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コップの水の蒸発と気圧
同じ大きさ・形のコップに同量の水をいれたものを2つ用意して、1つを気圧の低いところに置き、もう1つを気圧の高いところに置いたとき(温度・湿度は同じです)どちらの水が先に全部蒸発してなくなるでしょうか? 子供からの質問だったのですが、山の上と平地で温度・湿度は同じで気圧のみが異なるときに蒸発の早さに違いが出るのか?という問いに答えられませんでした。その後考えましたが未だにわかりません。どなたかご説明いただければ宜しくお願いします。(温度・湿度の値にもよる、という場合は15℃で40%としてください。)
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ANo.2 です。 追加です。 しつこくてすみません。 結論を急ぎすぎました。 熱移動の問題を置き去りにしてしまいました。 蒸発するには熱が移動する必要があると書きました。気体の伝熱は「伝導」、「対流」、「放射」があります。温度が低いので放射は無視します。全く空気が動かなければ、伝導伝熱となり、非常な低圧では圧力に比例しますが、常圧近辺では圧力にはよらないことが知られています。しかし、質問からすれば、全く空気が動かないというのは、非現実的でしょう。空気が動けば対流伝熱になります。対流伝熱は伝導伝熱よりずっと大きく、圧力に依存します。圧力が大きいほうが大きい。 結論(続き) しかし、 7.気圧が低いと、熱が移動しにくい。 8.蒸発する水の潜熱をまかなえないかもしれない。 9.それでも蒸発すれば水温が下がる。 10.水温が下がれば、飽和蒸気圧も下がって蒸発しにくくなる。 気圧の高いのと低いのとどっちが蒸発しやすい? 結局 以上の検討から、 最終結論 実際にやってみなければわからない。 実際にやってみた人の意見を聞きたい。
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- mazeran
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またまたお邪魔します。No,1、7です。 見つけましたので連絡します。 http://www.ntv.co.jp/sekaju/class/070526/04.html 結果は、「沸騰した後、凍る」でした。 この実験はあくまで、「どんどん空気を抜いて行く」ですので、今回の質問とは少し違いますが、「どんどん」とまでは行かなくても、少し気圧が低い場合は、「沸騰し易くなる」でいいのではないでしょうか。 つまり蒸発し易くなるようです。 あまり激しい沸騰になると、気化熱を急激に奪われて凍ってしまうようですね。ここまでは私の記憶はありませんでした。申し訳ありません。 徐々に奪われる程度(凍らない程度)であれば、気圧が低い方が蒸発は早いと言えると思います。 音声はありませんが、No,1と同じような内容でした。(またこれも記憶違いの可能性がありますが、大筋では同じだと思います。) こんなもんでどうでしょう。
お礼
再びのご回答ありがとうございます。 教えていただいたHPを子供に見せてやったところ、どうも子供もこれとにたようなのをTVで見て疑問を持ったようです。 いろいろと図を描いて説明してやりましたが、実際に自分が直に見たことがあるものが理解しやすいようで「沸騰しやすい」=「蒸発しやすい」でそれなりに理解したようです。(実際にはこの解釈にも一つの論点がある訳ですがそれは彼が成長してから考えてもらいます) 説明し一応理解した後で、自分でも実験してみたいと言い出して結局次ぎの夏休みに高い山へ連れて行く約束をさせられました。夏の高い山と冬の平地で温度・湿度をそろえて実験する予定です。私自身楽しみでもあります。 皆様の詳しい、わかりやすいご説明をいただきここまで発展することが出来ました。この場を借りて皆様に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
- mazeran
- ベストアンサー率42% (221/518)
再びお邪魔します。 さすが専門家ですね!。 okormazd様の回答を読んで、なるほどと思いました。 確かに私も「飽和蒸気圧」が気になっていましたが、お子さんからの質問とあったので、年齢がはっきりわかりませんが、まぁ、お子さんに説明するのなら、今は厳密には違っていても概念的に理解できるレベルと言う考えで説明させていただきました。 しかし、そこまで奥が深いとは私は思っていませんでした。 でも以前テレビの実験で、有名な「でんじろう」先生が行なっていましたが、ガラスでできた真空容器(名前はわかりませんが)の中に、水の入ったビーカを入れて容器を閉じ、真空ポンプで中の空気をどんどん抜いていくと、ビーカの中の水が常温にもかかわらず「沸騰」(・・・と言う言葉が適切かどうかわかりませんが)しているのを見たことがあります。 で、そのときもでんじろう先生は、No,1で説明した内容と同じ内容だったので、自分の考えは間違っていないと確信しました。 しかし、その言葉の奥には、okormazd様が仰るような深さがあるとは・・・。 なので一般的な現象としては、間違いないと思いますよ。 でんじろう先生に関するサイトを検索してみると、実験の内容と原理の説明が載ってるかも知れません。 私も探してみますので、もし間違っていたらまたお邪魔します。
