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日銀の政策金利が上がると市中銀行利息が上がるのは何故か?

 日銀は、「政策金利と市中銀行の預金利息はリンクしていない」という趣旨の発言をしているようですが、現実は日銀の政策金利に連動しているように見えます。アメリカもEUもその他の国も、中央銀行の政策金利と市中銀行の預金利息はリンクしているように見えます。  そこで質問しますが各国の中央銀行は市中銀行に権力を行使しているのかどうか、又、していないとすれば、なぜ、市中銀行の預金利息が政策金利に連動するのかです。

みんなの回答

  • hirosi3
  • ベストアンサー率50% (72/143)
回答No.4

 ●政策金利とは日銀の貸出金利ではなく短期市場での金利●  >つまり、実質預金は53.7兆円に対して、日銀の貸出は0.1兆円、とすると、桁が3桁違いです。例えると、風呂の中にコップ一杯のお湯を注ぐようなもので、風呂の温度はほとんど変わらないが、市中銀行の預金利息変わるというわけですね。有難うございました。  違います。政策金利とは日銀の貸出金利ではなく短期市場での金利なのです。日銀の貸出額は少しですが、短期市場でのやり取りはもっと多いのです。昔は日銀からの借入が多く、そのため日銀の金利が影響力をもっていましたが、補完貸付制度(ロンバート型貸出制度) http://www.boj.or.jp/oshiete/seisaku/02101008.htm が2001年に導入され日銀からの直接借入は少なくなり、そこで、「公定歩合」から「政策金利」へと変わったのです。  では、系統機関、信託銀行、投資信託会社などが出し手になって、都市銀行などが借り手となる短期市場での取引額はどの程度なのでしょうか。東京短資株式会社のHP http://www.tokyotanshi.co.jp/market/daily1.shtml#daily_d によると、 2007年12月20日のコール市場の残高は、全国市場残高 258,466億円となっています。25.8兆円です。これなら、「風呂の中にコップ一杯のお湯を注ぐようなもので」でないことが分かるでしょう。  銀行は日銀からの借入よりもずっと多くの資金を債券市場で運用しています。タンス預金をしないためです。ただし、債券は即時現金にはできません。そこで、緊急時には債券を売るのではなく、短期市場で系統機関、信託銀行、投資信託会などから借りるのです。政策金利とはその場合の金利です。  金融市場は昔の、日銀が資金を直接銀行に貸し出す仕組みから、金融業界で貸し借りを行い、日銀は間接的にコントロールする仕組みに変わりました。社会主義のような当局が直接コントロールする仕組みから、市場重視の仕組みに変わっています。 最近では、新規口座を開いてもポケットティッシュ程度のノベルティーで、日曜相談会でローンの相談に行くともっとイッパイのプレゼントがもらえます。つまり銀行は預金不足ではなく、借入需要不足なのです。発展途上社会からゆたかな社会になった、と頭を切り換えなければなりません。

nanaji
質問者

補足

>2007年12月20日のコール市場の残高は、全国市場残高 258,466億円となっています。  日銀から25.8兆円借りる、その利息を日銀が勝手に決めて取り立てる。だからと言って、市中銀行に537兆円預金している一般の人に、日銀が上げたので利息を多く上げます、なんて事は必要ないと思うのですが? 市中銀行の貸し出し利息ではないんですから。ここが分からない。  

