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対角線論法 10進数展開
対角線論法を用いて、自然数全体の集合と[0,1]区間の間には全単射な写像は定められないということを示す証明を読んでいて疑問に思ったのですが、 循環しない少数は10進数展開が一意には定まらない(例えば、2/5=0.400…=0.399…)のに、なぜ「実数a,bに対して、a,bの少数第n位が異なればa,bが異なる」というようなことができるのでしょうか? あと、循環しない少数ではない実数(1/3とか√2とかπとか)の10進数展開は一意に定まると思うのですが、その証明が考えてもわかりません。知っている方がいたら教えてもらえないでしょうか? 最後に、10進展開についても疑問があるのですが、 「実数aが10進展開できる」とはどういうことなのでしょうか? これは、An=k(n)/(10^n) (ただし0≦k(n)≦9)という数列の級数がaと一致する。すなわち、級数の部分和がaに収束する ということなのでしょうか? それとも、 {ΣAn}⊂Map({整数},{有理数})という集合(今度はAnのnは整数にすることにします。雰囲気的にはΣはローラン展開のΣに近いと思います。あと、-9≦k(n)≦9ということにします。)に自然に和を定義し、積を(小学校のときの筆算を自然に拡張する意味で)自然に定義します。そのとき{ΣAn}が体をなすことを示し、{実数全体}と{ΣAn}が同型であるとき、実数aに対応する{ΣAn}の元をaの10進展開と呼ぶのでしょうか? 以上です。よろしくお願いします。
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- ringouri
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No.3です。 (1)(2)については既に御自身で気付かれているようですので、コメントしません。もともとの集合論の起源が「点集合」を考察するところから始まったので、本題のテーマに関しては位相構造は直接関係ありません。 可算集合と冪(ベキ)集合の存在を認めれば、10進数展開や位相構造に関係なく、実数の濃度>可算濃度 (一般に、冪集合の濃度>もとの集合の濃度)が証明できます。(参考書などで「カントルの定理」の証明はかなり一般的な形で記述されていると思います。) (3)については、何故このような集合を考えるのか動機が理解できませんが、論理上、不明瞭な箇所が幾つかありますので、疑問だけコメントします。 最初に考える形式的な集合の元の個数は有限個?可算個?(初めから連続濃度であれば、議論の意味が無いですから) それらの元の「....」の部分は無限列でしょうから、「小学校のときの筆算を自然に拡張する意味で和と積を定義」することは不可能です。超限的な定義あるいは操作が必要になります。 仮に定義できたとして、高々可算個の元から可算無限回の操作で元を増やして、もとの集合を拡張してみてもその濃度は実数の濃度にはなりません。せいぜい有理数の体系と「同型」のものが出来るだけです。集合の濃度は依然 可算濃度のままです。 これから更に超限的な(極限)操作をして、可算濃度より大きな濃度の集合が仮に出来たとしても、その濃度が実数の濃度と同じかどうか分かりません。[この種の議論をちゃんとすると、「連続体仮説」が問題になります。とっても難しいですし、ある意味で証明不能な問題であることが分かっています。] ....ということで、(3)については、構成的な方法で実数の集合(と同等な集合)を得ることは、簡単ではありません。(通常、不可能。) 結局、実数の集合を規定するには、はじめから前提として「実数の集合というものが存在する」とするか、可算集合と冪集合の存在を認めて、可算集合の冪集合が実数の集合と同等(濃度が同じ)ということを言うしかないのです。 頑張って勉強してください。応援してます。
- koko_u_
- ベストアンサー率18% (459/2509)
着眼がイイですね。 実数 R は通常、有理数 Q を通常のユークリッド位相 |・| で完備化したものとして定義されるので、その位相が R を特徴付けていると言っても過言ではないでしょう。 そのため、R の位相的特徴を抜きにその濃度が可算でないことを示すことは非常に困難だと思われます。 形式的な 10進表記を定式化するならば、羃級数の環 S = { Σ_{i=i_0~∞} a_iX^i | a_i ∈ Z } を考えて、位上げは 10X - 1 ∈ S から生成される単項イデアルによる剰余環を考えることになるでしょう。 剰余環 S/(10X-1) の元 f(X) に (1/10) を「代入」すると実数 R の元が得られます φ: S/(10X-1) -> R S/(10X-1) にも対角線論法は使えますが、上記の φ を考えるには、やはり R の位相的性質を考えざるを得ません。