- okormazd
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ANo.2 です。 続きです。 無風のとき、蒸発した水の分子の移動しやすさを表す係数は拡散係数といいます。これがどうなるかはいろいろ研究されてきました。その結果は、常圧付近では、いずれも拡散係数は圧力に反比例するということです。圧力が高いと小さくなり、圧力が小さいと大きくなるということです。すなわち、気圧が低いほうが移動速度が速くなるということです。 空気の分子が水分子の移動を妨げるからです。 ANo.2で、「気圧が低いと蒸発するのが早い」というのは適切ではないと書きましたが、言葉が足りませんでした。「空気の分子に阻止されないので、」を追加しておきます。水の蒸発を阻止するのは、空気の分子ではなく、空気中の水の分子、すなわち水蒸気です。水面付近ではこの水蒸気濃度すなわち湿度が高い、飽和状態です。これは空気の分子の多少では変わりません。これが水の蒸発を妨げるのです。さらに水を蒸発させるためには、この水分子をどけてやる必要があります。どけるのに圧力が高いほうがいいか低いほうがいいかどっちだということです。すでに書きましたが、圧力が低いほうがいいのです。 長く説明しましたが、 結論 1.空気の分子は水の蒸発を妨げることはない。 2.水蒸気の分子は水の蒸発を妨げる。 3.蒸発を早くしたいなら、この水蒸気分子を早くどければいい。 4.空気の分子は水の分子をどけるのに障害になる。 5.空気の分子が少ないほうが、水蒸気分子を早くどけやすい。 だから・ 6.気圧が低いほうが水は早く蒸発するだろう。
- okormazd
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ANo.2 です。 続きです。 これまでの話は、「空気の分子は水の蒸発を妨げることはない」ということでした。 この話は、難しくいえば、「平衡論」といいます。 次は、蒸発した水分子はその後どうなるか、という話です。「速度論」といいます。 ANo.2で、 「湿度以外の条件が同じなら、水の蒸発速度は、そのときの水温での「飽和(絶対)湿度と空気の(絶対)湿度との差に比例」するということです。この飽和湿度が温度によって決まっていて気圧には関係がない」と書きました。 しかし、比例定数はどうなるのでしょう。これは、蒸発した分子が、移動しやすいかどうかということです。比例定数が大きければ、蒸発速度が大きくなります。比例定数は気圧に関係するでしょうし、気圧が低いほうが大きくなることが期待できますが。 いま、うまくまとまっていないので、できればあとで・・・。 閑話休題。 質問のような場合、蒸発で重要なのは風の影響です。両者ともまったくの無風ならどうなるのでしょう。濃度勾配は同じになるような気がしますが。
- okormazd
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ANo.2 です。 続きです。 家庭用の卓上カセットボンベ式ガスコンロのボンベの燃料は、ブタンです。25℃でボンベの圧力は240kPaくらいです。この圧力はブタンの飽和蒸気圧です。ボンベの中でブタンが液体でいられるのは単に圧力が高いからではありません。飽和蒸気と平衡にあるからです。このボンベを、ボンベの体積より十分大きな体積の、250kPaの空気中であければ、ブタンは蒸発します。ボンベの圧力より大きい250kPaの空気の圧力がかかっていてもです。この空気の中のブタンの蒸気圧が飽和蒸気圧より小さいからです。低圧であけたときとなんら変わりません。空気の分子にはブタンの蒸発を妨げることはできません。蒸発はほかの気体の圧力にはよらないということです。
- okormazd