  • hirosi3
  • ベストアンサー率50% (72/143)
回答No.3

 ●日銀は「公定歩合」に代わる「政策金利」により市場金利をコントロールしている●  以前「公定歩合」と呼ばれていたが、最近は「基準割引率および基準貸付利率」または簡単に「政策金利」という言葉を使う。この意味は次のとおり。  日本銀行は2006年8月11日に「公定歩合」に関する統計の名称変更を行い、今後は公定歩合という名称は使わず、「基準割引率および基準貸付利率」と呼ぶことを発表した。これは日銀の金融市場調節における操作目標が短期金融市場の金利(無担保コール翌日物の金利・コールレート)となり、それまで公定歩合と呼ばれてきた日本銀行が金融機関に直接資金を貸し出す際の基準金利(基準貸付利率)に、預貯金金利や銀行の貸出金利の目安となる政策金利としての意味合いが薄れたためである。公定歩合は2001年に導入された補完貸付制度(ロンバート型貸出制度)の適用金利となっているので、日銀がコールレートを誘導する際の上限金利となる。  銀行は預金者から預かった資金を基に、企業や住宅ローンなどに貸出し、利鞘を稼ぐ。銀行が資金を寝かせて、タンス預金をすれば(札束を銀行の金庫にしまっておいたら)利益は出せない。そこでなるべく手持ち資金を少なくし、貸出先がなければ国債や社債を買おうとする。けれども予測できない臨時出費もあり、その場合は銀行をはじめとする金融業界で組織される「短期市場」で借りることになる。この金利をTIBOR(タイボー:Tokyo Inter Bank Offered Rate)と言う。主に、地方銀行や生保などから都市銀行が借りることが多い。この金利は、出し手、取り手双方の条件に合致したものを突き合わせて出合を成立させる。  このように自由に金利が決められるのであるが、日銀が出し手として登場することによって金利は左右される。日銀が出し手として潤沢な資金を投入すれば金利は低くなる。逆に引き締めれば金利は高くなる。このようにして日銀はタイボーに影響を与えることができる。以前は日銀が直接の出し手であったため、日銀が貸し出す金利を「公定歩合」と呼んだが、現在では、出し手は、系統機関、信託銀行、投資信託会社が圧倒的なシェアを占め、つづいて地方銀行、第2地方銀行、保険会社等です。  2007年8月、国内銀行の貸出金は410,698億円。実質預金は537,367億円。日銀の貸出は1,202億円。このように銀行は資金の余裕があり、貸出総額=企業の借入総額は、銀行の資金量に左右されるのではなく、企業の借り入れ意欲に左右されます。従って、昭和20年代の、預金高よりも貸出額の方が多くなり、日銀からの借入に頼る、いわゆるオーバーローンは現在ではありません。  この数字から判断できるのは、銀行は日銀からの貸出に頼っているのではなく、短期的に短期金融市場から借りている、ということがわかる。  つまり、政策金利とは金融業界の貸出金利なのだが、実際は日銀がコントロールして、民間の短期貸出金利に強い影響を与えている、ということです。日銀はこのような手段で民間の貸出金利をコントロールしているのです。  これは東京の例ですが、イギリスのロンドンでの金利は世界の金利に大きな影響を与えています。「イレブンライボー」と呼ばれる、ロンドン市場11時の貸出金利を基に世界の金融業界は動いています。  なお、戦争直後は銀行も資金不足で日銀からの借入で企業への投資をしていたけれど、豊かな社会になって、資金が潤沢になり、日銀からの借入に頼らなくなり、そのため、ベースマネーの増減によりマネーサプライが増減する、ということがなくなった。このため、日銀が量的緩和政策をとって金融市場に買いオペを通じて潤沢な資金を導入し、ベースマネーを増やしたが、銀行貸出は増えず、マネーサプライは増えなかった。

nanaji
質問者

お礼

>2007年8月、国内銀行の貸出金は410,698億円。実質預金は537,367億円。日銀の貸出は1,202億円。 つまり、実質預金は53.7兆円に対して、日銀の貸出は0.1兆円、とすると、桁が3桁違いです。例えると、風呂の中にコップ一杯のお湯を注ぐようなもので、風呂の温度はほとんど変わらないが、市中銀行の預金利息変わるというわけですね。有難うございました。

回答No.2

わが国(そして大多数の先進国)では、市中銀行は預金利息を自由に決めることが出来ます。従って、「権力の行使」をすることが出来る訳ではありませんが、ご指摘のとおり、中央銀行は、市中の短期金利(おおざっぱにいって3か月物金利くらいまで)には、かなりの影響力を有しています。 これは、中央銀行は、国によって多少の仕組みの違いはあれ、銀行間市場での資金貸出を行うことを通じて、短期の金融市場における金利水準に影響を与えることが出来る仕組みになっているためです。銀行の預金利息は、銀行間市場における短期金利の状況を参考にして決められるため、結果的に中央銀行の行動の影響を受けやすくなる訳です。 では、なぜ銀行間市場で、中央銀行からお金を借りる銀行が出てくるのか、これはちょっと専門的な話になりますが、日本を含む多くの国(英国のような例外もあります)では、銀行が顧客から預金を預かる時に、一定の金額を中央銀行に再預金しないといけない決まりになっており(これを準備預金制度と呼びます)、こうした制度を通じて、一つの国の銀行界全体を通じてみると、必ずある程度の数の銀行が中央銀行からの借り入れに頼らなくてはいけないようになっています。

nanaji
質問者

お礼

昨年の7月ですか、日銀が久々に金利を上げて、結果的に、市中銀行の預金金利が上がってきました。ゼロ金利の頃は、預金金利が日銀の「政策金利に連動する」と言った人は少数のようでした。やはり,“かなり”影響を受けるということですね。有難うございました。

  • execrable
  • ベストアンサー率27% (58/208)
回答No.1

少なくとも日本の銀行の中で、貸し出しよりも預金のほうが多いところは、ありません。 その差額を、日銀から借りることで埋めます。 日銀の貸し出しには2種類あって、1つは、銀行が持っている国債などの優良資産を担保にとって貸し出します。もう1つは、銀行が一般企業から割り引いて受け取った商業手形を、日銀で再割引して引き受けてもらいますが、その時の金利を公定歩合と言います。 だから、必ず日銀にたくさん借りなければやっていけない銀行なので、公定歩合の上げ下げが、どうしても銀行の預金金利にも影響を与えることになります。 日本でも、バブル期は銀行の預金が増えて、日銀への依存度が急激に低下したため、銀行の預金金利が公定歩合に強い影響を受けない時期もあったそうです。 ちなみに、アメリカの銀行は、預金よりも貸し出しのほうが少ないのが普通だそうです。そうすると、公定歩合は、市場の実勢の変化を通じて間接的に、銀行の預金金利に影響を与えるだけだそうです。

nanaji
質問者

お礼

市中銀行の預金利息が「基本的にリンク状態になるのは、仕方のないこと」、との理解ですね。論理的には良く分かりませんが、参考になりました。有難うございました。  

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