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獣医の方が今研究していることがかいてある本を教えて下さい。
私は獣医になりたいと思っていますが学力がたりません。 でも諦めきれないので推薦に挑戦するだけしてみたいとおもいます。 そこでお聞きしたいのですが、 今獣医のあいだで注目されている研究内容や、問題になっているようなことが書いてある本知っている方はいらっしゃいませんか? 自分でも調べたのですがよく分かりませんでした。 よろしくお願いします! また今自分はこういうことを獣医として研究しているっていうことがあったら簡単にでいいので教えてください。 お願いします。
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Jagar39です。 まあ、あれでは判りませんよね。私だって理解できないものが大半ですから。 では、もう少し判りやすいのを。 http://niah.naro.affrc.go.jp/index-j.html これは動物衛生研究所という研究機関のサイトです。元は国立だったのですが、今は独立行政法人ということで一応民間機関ということになっています。 ここの「動衛研における研究」の下の各チームのリンクを辿ると、そのチームでどういう研究をしているか書かれています。 さらにされざれのチームのページで、[主な研究成果]のリンクを辿ると、具体的にどんなことをやっているのかが書かれています。こちらは具体的なので、まだ少しは朧気にイメージは掴めるネタがあるかもしれません。 具体的に1つだけ説明してみます。私はウイルス屋なので、ウイルスの話を。 [ウイルス病研究チーム]から[主な研究成果]のリンクを開き、ずっと下の方の[豚の離乳後多臓器性発育不良症候群(PMWS)の診断法の確立とわが国におけるPMWSの浸潤状況 ]というリンクを開けてみてください。 http://niah.naro.affrc.go.jp/publication/seikajoho2/2001/niah01018.html ま、これなんですけど。 これは豚で「離乳後多臓器性発育不良症候群」という病気があります。病名が長ったらしいので英語表記を略してPMWSと言ってます。 この病気が難しいのは、一応原因ウイルスとされている豚サーコウイルス2型(PCV2と略す)は、単独で豚に感染させても病気を起こさないという点です。つまり他の疾病と複合感染を起こして初めて「病気」になるのです。 そうなると、病気の豚を診断することが大変難しくなります。ウイルスの存在を証明しても、PMWSであるとは言えなくなるからです。さらにこのPCV2というウイルスはほぼ全ての豚にいるウイルスだということが、さらに話を複雑にしています。 というわけで、このページに書かれている内容をかいつまんで書くと、「PMWSの診断基準を作った」ということです。この診断基準に従ってフィールドでPMWSの診断をするようになって初めて「この疾病によって養豚産業にどのくらいの被害が出ているのか」が正確に判るようになるわけです。 というように、「病気の研究」でまず一番最初に研究としてやるべき事は、「診断系を作る」ことです。診断ができなければ被害が判らず、金や資源を投入しても抑えるべき疾病なのかも判りませんから。 この診断系を作るという仕事だけでもやることはたくさんあります。 伝染病ならまず、その病原体をできるだけ簡単に、かつ確実に見つける方法を開発しなければなりません。それも1種類だけでなく、複数の種類を開発した方が選択肢が増えるし、確実性も増します。 次に、その病原体がどのような状態の時にどこからどのように検出されれば、この病気であると診断できるのか、という診断基準を明確にしなければなりません。 例えばインフルエンザですが、発熱と咳が出て医者に行くと、まず簡易検査を受けます。これはキットで手軽に、ウイルスに専門知識がない臨床医にも診断ができるように開発されたものです。 本当の診断は培養細胞に鼻汁などの検体を接種して、ウイルスが増えるかどうかで判定します。これは培養細胞をメンテナンスする手間、判定にウイルス学的な知識とテクニックが必要なこと、何より「生きたウイルス」を大量に増殖させるため、"病院"では実施不可能です。 なので「インフルエンザウイルスを構成する蛋白質が存在する」ことだけを検出するキットを研究によって開発し、商品化して臨床医がそれを使うことになるわけです。 でも、細かいことを書けば、それだけでは不十分です。 なぜなら、「熱を出して咳をしている患者の鼻汁にインフルエンザウイルスの蛋白質が存在する」=「この患者はインフルエンザという病気だ」ということにはならないからです。インフルエンザは感染していても他の原因によって風邪をひいた状態なのかもしれません。 なので多数のフィールドデータを蓄積することによって、「発熱して咳をしている患者の鼻汁にインフルエンザウイルスが存在すれば、その患者はインフルエンザという病気であると考えてほぼ間違いない」ということを証明するわけです。 ここまでが揃って初めて、簡易検査によってインフルエンザを診断することができるわけです。 同じようなことを、全ての病気に対して誰かが研究を行って診断系を作っているわけです。簡単な病気もあれば複雑で難しい病気もありますが。 今問題になっている新型インフルエンザは、出たてなので今は難しいですね。 これは上に出た簡易検査で、まず「A型インフルエンザウイルスの抗蛋白が存在する」ことを証明し、さらにそれがH1かH3かを調べています。 インフルエンザのHA亜型は16種類あるのですが、現在ヒトに感染するのはH1とH3の2つの亜型です。