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定義と定理について

stomachmanの回答

  • stomachman
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回答No.7

定義と定理。結構、説明が難しいですね。 以下は中学生向けにはハッキリ難しすぎると思いますが、多少ともご参考になりましょうか。 ●「定義」とは、新しい「用語」を使い始める時に、その意味をハッキリ定めたもの。たとえば『偶数』という用語を、『2で割り切れるような自然数を偶数という。』と「定義」する。以後、『偶数』という言葉は『2で割り切れるような自然数』を短く言っただけだな、と思って読めばよろしい。  既に「定義」してある言葉だけを使って新しい言葉の読みかえ方を書いたのが「定義」です。だから『偶数とはたとえばXXのようなもの』じゃダメ。  従って、厳密な事を言えば『2』『割り切れる』『自然数』が既に「定義」してあって初めて『2で割り切れるような自然数を偶数という。』ということが「定義」できるんです。中学・高校では、『2』『割り切れる』『自然数』の「定義」は何か、という非常に基礎の部分までは勉強しませんが、実は「数学基礎論」という専門分野できちんと「定義」されています。 ●本格的に「定理」というのを説明するのもなかなか大変です。  まず数学には「対象」というものがある。これは中学でやる代数では普通の「数」ですし、幾何だと「点」「直線」などが「対象」です。厳密に言えば、単にそういう名前があるだけであって、「数」だから数字で表せるとか、「点」だから面積がないとか、そういう余計なことはまだここでは考えてはいけない。言葉のイメージに釣られちゃダメなんです。「対象」は「無定義用語」と呼ばれることもある。というのも、「対象」は言いかえようがない基本的な用語だからです。  次に「公理」というものを幾つか決めてある。「公理」は「対象」に関する基本的な性質のことで、これは証明なしで正しいと認める。これで初めて「対象」の意味が決まります。つまり「対象」は初めは単なる名前だけだったのが、幾つか「公理」を並べることで、その具体的な性質が決まる。数学では、「公理」で決めた性質だけを使う。勝手に性質を付け加えちゃいけません。  とは言っても、中学・高校では「公理」は何と何か、なんていう非常に基礎の部分まではふつう勉強しませんね。  さらに「推論規則」というものが幾つか決めてある。「推論規則」は幾つかの「公理」を組み合わせて新しい性質を導き出すやり方の事です。(推論規則にも「三段論法」とか、「数学的帰納法」とか、「背理法」とか、名前がついています。)  そうやって導き出された性質、これが「定理」です。つまり『(公理と推論規則が正しいと言う前提のもとで)対象に関してXXという性質が成り立つ』ということを表すのが「定理」です。 「推論規則」はいくつかの「定理」から別の「定理」を導き出すのにも使って良い。  「定理」を導き出す過程を書いたのが「証明」です。「公理」か「定理」だけから「推論規則」だけを使って新しい「定理」を導き出す。これ以外に一切余計なものが混ざってはいけない。  こうして、いろいろな「定理」が次々と別の「定理」を生みだします。たとえば 定理:『n×nが2で割り切れる自然数ならば、nも2で割り切れる自然数である。』 これじゃ長ったらしいですよね。そこで 定義:『2で割り切れるような自然数を偶数という。』 によって新しい用語『偶数』を決めて、さっきの「定理」を 定理:『n×nが偶数ならば、nも偶数である。』 と短く言えるようにする。 (なお、「定理」の中には「補題」「系」などと呼ばれるものもありますが、「定理」と同じ意味です。) ●こういう考え方が、ユークリッドに始まる公理主義。なんだかがんじがらめのようですが、ヒルベルトの形式主義ではもっとうるさい。使う言葉も日本語や英語ではなく、正式には「一階述語論理」という言語を使います。(大抵の)現代の数学はこの形式主義に則っています。 ●ついでに。「対象」「公理」「推論規則」を決めれば、「定理」が沢山出てくる。これら「定理」全部をまとめて「(数学)理論」と言います。つまりスジから言えば(「対象」は単なる名前に過ぎませんから)「公理」「推論規則」を前提として、何が言えるか、を研究するのが数学ってことになります。  しかし実際の所は逆に、たとえば「いろんな図形をまとめて扱えるように「公理」を定めたい。どういう「公理」を並べればよいか?」という研究が必要で、これが「数学基礎論」です。

bizinn
質問者

お礼

お礼が遅くなって申し訳有りませんでした。 本当に難しいですね。 私自身がちゃんと理解してから教えたかったのですが。 余計解らなくなってしまい、しばらく考え込んでいました。 ありがとうございました。

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