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子供に説明するのは難しいですが、以下を読んで説明を考えてください。 気圧と水の蒸発は関係ありません。 水がどれだけ蒸発するかは温度で決まっているからです。 温度・湿度は同じで気圧のみが異なるときに蒸発の早さに違いはありません。 気圧が低いと沸点は下がりますが、水の蒸発とは関係がありません。山の上の温度が沸点より高いこともないでしょう。 これと同じような質問が過去にもありますが、適切な回答ではないものも多数見られます。「気圧が低いと蒸発するのが早い」という類です。 簡単に言えば、湿度以外の条件が同じなら、水の蒸発速度は、そのときの水温での「飽和(絶対)湿度と空気の(絶対)湿度との差に比例」するということです。この飽和湿度が温度によって決まっていて気圧には関係がないのです。 水と空気の入った、温度が同じで圧力が違う密閉された2つの容器を用意します。両者ともその温度における飽和蒸気圧まで水が蒸発します。圧力の高いほうの空気の分子が、水の蒸発を妨げるようなことはありません。これらの容器に空気だけを注入して圧力を上げたとします。温度を変わらないようにすれば、圧力が上がっただけで特別な変化はありません。水が空気の圧力に妨げられて凝縮するなどということはありません。逆に、これらの容器から空気だけを抜いて減圧にしても、温度が変わらなければ、水がさらに蒸発するようなことはありません。 ここで勘違いしないように言いますが、入れたり抜いたりしているのは空気だけということです。全体を圧縮したり、減圧にすれば、水蒸気圧も変わりますから、当然、凝縮や蒸発が起きます。質問では、「温度・湿度は同じで気圧のみが異なるとき」ですから、空気の量だけが違う場合になります。 工業的に、真空蒸発、減圧蒸留、真空蒸着など、減圧での操作がありますが、いずれも蒸発などの速度増を期待したものではありません。 また、水が蒸発するには熱が必要です。早く蒸発するには熱の供給が早くなければなりません。 簡単に言えば、熱の供給は、温度以外の条件が同じなら「気温と水温との差に比例」します。この質問の場合は、始の温度条件は同じようですが、気圧が違います。気圧が低いほうが蒸発速度が大きいなら、蒸発熱も多く奪われるので、水温は低下します。それにしたがって熱の供給も増えて、蒸発熱とつりあう蒸発速度になるはずです。しかし、熱の移動速度は、圧力によって違ってきます。圧力の低いほうが、熱の移動速度が小さいことは、ジャーなどの真空容器で実感できるでしょう。
- mazeran
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気圧の低い高い山の上では、水の沸点が下がると言う事実があるので、早く水が蒸発するのは、「気圧の低い場所」になると思われます。 なぜなら、沸点までの温度の差が小さいからです。沸点により近くなるからです。 お子さんに説明するには少し難しいかも知れませんが、気圧が高いと言うことは、たくさんの空気の分子が、水の表面から水の分子が飛び出るのを阻止します。 逆に気圧が低いと、水の表面からみずの分子が飛び出るのを阻止しきれなくなり、気圧が高いときより早く蒸発してしまいます。 料理で使う「圧力鍋」は、内部の圧力を高めることで水の沸点を上げて100℃以上にすることで、食材をより高温にして調理時間を縮める目的で使います。 適当な例が思い浮かびませんが、スプレー缶やLPGのボンベの中にあるガスは、圧力の高い缶やボンベの中にあるときは液体のままで、沸騰していません。しかし大気圧(缶やボンベよりは遥かに低い圧力)へ出したとたんに沸騰(表現が適切ではないかも知れませんが)してガスになります。これと同じ原理です。
お礼
なるほど!空気の分子が水の分子を飛び出す(=蒸発)のを邪魔していると考えればよいのですね。この考え方でしたらポンチ絵を書いて説明してやればわかると思います。 教養系のTV番組で密閉された室内に置いた水が、室内を真空に引いていくに伴い水が沸騰していったというVTRがありそれを見たときに”室内ではなく野外(開放系?)であればどうなるのかな?"と考えたのが始まりでした。私も密閉と開放の違いがあるのかないのか考え方がまるでわかりませんでしたが、ご説明のおかげでスッキリしました。ありがとうございました。
お礼
この数日出かけておりまして本日初めて貴殿のご回答を拝見しお礼が遅くなりました。 全て拝読しましたがこんなに複雑な(私にとっては)現象であったとは・・・と驚いております。 どこまで正しく理解できたか不安ですが 1.まず水面の水の蒸気圧(水分子の量 空気の分子ではない)を考える 2.水面付近の空間の水の蒸気圧が飽和蒸気圧に達していなければ達 するまで水は蒸発する 3.飽和蒸気圧に達したとしても水蒸気は動く(拡散)ので水面付近の再び飽和蒸気圧以下になり水が蒸発する (手洗所の空気乾燥機はこの原理なんでしょうか?) 拡散しやすさについては気圧小が有利 4.ただし飽和蒸気圧というのは温度により変化する(低いほど小さ い)。そして水が蒸発すると水の温度は下がり水面の空間の温度 も下がって蒸発しにくくなる。 5.温度が下がった空気が温まるには対流が効果的で対流については 気圧大が有利 6.拡散vs対流でどっちが蒸発しやすいか? 以上を紙芝居のようにして説明してみます。これで子供が理科系に興味を持ったら私としては嬉しいことです。詳しいご回答ありがとうございました。