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電気分解を解いているときに...
電気分解に関する質問です。これの解き方について, 私の持っている参考書には以下のように書いてありました。 -------------------------------------------------- 陽極 (1) 白金,炭素以外→電極がイオンとなって溶け出す (2) ハロゲン化物イオンがある→その単体が生成 (3) その他→酸素が発生※1 陰極 (1) Zn よりイオン化傾向が低い→その単体が生成 (2) Al よりイオン化傾向が高い→水素が発生※2 ※1 酸性水溶液以外では,次の反応により電極付近は酸性になる。 2H20 → O2↑ + 4H+ + 4e- (塩基水溶液 4OH- → 02 + 2H20 + 4e-) ※2 酸性水溶液以外では,次の反応により電極付近は塩基性となる。 2H2o + 2e- → H2↑ + 2OH- (酸性水溶液 2H+ +2e- → H2) -------------------------------------------------- 私はこの手順を暗記して解いているのですが,硫酸ナトリウムを電気分解する問題で,良く分からない点がありました。 陽極の反応で(3)を適用し,硫酸ナトリウムは酸性水溶液だと思ったので,手順に従い以下の反応式を書いたら,正解でした。 (2H20 → O2↑ + 4H+ + 4e-) しかし,陰極での反応は酸性水溶液の反応を書いたら間違いでした。 (2H+ +2e- → H2) なぜでしょうか。 また,なぜ※1や※2のようなことが起こるのでしょうか。ここさえなければ電気分解は簡単なのですが…。高校の範囲ではとりあえず暗記しておけ,という項目なのでしょうか。 分からない言葉があれば当方で調べるので,詳しく説明して頂ければ幸いです。
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食塩水の電気分解についての説明が「電気化学 渡辺正編著(丸善)」にあります。 塩素が発生するというのは (1)Cl-の濃度 (2)過電圧 の両方が関係するようです。 2Cl- → Cl2+2e- 2H2O → O2+4H++4e- 標準電極電位だけで見ればO2の発生の方が起こりやすい事になりますが実際の電圧には濃度の効果が入ってきます。 Cl2の発生が主になるのはNaClの濃度がソコソコであって電圧もそれほど大きくないという条件の場合です。 ・電圧を上げれば塩素と酸素が混ざって出てくる ・食塩水の濃度がある程度小さくなる(0.001Mほど)と電圧が3V程度でも酸素の発生が主になる このようなことの起こる理由は酸素発生の過電圧が大きいということにあるそうです。 酸素の発生は塩素の発生に比べて反応のプロセスが複雑です。これは上の式を見てもある程度分かります。切ったり、つないだりを繰り返さないといけません。その分余分なエネルギー(活性化エネルギーの山を越えるエネルギー)を必要とします。それが過電圧として現れると書いてあります。 大まかにせよ濃度の指定がない入試問題は欠陥問題であるとも書いてあります。 イオン化列についても書かれていますから興味のある方は一度読んでみてください。 「15元素の順番を示しているのは日本の教科書だけである。『身近な媒質中で調べても順番が分かる、順番が狂わない』ということで言うとある程度差が大きくないといけない。せいぜい10個ではないか」というのも書かれています。 Na,Mg,Al,Zn,Fe,Pb、H2、Cu,Ag,Au この10個でも濃度によっては順番が狂うことがあるそうです。 (電極電位への濃度の影響はネルンストの式で知ることが出来るようです) 現在の教科書には中性溶液では水が分解されて水素、酸素が発生する式が載っています。 2H2O→O2+4H++4e- 2H2O+2e-→H2+2OH- 以前は酸性、中性、アルカリ性に依らず 4OH-→O2+2H2O+4e- 2H++2e-→H2 でした。 これも濃度によって反応が変わるという立場からの変更です。 H2の発生の場合で言うと次のようになります。 (イ)水素の発生が泡で観察されるためにはH+の濃度がある程度大きくないといけない。 (ロ)H2Oの電離で生じる水素では不足である。(水の電離の速さはそれほど大きくない) (ハ)(イ)(ロ)より、H+が還元されてH2が出る反応はある程度以上の強さの酸性溶液においてである。 酸性溶液であっても酸性が弱ければ水が還元されて出てくる水素と混ざって出てくるでしょう。 2H++2e-→H2 と 2H2O+2e-→H2+2OH- とは異なる反応です。 標準電極電位も異なります。でもH2Oはたくさんあります。H+が少なくなればH2Oの反応が主になってくるのです。 O2の発生でも同じように考えていると思います。 この本の著者の渡辺氏は教科書の記述のこのような書き換えの推進者の一人だったようです。
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- htms42
