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水が氷に状態変化するとき・・
テレビでペットボトルに入れた純水を落とすと強い衝撃で水分子が結合し、 氷になるという説明をしていました。 普通の水の場合、氷に状態変化するときに分子の構造ではどのような変化が起きているのでしょうか。
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過冷却と凝固点降下の話は分けたほうが説明がしやすいと思います。 1)過冷却について 過冷却は純水でも起こります。ジンジャエールの回答でもNo.4の方が答えています。 水の液体状態は、分子が自由に運動できる状態です。水の固体状態は、先に説明したように結晶構造をとります。 液体から固体の結晶構造に変わるときに、小さなエネルギーの壁を乗り越えなければなりません。ゆっくりと静かに冷却していくと、0度C以下になっても水は凍らないで、しばらく液体状態を保ちます。これが過冷却状態と呼ばれる状態です。この状態のときに外部から、何らかの刺激を与えると、一気に液体から固体へのエネルギーの壁を越えて、結晶の氷になります。 同様の現象は水から水蒸気になるときにも起こります。ゆっくりと加熱して100度をこえても沸騰せず、刺激が加わると一気に突沸を起こします。これは、学校の実験でも試験管で熱するときに経験していると思います。 今回の質問のペットボトルに入れた純水が衝撃で氷になったのは、水が過冷却であった可能性が非常に高いです。落とす前の純水は0度C以下の過冷却状態になっていたと考えられます。 2)モル凝固点降下 2種類以上の物質を混ぜた状態では、相変態(液体⇔固体、固体⇔固体)の温度が変わります。水の場合、他の物質を溶解させることによって、この相変態の温度である凝固点が変わります。氷に塩や砂糖を混ぜた場合、凝固点が下がります。氷に塩を混ぜて、温度が下がるのは経験されたことはあると思います。 今回の実験は純水ですから、モル凝固点降下は直接的には関係ありません。 3)ジンジャエールの場合 ジンジャエールの場合について考察します。 先ほど述べたように、水の中に他の物質を混ぜることによって、凝固点は変わります。(通常は下がります。) 冷凍庫の温度は0度以下ですから、水でしたら当然凍ります。ところが、ジンジャエールの場合、水に他の物質(糖分、炭酸ガスなど)が溶解しているため、凝固点降下が起こります。 このジンジャエールの回答では、すべての方が凝固点降下を前提に説明されています。これは冷凍庫の中で凍らないためには0度C以下に凝固点が下がることが必要だからです。砂糖や炭酸ガスの溶かす量を増やすと凝固点は下がりますが、限界はあります。この実験では、冷凍庫で冷やされたジンジャエールの温度が、凝固点の温度に近くなったのだと考えられます。(注:この実験はかなり危険です。凍ってしまったらビンなり缶が破裂したりふたが飛ぶことがあります。) No.2とNo.3の方の方が、凝固点降下により、凍らずに過冷却状態に入り、ふたを開けたときの衝撃で急激に凍ったというという仮説を述べておられます。 又、NO5とNo.6の方がそれでは不十分だろうとの問題提起をされています、すなわちふたを開けたときの圧力低下による温度低下が、効いているのではないかということです。(これは断熱膨張と呼ばれていて、圧力を急激に下げたときに温度が下がる現象です。) ジンジャエール等の炭酸飲料の場合、炭酸ガスで内圧があがっていますから、ふたを開ければ温度は低下します。この温度低下により、ジンジャエールの液体温度を更に下げて、一気に、凝固点降下した、ジンジャエールの凝固点を超えたのではないかとの仮説を出されています。 私のこの仮説は両方とも正しいと思います。実際には温度を測って安全なところで実験してみないと、どちらの仮説が支配的なのかは、分かりませんが、一気に凍ったところから見て、私は過冷却が起こっていた可能性が高いと考えています。 尚、最後のご質問の「気体が溶けているよりも沢山の固体が溶けている方が過冷却状態を維持しやすいのはどうしてですか」は良く分かりません。炭酸ガスと糖分と水との混ざった状態は大変複雑のようです。飲料メーカーの専門の先生ならば多分分かると思いますが・・・・
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>テレビでペットボトルに入れた純水を落とすと強い衝撃で水分子が結合し、氷になるという説明をしていました。 普通は水に、落下するぐらいの圧力をかけても氷になることはありません。テレビの番組は見ていませんが、純水を0度以下にそっと冷やしておいて、(この状態を過冷却状態と呼びます。)衝撃を加えて一気に氷にしたのではないかと思います。 氷の過冷却の話が下記のホームページに出ていますので、参考にしてください。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8E%E5%86%B7%E5%8D%B4 又、過冷却の話題が別の質問コーナーにもありますので、参考にしてください。 http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1413425.html >氷に状態変化するときに分子の構造ではどのような変化が起きているのでしょうか? 水のときは水の分子(H2O)が自由に動き回っています。但し、氷になったときには、水の分子が集まって結晶になります。このときに特別な結晶構造をとります。氷の結晶構造を模型で作られた方のホームページを見つけましたので参考にしてください。 http://www.eva.hi-ho.ne.jp/h-andoh/ice.html http://www2m.biglobe.ne.jp/~tfuna/model/unitcell/ice.html
お礼
大変詳しい説明ありがとうございます。 ジンジャーエールの過冷却状態に関するトピックも読んだのですが、過冷却現象というのは、モル凝固点降下というのが関係しているんですよね。まだ習っていないところなのでなかなか難しいですが、私なりにわかったことと疑問点をまとめてみました。 ・液体の中に溶けている成分が多ければ多いほど、凝固点は下がる。 (※これは、0度以下になっても凍らない固体が溶けているからですか? また、気体が溶けているよりも沢山の固体が溶けている方が過冷却状態を維持しやすいのはどうしてですか?) ・純水の場合は、普通の水とは違って余分な物質を取り除いてあるので 上の考え方では当てはまらないことになります。どう考えればよいのでしょうか?
補足
例のトピックを読み直してみたのですが、 ジンジャーエールの場合は過冷却でなく、炭酸の量が多かったから内圧がかかり、ふたをとると一気に減圧され氷になるという考え方や、 物質が沢山溶けているから凝固点が下がり、過冷却状態を維持できる。 だからCCレモンに砂糖を沢山入れてみたらジンジャーエールのように なるだろう、という人もいて、ごちゃごちゃになります。 結局はどういうことなんでしょうか?
お礼
詳しい説明をわざわざしていただいて有難う御座います。とてもわかりやすく、大変興味深く読ませてもらいました。色々な考え方があるんですね。 これがきっかけで化学に興味を持ったので、自分でも勉強していこうと思っています。