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日銀の政策金利が上がると市中銀行の預金利息が上がるのは何故か?

goottttの回答

  • gootttt
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回答No.6

基本的にNo3~5さんの意見で十分なのですが『何故独立性が必要なのか』ということをもう少し詳しく説明します。 ・金融政策の目的 金融政策に際して、中央銀行が目的とするのは三点です。 1.物価の安定 2.景気の安定(経済の安定、雇用の安定とも言います) 3.為替の安定(経常収支の安定を含みます) そしてどれが最も重要な使命かというと1.です。 なぜならば、物価の安定が社会の健全性の前提条件だからです。 ・金融政策の難しさ しかし、だからといって2と3を無視して良いというわけでは有りません。 1.を守るのは金融政策の前提条件です。さらに1.を守りつつ2.3.を達成しなければいけないのです。 問題は1.の維持と2.3.の達成が何処まで両立できるかです。 このように目的と効果が相反するような関係を『トレードオフ』といいます。 例えば、景気を活性化する為に金利を下げれば物価が上がる可能性が有ります。しかし、必ずしも上がるとは限りません。 景気が崩壊しそうになっている最中に、0.000001%のインフレの可能性を畏れて利下げをするのを躊躇っては本末転倒です。 また1.物価の安定とはどのような状況を指すのかと言う問題も有ります。物価上昇率は0%が好ましいのか、むしろ1~2%の物価上昇は好ましいという意見も有ります(1~2%で『安定』しているならば好ましいという話です)。 したがって、基本的に1.の維持が日銀の目的ですが、個々の見方により評価基準が変わるわけです。 例えば、日銀は物価上昇は0%近辺が好ましいと思っているようですし、政府でも阿部内閣は1~2%が好ましいと思っていたようですが、福田内閣は0%近辺が好ましいと思っているようです。 また金融政策は効果が表に表れるまでに非常に時間がかかります。金融政策が経済に影響を表すのは短くても6ヶ月長ければ2,3年かかるといわれています。 サブプライムが破綻した直接的な影響は数年前のアメリカの利上げだといわれています(サブプライムバブルが発生したのはさらにその数年前の政策の影響)。 利上げを巡って政府と日銀が対立した際の争点は自分は以下のようだと思います。 1.お互いの基準の時間軸の違い 日銀 半年~2年先の経済や景気の予測に基づき利上げした(予測が妥当かどうかは不明) 政府 現在の情勢や傾向を考えて反対した。 2.物価上昇率の判断の違い 日銀 0%付近が望ましいと考えた。 政府 もう少し高いほうが望ましいと考えた。 ちなみに私は、あの利上げは間違いだったと思っています。 ・日銀の独立性が必要な理由 このように金融政策は、非常に判断が難しく、操作はさらに難しく影響は非常に大きいわけです。 したがって、金融政策は非常に判断が難しく政治家の嘘を国民が見抜く事も困難なので、衆愚政治の道具にされてしまいやすいわけです。 また、金融政策は非常に操作が難しく影響が大きいので政府や国会がその時の気紛れでグリグリ動かされると経済が混乱してしまうわけです。 今で言えば、昨今の民主党のような話題づくりのバラマキ感覚で金融を弄られてしまいかねないわけです。 極論すれば、政府が大量に発行した国債を、日銀が紙幣を刷って買い取れば、政府は際限なくに財政を拡大する事が出来ます。利子は日銀経由で政府に返ってきますし、国債の返済には再び日銀が買い取ればやりたい放題できます。 しかしそんな事をすれば、社会には紙幣が溢れ経済は混乱を起こします(実際70年代のアメリカやイギリスはコレに近い状態でした)。 したがって、日銀に対する関与は最低限に留め(国会は日銀に対する任命権を持ち、日銀は政府や国会に対する説明責任を持つという形)、政府や国会が日銀に対する政策を直接操作できなくする方が最終的には国民の為になるわけです。 これには官僚化した日銀が暴走するという可能性も有ります。 しかし、官僚化の打破は政府や国会が直接アレコレするのではなく(政府や国会だって似たようなものです)、人事と説明責任によって解決する方がいいと言うのが長年の経験則なわけです。回り道に見えますが、それしかないというところなのです。

nanaji
質問者

お礼

丁寧な解説を頂きまして、有難うございます。 日銀の役割は、もう、過去のものになっていると考えています。おっしゃる事は分かります。しかし、それは、過去の世界のことではないでしょうか? 今日の世界は、生活必需品の普及度100パーセントの社会です。その社会と、昔の、生産力の低い時代とでは、金融の果たす役割は大きく変わっていると観るのが妥当でしょう。貴方の回答は、よく分かりました。有難うございました。

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