お礼
ありがとうございます。 せっかく回答していただいたのですが、 >位上げは 10X - 1 ∈ S から生成される単項イデアルによる剰余環を考えることになるでしょう。 >剰余環 S/(10X-1) の元 f(X) に (1/10) を「代入」すると実数 R の元が得られます >S/(10X-1) にも対角線論法は使えますが、上記の φ を考えるには、やはり R の位相的性質を考えざるを得ません。 というところがよくわかりません。 もう少し詳しい解説お願いできないでしょうか? 特に、 剰余環 S/(10X-1) の元 f(X) に (1/10) を「代入」する。 というところがわかりません。 というのは、私は多項式環の「代入」の定義はわかりますが、 ベキ級数環における「代入」の定義はわかりません。 だから、例えばS/(10X-1) の元 0+x+2x^2+3x^3+…+(10X-1)に1/10を「代入」するとどうなるかわかりません。 日常的な意味で「代入」すると0+1/10+2(1/10)^2+3(1/10)^3+…+{0} というものが得られますが、これは意味を持たない形式的なものなので、実数 R の元にはならないと思います。
- ringouri
- ベストアンサー率37% (76/201)
対角線論法を適用する場合は、 (1) 10進数展開が一意に定まるように最初に展開の仕方に制限をつけてから証明を進める。 [この前提を省いて記述している本があるので、このような疑問が湧くのでしょう....] (2) No.2さんの指摘されている工夫をして、一意性の問題を避ける。 (3) 有理数は可算濃度なので、実数の集合から取り除き、無理数の集合と自然数全体の集合とを比較する。 これなら展開の一意性の問題は初めから生じない。 ....というような証明技法があります。 実数を「縮小区間列の極限」で定義した場合は、「実数の10進数展開」可能なことは、証明というよりも、定義に近いものになりますね。縮小区間列の設定の仕方を少し変形すれば、「10進数展開」(別に何進数展開でも構わない)が直接得られます。(歴史的にも実際にカントルはこの考え方で本題を証明しました。)
お礼
ありがとうございます。 いろいろな証明技法があるのですね。 これでテキストに書いてあることは納得できたのですが、ほかにもいろいろ疑問が湧いてきました。(僕が位相についてよくわかっていないことが原因のような気もしますが^^;) (1)10進数展開をして議論しているところを見ると、R(= 実数全体)ではなく、Θ(= ユークリッド距離から決まる位相)の組(R,Θ)に対して議論しているように思えます。だから、おかしな位相Ω(離散位相だとか密着位相だとか)をいれた場合の(R,Ω)に対しても上と同じような議論ができるかどうかが疑問です。(つまり、テキストに書いてある証明はRに対する位相の入れ方に依存する証明なのでは??) (2)そもそも、位相構造がはいっていないRに対してはどう証明すればよいのか? アッ! (°◇°;) 書いてて気づいたのですが、Rの濃度とそれに位相構造をいれた(R,Θ)の濃度はいっしょだから、(R,Θ)の場合についてのみ言えばOKということなのでしょうか? (3)多項式環を論理的に作るのと同じ要領で、10進数展開をした形式的な(意味を持つかどうかはわからない)もの(たとえば、9.1258…,3.141592…,0.888…,4.000000…などなど)の集まりを考えて、その集合に小学校のときの筆算を自然に拡張する意味で和と積を定義して代数構造を持たせます。そのような集合が体をなし、さらにRと同型であるなら、Rの元aに対応する今考えた集合の元をaの実数aの10進数展開と呼ぶことにした場合も対角線論法は通用しますか?((3)で考えた集合は元を「形式」で区別するので(つまり、0.99…≠1.00…のように考えている)体をなすかどうかも疑問だし、Rと同型であるかどうかも疑問ですが^^;)
- Tacosan
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10進展開を使う場合 (実際には 4進以上ならいいはず) には, 「一意に固定する」必要はないです. つまり, an の n 桁目が 0~4 なら 7, 5~9 なら 2 という規則にすれば確実に異なりますから.