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陰極での反応 > (1) Zn よりイオン化傾向が低い→その単体が生成 > (2) Al よりイオン化傾向が高い→水素が発生※2 は教科書にも書かれています。 w-palaceさまは「おかしい」と言っておられます。水素が基準のはずだと言っておられます。 これは水溶液中から金属イオンが還元されて金属が析出するかしないかの境界を示しています。 目安は水と直接反応するかしないかです。直接反応する金属は出てきません。水と反応しない金属は出てきます。これは水素が基準ではありません。現実的な反応の速さを問題にしているのだと思います。 金属の塊を水に入れた場合と原子状の金属が水の中にある場合とでは同じではないでしょうから境界線近くの元素のついては観察とずれるでしょう。原子状の場合の方が反応性が高いですから金属の塊で考えるのであれば温度の高い水に基準にずらした方がいいかもしれません。 Mgは水と反応しないとされていますが試験管で過熱するだけでゆっくりとフェノールフタレイン溶液が発色してきます。熱水と反応する金属だとされています。 手元にある教科書では高温の水蒸気と反応する金属として(Mg、Al)(Zn,Fe)の2組が載っています。前のグループが反応性が高いという書き方です。 水溶液中の電気分解では取り出すことが出来ない金属のグループが存在することを踏まえて融解電界の話が出てきます。NaとAlが例として取り上げられていますがこのグループの金属は全て融解電界で取り出します。教科書にNaとAlの例しか載っていないのでこの2つだけが融解電界だと思っている高校生も多いです。 硫酸鉄の水溶液の中に亜鉛板を入れると鉄が析出します。これは亜鉛板を使わなくても電圧をかければ鉄を析出させることができるということと同じことだろうと思います。
- Tacosan
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(酸性でなければ) 陰極側の反応はそれで (だいたい) 合っているんじゃないでしょうか>#4. 中性域の水にからむ還元電位は手元資料によると 2H2O + 2e^- ⇔ H2 + 2OH^- (10^-7M): -0.41V (1/2)O2(g) + 2H^+ (10^-7M) + 2e^- ⇔ H2O: +0.82V となっており, それぞれ Cr^3+/Cr^2+ と Fe^2+/Fe の間及び NO3^-/N2O4 と Hg^2+/Hg の間の電位となっています. しかし, 実際には overpotential effect というものにより, どちらも電位が「より 0V から遠くなる」方向に移動します. その結果 H2O/H2 は Zn^2+/Zn と Te/H2Te の間, O2/H2O は Cl2/Cl^- と ClO4^-/Cl^- の間に還元電位があるかのように振舞うみたいです. でないと, 「電気分解して塩素ガスが発生する」という「現実」が説明できません (Cl2/Cl^- の還元電位は +1.36V なので, overpotential effect がないと酸素ガスが発生するはず). ちなみに 2H2O + 2e^- ⇔ H2(g) + 2OH^- は -0.83V で Te/H2Te と Mn^2+/Mn の間の電位. あと, (1/2)O2(g) + 2H^+ + 2e^- ⇔ H2O は +1.23V で Cr2O7/Cr^3+ とほぼ同じ. MnO2/Mn^2+ よりわずかに高く Cl2/Cl^- よりは低い電位です.
まず、硫酸ナトリウムは中性ですので、※2 になります。H2が発生すれば、「その近辺では」OH-が生じますので、OH-の濃度が高くなります。この状態を「アルカリ性」と言います。それだけのことです。わかりにくければ、OH-の相手として、Na2SO4由来のNa+が集まってくると思えば良いでしょう。 それと、 陰極 (1) Zn よりイオン化傾向が低い→その単体が生成 (2) Al よりイオン化傾向が高い→水素が発生 と言うのはおかしいんじゃないですか?イオン化列の水素が境界になるはずですが。そうでなければイオン化列に水素が入っていることが意味不明になりますよね。まあ、例外はありますが。
- Uginx
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すみません、 >2H+ +2e- → 2H2ではないでしょうか。 これは間違いです。
- Uginx
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2H+ +2e- → 2H2ではないでしょうか。 >また,なぜ※1や※2のようなことが起こるのでしょうか。 電極付近が酸性、塩基性ということでしたら 「ブレンステッド・ローリーの定義」の酸と塩基のことではないでしょうか。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%B8%E3%81%A8%E5%A1%A9%E5%9F%BA#.E3.83.96.E3.83.AC.E3.83.B3.E3.82.B9.E3.83.86.E3.83.83.E3.83.89.E3.83.BB.E3.83.AD.E3.83.BC.E3.83.AA.E3.83.BC.E3.81.AE.E5.AE.9A.E7.BE.A9
- exodus55
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硫酸ナトリウム水溶液は中性です。しかし硫酸イオンは電子を離さないので陽極では水が電子を放出します。 また陰極ではナトリウムは電子を受け取らないので水が電子を受け取ります。 >>(1) 白金,炭素以外→電極がイオンとなって溶け出す (2) ハロゲン化物イオンがある→その単体が生成 (3) その他→酸素が発生※1 このその他というのは何でしょうか?(1)と(3)はリンクしているような…。 ※1,2についてはちょっとまだ勉強不足で詳しく書くことが出来ません。すいません。ただエネルギー的に水と対象のイオンから出来る元素、どちらが安定なのか…みたいな話だと思います…。