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空海と嵯峨天皇
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『遍照発揮性霊集』巻三「中寿感興の詩」の一文 「其の天稟(てんびん)に任せて、昼夜安楽なる者は、誠に是れ堯日(げうじつ)の力なり」とは、 「自己の天性のままに生きて、昼も夜も安楽なのは、実際、堯帝(ぎょうてい)ともいうべき天子さまのおかげである」ということです。 堯帝とは古代支那神話に登場する三皇五帝の一人で、舜帝と並び聖王として称えられます。その治世は「老人有り、哺を含み腹を鼓うち、壌を撃ちて歌ひて曰はく、『日出でて作し 日入りて息ふ 井を鑿ちて飲み 田を耕して食らふ 帝力何ぞ我に有らんや』と」といわれ、その優れた治世故に、民衆は政治が行われていることにすら気付かないほどであると伝わります。これは道教において理想とされる「無為の政治」のですが、弘法大師の一文もこの故事を意識したものと考えられます。 弘法大師が40才に書かれた一文ですが、自分自身が心静かに仏道修行に専念できることに交流の深い嵯峨天皇に対して、また国が平和であることへの感謝の念と、それと同時に、このような時代に仏道修行と自然な中で生きていけることへの喜びが書かれています。 参考 筑摩書房『弘法大師空海全集』第6巻
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お礼
大変ありがとうございました。心より感謝申し上げます。私はいま中国にいて、資料がなく、サイトで調べるのも限界があり、困っていたところでした。助かりました。空海と嵯峨天皇の交流の深さもよくわかりました。