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著作権32条の正しい解釈について

 著作権32条について有識者限定で質問です。  無断引用は道徳的によくない行為であるとは思っていますが、許可申請は時間的なリスクがあると考えています。  著作権32条を正しく理解し、実行すれば無断引用は道徳的にも法的にも問題なく、むしろ需要側と供給側のリスクを減らせると考えています。    以上のことからいくと、サイトによくある“無断転載禁止”は違法または誤用行為をする方がいるために簡便な表現として扱われていることとは思うのですが、正規無断引用の権利を侵害していると考えています。考え方は間違っていないでしょうか?  有識者によるご意見、アドバイスをよろしくお願いいたします。    

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回答No.2

結論からいえば、「無断転載禁止」というのは、基本的には効力がないと解されます。 すなわち、著作権法32条1項にいう「引用」というのは、「第五款 著作権の制限」という一節に含まれる条文であることからも明らかな通り、「著作権が及ばない範囲の1つ」です。したがって、そもそも無権利の部分なので、「著作権を根拠に」その利用を制限することは、不可能だと解されるからです(いってみれば、自分の土地ではないのに、そこに勝手に住み着いている人に「出て行け」などとはいえないのと似ています)。 ただし、当事者間の契約として「転載・引用は行わない」という合意が成立すれば、当事者は、これに拘束されます。 もっとも、その場合でも、契約とは「当事者間の意思の合致」を意味しますから、一方的に「ダメですよ」というだけでは意味がありません。他方当事者が、「それで結構」という必要があります。 また、「xxxした場合にはこの条件に同意したものとみなす」という規定を設けることも可能ですが、たとえば、単に当該ウェブサイトを閲覧しただけで合意したものとみなす、といった条件は、およそ閲覧し始めるまでその条件を知ることができませんから、無効と解されています(そのような条件を有効にしたいなら、フロントページに条件を掲げ、「同意」ボタンをクリックしたらサイトの本体の内容を閲覧できるようにする、といた工夫が必要です)。 したがって、 >> サイトによくある“無断転載禁止”は違法または誤用行為をする方がいるために簡便な表現として扱われていることとは思うのですが、正規無断引用の権利を侵害している // というのは、正しくありません。冒頭に述べた通り、そもそもそのような文言(の多く)は、無効であり、利用者に対して何らの拘束力も生じないからです。 なお、「著作権の制限」という言葉からも明らかなように、これは「利用者の権利」ではありません。日常用語的にはともかく、法理論的には「権利」かそうでないかは、かなり重要な区別なので、頭の片隅にでも入れておいて下さい。

kenzin-32
質問者

お礼

 詳しい内容ありがとうございます。色々なサイトを調べているうちに 公私混同して解釈してしまいました。論理的ではなく、主観的に法を解釈してしまったようです。それから、正規無断引用の権利という表現は確かに正しくないです。Yorkminsterさんの意見を参考に考えを修正し、もう一度冷静に著作権の原文を読み直します。とても分かりやすい説明、非常に感謝しています。ありがとうございます。

その他の回答 (2)

回答No.3

「転載」と「引用」を混同しているように思われます。 「引用」は他の方がおっしゃるように著作権法で著作者の許諾無しに利用できる例外として認められているものです。 一方、「転載」とは、著作物の全部又一部をそのままコピーして(自分の著作物の一部としてではなく)他の所に貼り付けるような行為を意味します。 他人(一般人)の著作物を著作権法に従って「無断で引用する」ことは法的に何ら問題が無い行為であるのに対し、「無断で転載する」ことは著作権法上の引用の要件に合致しない場合は著作権の侵害になります。 従って、「無断転載禁止」というのは著作権法で認められた複製権の行使であると考えます。 サイト上で「無断転載禁止」と表示している著作者の中でそこまで認識している人は少ないと思いますが、著作者が拡大解釈(引用も禁止)していたとしても、正規の引用はできるということです。 著作権法第32条でも第1項は「引用」、第2項は「転載」と区別しています。 第2項に合致する物であれば無断転載も法的に問題無い行為になります。

kenzin-32
質問者

お礼

 「転載」と「引用」を確かに混同していました。色々なサイトの利用規約を調べているうちに転載と引用が同じ意味合いに感じるようになってしまいました。冷静さを欠いて恥じています。  著作権について良く理解するための分かりやすい有意義なアドバイス、ありがとうございます。非常に感謝しています。 

  • shintaro-2
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回答No.1

著作権法 中山信弘 p.262 有斐閣 2007年 を参照してください。

kenzin-32
質問者

お礼

 早速の回答ありがとうございます。 頂いた情報をもとにネット検索して少しだけ調べてみました。 非常に参考になりそうなので、書籍とネットの双方で継続して調べてみます。有意義な情報を提供して頂き、とても嬉しく思っています。本当にありがとうございました。  また、念のためほかの方の意見も参考にしたいので上記の情報を調べながら質問をもうしばらく継続させていただきます。

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