お礼
なるほど、任意のnについて少数第n位が7または2なら、そのような十進数展開があらわす実数の10進数展開は一意に定まるからですね。 ありがとうございました。
- koko_u_
- ベストアンサー率18% (459/2509)
>a,bの少数第n位が異なればa,bが異なる」というようなことができるのでしょうか? 恐らく、読んでる参考書の論証が甘いのでしょう。gururinbus さんが指摘した通り、適当な方法で [0, 1]区間の実数の 10進展開の方法を固定した上で議論すべきです。 >循環しない少数ではない実数の10進数展開は一意に定まると思うのですが 0.a1a2a3... = Σa_i*10^(-i) 0.b1b2b3... = Σb_i*10^(-i) の両者が等しいとすると、Σa_i*10^(-i) = Σb_i*10^(-i) すなわちΣ(a_i-b_i)*10^(-i) = 0 a_i ≠ b_i なる最初の i に対して 10^(i-1) を掛けることで a_1 ≠ b_1 と考えてよい。 |(a_1-b_1)10^(-1)| = |Σ_{i=2~∞}(a_i-b_i)*10^(-i)| ≦ Σ_{i=2~∞}|a_i-b_i|*10^(-i) ≦ Σ_{i=2~∞}9*10^(-i) = 1/10 したがって、a_1 ≠ b_1 の場合、|a_1 - b_1| = 1 で上記の不等式がすべて等式になる場合のみ。 これは a_2 以降がすべて 0 で b_2 以降がすべて 9 あるいはその逆しかありえない。 もう飽きた。。。
お礼
なるほど、素直に差をとって評価してやればよいのですね。 ありがとうございました。
お礼
回答ありがとうございます。 まず、(3)でこのような集合を考える動機は、 読んでいるテキストが集合論のあと位相空間論となっているから、 集合論の箇所を読んでいるうちは、位相空間論のことは使わないと思いました。だから、実数の10進数展開などの位相と関係する性質を使わないで証明を考えたほうがいいんじゃないのかなぁと思いました。 π=3.1415926535… という式がありますが、上の式は私には「任意の正の実数εにたいして十分大きな自然数Nを与えれば任意の自然数nについて、もしn≧Nならばπと3.1415926535…の少数第n位まで考えた少数の差はεで抑えられる。」という意味だと思います。だから、だから10進数展開は位相的なことを使っているのではないのかな~と思いました。 位相的なことを使わずに証明する方法として擬似的な実数を作ることを考えました。これは、次のように考えます。 MAP({0を除く整数全体},{0,1,2,…,9})の部分集合P={f∈MAP({0を除く整数全体},{0,1,2,…,9})|∃N;自然数,∀n;自然数,n≧N⇒f(n)=0}という集合を定義します。 Pの元fを擬似実数と呼ぶことにします。また、nが自然数のときf(n)をn桁目の数と呼ぶことにし、f(-n)を少数第n位の数と呼ぶことにします。 あとはPに 例として4.2100…+3.141592…=7.351592…となるように うまい演算を定義します。(あくまで、上の4.2100…などはPの元fをf(1)f(-1)f(-2)f(-3)…と書くことによってfを表現してあるだけなので写像(擬似実数)を表していることに注意。) Pは対角線論法によって非加算濃度であることがわかります。 その後、実数全体RとPの間にπは3.141592…と対応し、9.74という「実数」は(実数を具体的にあらわすためこのような表記をした。)9.7400…という「写像(擬似実数)」と対応するような写像Fを定義し、Fが全単射であることを示せばRが非加算濃度であることがわかります。 そんなことを考えていたわけですが、 Pにきちんと演算が定義できるのか? Fは全単射であるのか? というところが疑問に思い、質問したのですが、演算を定義するのは難しそうなのですね。。。