H1はソ連型、H3は香港型のことです。今度の新型はH1です。 なので、H亜型を調べてH3であれば新型ではないと確定します。 H1であれば、ソ連型か新型のどちらかである、ということになります。 このH亜型の調べ方も、昔はH1やH3に対する抗血清(要するに抗体)を用意して、抗血清との反応を比較する交差反応で調べていました。今でもそれがスタンダードなのですが。 でも、これにはまず検体からウイルスを分離培養せねばならず、そこで数日かかってしまいます。これでは対応が間に合いません。 なので今は、遺伝子を調べています。インフルエンザウイルスのHA蛋白をコードする遺伝子の配列は判っているので、H1遺伝子だけを増幅する方法とH3遺伝子だけを増幅する方法を並行し、どちらに反応するかでH1かH3かが判るわけです。 で、H1であることが判れば、ソ連型か新型のどちらか、ということになります。H3であれば新型は否定できるので、この時点で無罪放免です。 H1であれば、今度は「ソ連型か新型か」を調べなくてはなりません。 今度はHA蛋白をコードする遺伝子の配列を全て調べて、その配列でどちらかを決めているようです。この遺伝子の配列を直接調べるには、かなり高額な機械が必要なので、今は国立衛生研究所でのみ実施しているようです。ま、外注すれば安い値段でゃってくれる業者がいるので、地方衛研でできないこともないはずなのですが。 で、この配列を調べてソ連型か新型かを決めるわけですが、そのためにはあらかじめソ連型も新しい新型も、その部位の配列が判っていなければ診断できません。 なので、こつこつとウイルス遺伝子の配列を調べる、ということも「研究」です。 ソ連型は昔から配列が判っていますし、新型も既に全遺伝子の配列が判っています。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/genomes/FLU/SwineFlu.html なので、簡易検査の次の段階の「H1かH3かを遺伝子検査で調べる」時に、一足飛びに「ソ連型か香港型か新型か」を調べることはできるはずです。これも今、CDCや国立感染研で研究が進められていて、もうすぐにでも実用化されるはずです。配列は判っているわけですから、プライマーを設計するだけだったら20分も時間をもらえれば私にだってできますもん。(設計したプライマーがちゃんと動くかどうか、ちゃんと目的の遺伝子だけ増幅して余計な遺伝子を増幅しないかを確認するのに手間がかかる) というわけで、「感染症の診断系を作る」という研究分野だけで、これだけ多くの仕事があるわけです。ここで述べたのは「感染症の診断系を作る」仕事のほんの一部ですし、「感染症の診断系を作る」という分野は、感染症分野のほんの一部です。ちょっと思いつくだけで治療法とか疫学(どんな感染拡大の仕方をするのか)とか、感染症関連の分野は膨大にあります。 そして、獣医学領域の中で感染症の分野というのは、これまたほんの一部なのです。 つまり、世の中は判らないことだらけでやるべき仕事は無限にある、ということです。
その他の回答 (2)
前のご質問でも回答したJagar39です。 獣医の研究領域といっても、極めて多岐に渡ります。 とりあえずNo.1さんの回答にもあった日本獣医学会のページを見てみましょう。 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsvs/ ここの"学会誌"は英語論文ばかりなので敷居が高いでしょうから、"学術集会"を見てみましょう。 http://www.agr.miyazaki-u.ac.jp/~jsvs146/prog.html 上記リンクは去年の9月に宮崎で開催された第146回の学術集会の演題一覧です。 日本獣医学会は大きな総合的な学会なので、専門分野ごとに分科会というのがあり、それぞれpdfファイルで演題一覧を見ることができるようになっています。(ちなみに私の演題もどこかにあります) ここで演題を見れば、どの大学(あるいは研究機関)の誰がどんなことをやっているのか判るのですが・・・まあ演題を見てもどんな話なのかは判らないでしょうね。私だって専門外のことは演題を見てもちんぷんかんぷんですから。 ちなみに日本獣医学会も、会員全員が獣医師というわけではありません。 また、日本獣医学会のような総合的な学会ではなく、例えば日本ウイルス学会のような狭い領域の学会もあります。 http://jsv.umin.jp/index.html こちらの方も、獣医師も大勢いますが獣医以外の学会員もたくさんいます。 特にウイルスや細菌のような微生物系だと、"医学"と"獣医学"の境界はかなり不明瞭です。獣医が人間のウイルスや細菌を研究していることはよくあります。 日本獣医師会のリンクも張っておきます。 http://nichiju.lin.go.jp/index.php 頑張って勉強して下さい。 質問者さんが私達の仲間になる時を楽しみにしています。
補足
一度ならず二度もよいアドバイスをありがとうございます。 何度もすいませんが専門すぎて分からないので、例えば「これはなんの病気を治すために使われている研究だ」みたいなもう少し分かりやすいものはありませんか? 本当に本当にすいません。
- heilong08
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まずは日本獣医学会のページをご覧になってはいかがですか。 学術集会のプログラムや学会誌の内容が掲載されています。 Good luck!
お礼
回答してくださりありがとうございます。 頑張ってみます!
お礼
何度も何度もすいません。 ありがとうございます。 早速調べます!