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白紙委任状

白紙委任状の問題は、109条の問題とされたり、110条の問題とさ れる等、複雑ですが、なにかうまい切分はないのでしょうか?

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回答No.2

#1です。お礼について返信します。 109条・110条・112条の理解は、だいたいにおいては、よいのかなぁと思います(大きな違いの部分は、良いと思う)。 ただ、「『授権』意思」という用語法は、代理と区別される「授権」において用いられるので、誤解を招く虞があります。 また、なんとなく、通謀虚偽表示と対比させているように読めてしまいますが、厳しく見ると、「本人の授権意思と授権表示が一致してるので代理権は存する」という部分も、表示は相手方を前提にしていると思いますが、代理権(代理関係)の存否は、本人・代理人間の問題ですので、相手方への表示は代理権の成立の要件ではありません(代理権授与行為の独自性を認めるかの違いはありますが、普通は○○契約説を採るので、代理権授与に関し、本人・代理人間の意思の合致が代理権の成立の基本的な要件となります)。(実際の試験は揚げ足取りみたいなところがあるので、表現には気を配ってみてください [あまり神経質になると、答案が進まないので、適度に。]。) 言い換えるなら、109条は、本人が代理権授与を装った場合にそれを信頼した第三者を保護する、110条は、越権行為を正当な代理権の範囲内と信頼した第三者を保護する、と考えておけばよいでしょう。 ちなみに、112条は、取消以外でも、終了など、他の消滅原因もあり得るので注意してください。 白紙委任状については、良いと思います。 総合考慮の結果から、採用する説を確定すればよいと思います。 ただ、重畳適用しようが、要件・効果に大差はない(もっとも、内田先生に言わせれば、110条の正当理由について、本人側の要素を考慮する、という点では差がありますが…)ので、あまり厚く論じる必要もないのかなぁと思います。その辺は、出題のバランスにあわせて考えてみてください。

a1b
質問者

お礼

今回も的確な回答有難うございました。 本来ならば、40点満点の回答を頂いており恐縮いたします。 お察しの通り、109条の授権表示と、本人の代理権を与えるという意 思表示における表示行為とを混同しておりました。 代理権の発生の要件として、代理権の授権意思と授権表示が必要であ り、これが一致していない時には、代理権は成立しないと(錯誤みたい な論法)やってしまいました。 しかし、代理権の授受は、法律行為(無名契約又は単独行為)として行 われるので、特別のものではないのですね。 なんかとても頓珍漢なことになっていて、お恥ずかしい限りです。

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回答No.1

白紙委任状の問題について、私が一番整理されていると思うのは、以前ご紹介した、船越先生の民法総則 [項目番号367あたり,387あたり]。 基本的にはどこが空欄かで場合分けします。 (1) 受任者白地の場合、不特定者に対し所持者を代理人とする授与表示アリと考えます。ちなみに、委任状が転々流通した場合にも妥当するかについて、転々流通が想定されるかによって区別する旨を判示した、最判39.5.23を調べてみると良いと思います。 (2) 相手方白地のみの場合は、授与表示アリの可能性大です。 (3) 委任事項白地の場合。これが争いのあるとこです。 (3-1) 補充された内容での授与表示アリとして、109条の問題とする説(船越) (3-2) (白紙委任状の交付を受けた代理人に限り)別途、基本代理権授与があれば、110条の問題とする説 (3-3) 本人の予想外の補充の可能性を考慮して授与表示だけとは考えず、109条と110条を重畳適用する見解(内田)。 ちなみに、判例は船越説と評価できるのではないでしょうか(最判41.4.22は、代理人欄・委任事項欄の白紙の事案で、代理権授与表示アリと判示しています。これに対して、内田説からは限界事例と評価され、船越説からは普通の判断と評価されることになります)。 (4) 委任事項と代理人欄双方が空欄の場合、(3) と同様に考えるのが判例です(上記の判例)。 ご質問の点に即していえば、委任事項空欄でも、それに即した授与があると考えることに抵抗がなければ、船越説を、やっぱり越権的だなぁ、と思うのであれば、内田説を採るのが、自然ではないでしょうか(基本的にどちらの説を採るかで、割り切っておけばいいと思います。ただ、論文試験用に、事例に応じて回答し易い方があるかと思いますので、療法の考え方を多少は知っておいたほうがよいかもです。その辺は趣味の問題ですね。)。

a1b
質問者

お礼

私の勝手なお願いにもかかわらず、的確かつ論理明快な回答を有難うご ざいます。 お陰さまで、大分整理することが出来ました。 そこで分かりましたのは、私は根本的な部分(スタートで)で躓いてし まっていたようです。 109条と110条の大きな違いは代理権が存するかどうかいうことだ と思います。 110条は本人の授権意思と授権表示が一致してるので代理権は存す るが代理人が勝手に範囲を逸脱した場合であるのに対して、109条は 本人の授権意思と授権表示の一致はなく代理権は有効に成立していない が、その授権表示を信頼した相手方を信頼するものだと考えればよいの でしょうか? (代理権の取消によるもであれば112条と考えればよいでしょう か?) そして、白紙委任状の場合には、これが授権表示といえるためには、ど のようの装丁がなくてはならないか、また委任事項の白紙部分と発行者 である本人の発行意図とを総合的に勘案して授権表示に足るものである かを判断するのでしょうか?

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