固体気体吸着塔の設計について

このQ&Aのポイント
  • 固体気体吸着塔の設計について化学的なアプローチをまとめました
  • 固体気体吸着塔の設計方法と実験について解説します
  • 固体気体吸着のプロセスをスケールアップするための手法について考えてみました
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固体気体吸着塔の設計について

お世話になります。 化学か物理かカテゴリーを迷いましたが・・・ 化学で質問します。 ガス中の不純物質を固体吸着にて除去するプロセスを考えています。 不純物質は単一成分で、キャリアーガスは窒素などの不活性ガスです。 現在はラボ段階で、実験結果をもとにスケールアップする予定です。 そこで、教えていただきたいのですが、 吸着等温線で用いられる Langmuir式 q=(qinf)*K*C/(1+KC) で 吸着平衡定数Kと単分子層吸着に相当する吸着量qinfを求めるにはどうすればいいのでしょうか? 固液吸着の場合は、吸着剤を溶媒に懸濁させ、そこに被吸着物質を加えて一定時間攪拌することで、平衡濃度を求めることができるのですが、 今回のように固気反応の場合はどのような実験をすればいいのでしょうか? 最終目的は、吸着等温曲線を求めることにより、スケールアップした時の破過時間を推算することです。 以上 よろしくお願いします。

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  • jamf0421
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回答No.3

>このような微量ガスの吸着において、ラボスケールで破過曲線をとるの >は容易なのですが、それを実機スケールにアップしたらどうなるか=破 >過時間の推算をしたい場合、どういう実験をすれば求められるのでしょ >うか? 残念ですが破過については専門家ではありません。そういう訳でごく参考程度に見て下さい。 まずその系で期待できるのは、ある程度流している間はほぼ完全に不純物がとれていて総流量がある閾値を超えた時に速やかに除去されなくなってしまう挙動です。それならば簡単で、入口から順番に吸着サイトが潰れていってその前線が出口までとどいたところでどっと出るようになる形です。入口濃度をC0、通過吸着層の長さをLとして C0-C=kL...(1) になっていて、濃度は直線的に下がり、ある長さLaですべてがとれてしまい、その先はきれいになります。しかし入口から段々死んでいってある長さLaに届かないところで吸着層が終わるようになると、そのまま出てしまいます。それからは一気に出口濃度が上がって行きます。これなら破過の始まる量の予測はラボで吸着剤の吸着容量を決めればできるはずです。 これは触媒反応で触媒が過剰にあり、触媒層のごく一部でConversionが終わってしまう挙動に似ています。この場合、使い始めは触媒層の入口部分だけが反応に使われ、そこで発熱して反応が行っています。そのうちにそこの触媒が失活して、段々発熱層が出口方向にシフトして行き、最後に活性がなくなってしまうのです。 その逆ですと、不純物濃度をCとしたときにdL進む間にdC濃度が減るときに -dC/dL=kC...(2) のような挙動です。この解は C=C0exp(-kL)(C0は入口濃度)...(3) ですから、Lを長く取っても少しは出ます。時間が経つにつれてkが小さくなる形で出口濃度がじわじわあがるはずです。(これが物理吸着的挙動なのではないでしょうか?) 中間的だとLangmuir的であれば -dC/dL=αSKC/(1+KC)...(4) だと思います。Sは吸着層の断面積、αは比例定数のつもりです。これをとけば (1/K)ln(C/C0)+(C-C0)=-LαS...(5) のように濃度変化するはずです。時間が経つにつれてαSが下がって行きます。 吸着層を層別に分析すれば挙動の推定はつき、設計はできるのではないでしょうか?

nabesuke
質問者

お礼

jamf0421様 早速のご回答、誠にありがとうございました。 破過実験の解析方法、大変良くわかりました。 ひとりで悩んでいたのですが、おかげさまで糸口が見えてきました。 どのような破過曲線が得られるのか、実験データをとって検討します。 がんばります!! ありがとうございました。

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  • jamf0421
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回答No.2

>やはり、固気吸着の平衡を求めるには分圧を測定するしかないので >すね。 「平衡を求めるには分圧を測定する」ではなくて「吸着等温線から飽和吸着量を求める」には平衡圧を変えてその圧での平衡吸着量をもとめるしかないでしょうね。 >圧力測定は、水銀マノメーターなのでも可能でしょうか? 普通は可能なのですが、あとでも書きますように極く低圧での平衡圧が問題な場合は別の装置が必要です。 >不純物濃度を変えて破過曲線をとり、そこからqinfやKを求めること >でしょうか? この部分は私も説明が不十分でした。吸着等温線で求まる飽和吸着量は普通は平衡ガス圧がしっかりとある状態で、すでに破過しています。今の例では、吸着は飽和吸着量ではなく不純物が極低圧(ほぼゼロ)の時の平衡吸着量(極端に言えば平衡圧ゼロでもしっかり吸着できる量)が問題になると思います。すなわち不純物が極低圧の時の平衡吸着量が、その吸着材が保持できる不純物量ということになります。吸着による不純物除去の基礎データはLangmuir式の吸着で扱うのには不向きな話なのではないでしょうか。 >”STP”の意味を教えてください。 standard temperature and pressureで0℃、1気圧を言います。 成書に就きましては、実はあまりよく存じません。物理化学の意味での吸着と、吸着技術の応用という意味があります。純然たる応用ですと「吸着技術の産業応用ハンドブック」(金子克巳他編)がありますが、高いので図書室にあれば、というところです。 非常に古い本ですが、Youg & CrowellのPhysical Adsorption of Gases(日本語訳 「ガスの物理吸着」 高石、古山)は物理吸着の理論がしっかり書かれています。あと勉強したことはないのですがBrunauerのThe Adsorption of Gases and Vapors:Physical Adsorptionは面白いかも知れません。化学吸着も含めてでは触媒反応がらみとなると思います。Internetの書店のサイトでご覧になれますが、どれがよいのかよく分からないです。すみません。

