propellerさんのお答えを補足します。電子の移動速度は熱力学の領域の話で、jhon99さんの期待されているのは、おそらく「電気信号が伝わる速度」だと思います。これを前提に話を進めます。
まず、電気コードというのは電力を伝える伝送線路の一種です。このような一様伝送線路において、電圧、電流が調和波的変化を行うものとすると、一様伝送線路は減衰係数αと位相伝搬定数βによって特徴づけることができ、これらは、
α+jβ=√(R+jωL)(G+jωC) (1)
と表すことができます。ここで、ω、R、L、GおよびCは、それぞれ各周波数、単位長さ当たりの直列抵抗、単位長さ当たりの直列インダクタンス、単位長さ当たりの並列コンダクタンスおよび単位長さ当たりの並列静電容量です。このとき、一様伝送線路を伝わる電圧波、電流波の位相速度Vpは、
Vp=ω/β (2)
と表すことができます。なお、位相速度とは、「一定の位相値を有する波形上の点が伝送線路に沿って移動するときの速度」で、まあ、「電気がコードの中を伝わる速度」と言っていいでしょう。式(2)から、位相速度は周波数と位相伝搬定数によって決まり、一般に光速とはならないことがわかります。
では、実際にどれくらいかと言うと、参考資料のp31に音声用電話線の例が載っています。それによると、光速の50%より小さいとのことです。