届かない!

ロケットが地球の周りを回るのに必要な速度って、第一宇宙速度の約7.9km/s ですよね? http://www.digital-studio.co.jp/rocket-tv001.html ↑このページのHTV/H-IIBロケット 飛行計画のご説明 (提供:JAXA)の中の「慣性速度」を見ると一度も7.9km/sになっていません! なぜでしょうか??

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  • mtaka2
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回答No.4

> 約7.9km/sとは、地表から一瞬で宇宙まで行くとしたら必要な速度であって、じわじわと行くなら、上に行くほど、そこまでの速度が必要なくなるという事ですよね・・・ 間違ってませんが、その違いは「理論と現実の違い」というより「第1宇宙速度とは何か」という認識の間違いかと思います。 それと、「人工衛星になる」ということと「宇宙に行く」とは別の話ですので区別してください。 「人工衛星になる」とは「重力よりも遠心力の方が大きく、いつまでたっても地上に落ちてこない」ようになるということです。 そうなるための速度の下限、「ある程度以上の速度」が第1宇宙速度です。 これは、地球が「完全な球体」で「空気がない」と仮定した状況で「地表(高度0m)」で人工衛星になるための最低速度です。 7.9km/sを出すと、そのまま高度0ではありますが、地上に落ちることなく、延々と地球を周回し続ける、という計算になります。 あるいは、言い換えると「地表高度0で速度7.9km/s」よりも大きい「位置エネルギー+運動エネルギー」を得られれば、人工衛星になれる、ということです。前の回答で挙げた高度300kmだとか36000kmの場合、周回速度は7.9km/sより落ちてますが、高度は上がってますので、位置エネルギー+運動エネルギーは「地表高度0で速度7.9km/s」よりも大きくなっています。 以上は、「一瞬で加速できる」「空気抵抗がない」という理論上の計算です。 実際には、一瞬で加速するのではなく、時間をかけて加速することしかできませんが、 その結果として「地表高度0で速度7.9km/s」のと同等以上の「位置エネルギー+運動エネルギー」を得ることができれば、人工衛星になることになります。 たとえば地上高度0で、8km/sの速度で水平に打ち出したとすると、遠心力の方が重力より大きいので、どん高度が上がって行って、地球を半周したところで高度300kmにまであがります。 ただし、高度が上がっていく分、速度は落ちていき、高度300kmの時点での速度は7.6km/sぐらいになります。そして、その後高度はどんどん下がっていき、その分速度が上がっていって、地球を一周して出発地点に戻ったところで、高度0、速度8.0km/sになります。 これは「近地点高度0km、遠地点高度300kmの楕円軌道な人工衛星になる」ということです。 ここで、遠地点の時点で、7.7km/sまで0.1km/sほど加速してやると、そのまま高度300km速度7.7km/sを維持して回り続ける円軌道の人工衛星になります。 ただし、単に「地表高度0で速度7.9km/s」のと同等なだけでは、上述の通り、また高度0に戻ってきて、途中の空気抵抗で減速してしまいます。 そんなことにならないように、さらに「近地点も空気がないだけの高さになるようになる」だけの加速をして初めて、「宇宙に行った」と言えるかと思います。 つまり、H2Bは、高度0速度0からスタートして、時間をかけて加速することで「地表高度0からいきなり8km/s以上でスタートした」のと同等の加速を行って高度300kmにまで到達し、(その後、H2B本体はそのまま高度が下がっていってき空気抵抗で燃え尽き) HTVは、そこからもうちょっと加速をして、高度300km/sでの周回軌道に乗り、ISSにたどり着いた、という流れになります。 結果としてH2Bは速度7.9km/sには達していませんが、 「高度0速度7.9km/s」より大きい「位置エネルギー+運動エネルギー」は得られています。

bananatosa
質問者

お礼

大変くわしくありがとうございます! 「位置エネルギー+運動エネルギー」を得るというお話を聞いて納得しました。 なんでも奥が深いものなんだなあ。。。と言うような、かじった知識だけで知ったつもりになっていてはいけないな、という当たり前の事を今更思い知らされた気分です。 ありがとうございました。

その他の回答 (3)

  • mtaka2
  • ベストアンサー率73% (867/1179)
回答No.3

第1宇宙速度は、「地表」(高度0)での、重力と遠心力が釣り合う速度です。 より高度が高くなると、その分重力が小さくなるので、人工衛星になるために必要な速度は小さくなります。 (そのかわり、そこまで持ち上げるためのエネルギーが必要ですので、トータルの所要エネルギーが小さくなるわけではありません) ISSは、高度300kmぐらいのところにいますので、その分必要な速度が下がり、その速度は7.7km/s程度になります。 さらに高度が上がると速度は下がっていき、 たとえば、高度36000kmにある静止衛星の周回速度は、3km/s程度です。 公転半径38万kmの月あたりになると、周回速度は1km/s程度になります。

bananatosa
質問者

お礼

ありがとうございます。 とてもよく分かったのですが、 約7.9km/sとは、地表から一瞬で宇宙まで行くとしたら必要な速度であって、じわじわと行くなら、上に行くほど、そこまでの速度が必要なくなるという事ですよね・・・ 理論上は約7.9km/s必要だけど、現実は違う。。。という感じで考えていて良いと言う事でしょうか?

  • pasocom
  • ベストアンサー率41% (3584/8637)
回答No.2

ご提示のサイトの中の次の記述でしょうか。 「打ち上げからHTV分離まで15分間です。15分間で高度287Kmに上昇して秒速7.7Kmまで加速します。」 ご質問の中の「第一宇宙速度」とは、ご存じのように「ロケットが地球の周りを回るのに必要な速度」です。国際宇宙ステーションは地球周回軌道を回っているので当然上記のスピードでまわっています。 これに対して補給機は打ち上げ後15分でロケットから切り離され、その時点では「ほぼ、第一宇宙速度に近い」速度になっています。この後、補給機自身の推進力を使って残りの「時速0.2km分」を加速してステーションに近づいて行ったのです。

bananatosa
質問者

お礼

ありがとうございます。 なるほど!補給機自身の推進力というのがあるのですね! 分かりました!

  • kichi8000
  • ベストアンサー率41% (658/1580)
回答No.1

周回軌道に入るのはロケットではなく実験衛星(HTV技術実証機)です。 人工衛星の打ち上げだけに使用するロケット本体が軌道に乗ったら、 軌道上がゴミだらけになってしまいますよ。 ぎりぎり達しない速度でやめておけば、その後は勝手に地上に落下していきます。

bananatosa
質問者

お礼

ありがとうございます。 確かに・・ロケットは落下しないとダメですよね。 ただ、HTV自身も7.7km/s までしか速度があがってないのはなぜなのでしょうか・・

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