nabesuke
質問者

補足

jamf0421様 ご親切に、ご回答いただき誠にありがとうございます。 今日、図書館へ行き専門書を借りてきました。あいにく、jamf0421様のおっしゃる本はありませんでしたが、ガス吸着平衡の測定装置のイメージがわかりました。結構、大変そうですね。 現在考えている系ですが、具体的にいいますと、不純物は無機酸(ガス=水に任意の割り合いで可溶)で、濃度は数千ppm程度です。化学吸着の要素を含んでおり、アルカリで中和除去します。 物理吸着とは違うことはわかっておりますが、仮に物理吸着とした場合について”試算”したいと考えています。 jamf0421様のおっしゃる通り、微量濃度ですので平衡定数を求めても 現状に合わないものだとわかりました。 としますと・・・ このような微量ガスの吸着において、ラボスケールで破過曲線をとるのは容易なのですが、それを実機スケールにアップしたらどうなるか=破過時間の推算をしたい場合、どういう実験をすれば求められるのでしょうか? ご存知でしたら教えていただければ幸いです。 よろしくお願いいたします。

  • jamf0421
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回答No.1

吸着量と平衡圧を求めるのでしたらガラス真空ラインを使うでしょうね。圧力が測定できる既知死容積(dead volume)の部分と、コックがついていて、その下にジョイント経由で、これに吸着される物質を入れた管を繋ぎます。既知容積部分は容積測定は簡単に計測する装置もありますが、手作り装置でもできます。既知の容積のコック付きの管(コックまで水を満たして重量を測定したもの)をラインにジョイント経由で繋ぎます。これに既知圧のガスをいれてコックを閉じて他の部分を真空にします。それから管のコックを開けてラインに広げて圧をまたはかります。これでライン+接続部分(ライン側コック→ジョイント→管側のコックの部分)の容積が計算できます。接続部分はここに1気圧の空気をいれて、真空に引いたラインに広げればラインと接続部の容積比率がわかりますので、最終的にラインの死容積もわかります。 サンプル管(これはコックがなくてジョイントだけで可)にサンプルを入れて、ジョイント経由でラインにつなげ、真空排気します。(普通は吸着している水分その他を除くため加熱排気)サンプルの入った管の死容積は吸着することがないHeガスをラインから広げて圧の変化を測り、決定できます。あとはラインにガスをいれ圧を測り、サンプル側に広げて平衡になるまで待って圧を測れば、吸着量はn=P1V1/RT-P2(V1+V2)/RTで出せます。P1は初めの圧、P2は吸着平衡の圧、V1はラインの死容積、V2はサンプル管の死容積です。2回目以降はn=(PnV1+P'n-1V2)/RT-P'n(V1+V2)/RTで吸着量がだせます。Pnはサンプル系と遮断した状態でn回目に新にラインに入れたガス圧、P'n-1はn-1回目の平衡圧、P'nはn回目の平衡圧です。 さて書かれた q=(qinf)*K*C/(1+KC)...(1) でCはガスの平衡圧、qは対応するガス吸着量(普通はSTPのvolumeでだします。)Kは平衡定数、qinfは飽和吸着量ですね。 1/q=1/qinfKC+1/qinf...(2) ですから、1/Cに対して1/qをプロットすれば勾配が1/qinfK,y切片が1/qinfですからKもqinfも求まります。これだとqが小さい方のデータが強調される、とお考えでしたら、(2)の両辺にCを掛ければ C/q=1/qinfK+C/qinf...(3) でありますから、Cに対してC/qをプロットすれば、勾配が1/qinfでy切片が1/KqinfでこれからもqinfとKが求まります。 ここまでだらだらとLangmuir Plot((1)式)の出し方をかきましが、吸着は簡単にLangmuir Plotになってくれるとは限りません。吸着等温線を知ったところで、実際の系で不純物がある分圧Pで流れ、この圧で簡単に平衡吸着になってくれるなら、その吸着量が実力(飽和吸着量対応)とみて能力を計算するしかないのではないでしょうか。

nabesuke
質問者

お礼

早速のご回答、誠にありがとうございます。 当方、この分野は、大学の教科書を読んだ程度です。 初歩的なことで申し訳ありませんが、いくつか教えていただければ幸いです。 やはり、固気吸着の平衡を求めるには分圧を測定するしかないのですね。 ・圧力測定は、水銀マノメーターなのでも可能でしょうか? ・>実際の系で不純物がある分圧Pで流れ、この圧で簡単に平衡吸着にな >ってくれるなら、その吸着量が実力(飽和吸着量対応)とみて能力を >計算するしかないのではないでしょうか。 とありますが、これはたとえば、不純物濃度を変えて破過曲線をとり、そこからqinfやKを求めることでしょうか? ・”STP”の意味を教えてください。 ・おすすめの成書などありましたら教えてください。 よろしくお願いします。

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