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「もしくは」と「もしくば」の分解を
少し前で「もしくば?」の質問をした者です。「もしくは」とともに「もしくば」という言い方があるようなのですが、両者を文法的に分解していただけませんか?特に「ば」に重点を置いて。 またこのことと関係あると思うのですが、「願わくは」に対して「願わくば」というのも認められるのでしょうか?私はかつてあるところで「願わくば」というのは誤りだと強く主張したことがあります。
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- kimosabe
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「もしくは(副詞)」は、 副詞の「もし」 + 副詞語尾の「く」(「ここだく」「そこだく」「ことごとく」の「く」と同じ) + 係助詞の「は」 とされています。 「願は(わ)くは」は、「ク語法」と呼ばれるもので、上代語法の一つです。 動詞「願ふ」の未然形 + 接尾語「く」(「く」の付いた一まとまりの語句を名詞化する。一説に準体助詞) + 係助詞「は」 ということになり、逐語訳すると「願うことは」といった意味です。 ところで、古典語の場合、形容詞、および打消の助動詞「ず」が仮定条件になるとき、 (1)無くは(無かったら) (2)知らずは(知らなかったら) のような形をとります。この「は」を連用形に下接した係助詞とみるか、未然形に下接した接続助詞とみるかは、いまだに決着しない問題です。 中世あたりになると、次第に、 (3)無くんば (4)知らずんば のような形があらわれてきます。これは上記(1)(2)に、強調ないし語調を整えるための「ん」が挿入され、それによって「は」が連濁を起こしたものです。 この(3)(4)の形からの類推で、一時期(1)(2)は、 (5)「無くば」 (6)「知らずば」 のように濁音で読まれていたのですが、現在では、万葉仮名の研究などによって、「は」は清音であったことが明らかになっています。 ご質問の「もしくば」「願わくば」も、語構成が異なっていながら、語形の類似から、誤った類推によって生じた形と考えてよいと思います。「あわよくば」のように濁音の形で定着してしまったものもありますから、「願わくば」を誤りと言い切ることには躊躇しますが、「もしくば」はあまり見聞きしたことがありません。誤りと断言したい気分です。
- Faumdano
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もしくは1 【若しくは】 〔補説〕 副詞「もし」に副詞語尾「く」、係助詞「は」が付いたもの。漢文訓読に由来する語 1 (接続) 前後の事柄のうちどちらか一方が選ばれる関係であることを表す。あるいは。 ・ 本人、―その代理の者 〔補説〕 法令用語では、「または」に対してより小さい段階の接続に使う。「三年以下の懲役または五百円以上の罰金―科料に処す」→または 2 (副) もしかしたら。ひょっとして。 ねがわくは[ねがはく―] 3 【願わくは】 (副) 〔補説〕 「願ふ」のク語法に助詞「は」のついたもの。「願わくば」とも。漢文訓読に由来する語 願うことは。どうか。 ・ ―、君に祝福あらんことを く‐ごほう〔‐ゴハフ〕【ク語法】 活用語の語尾に「く(らく)」が付いて、全体が名詞化される語法。「言はく」「語らく」「老ゆらく」「悲しけく」「散らまく」など。→く(接尾) →らく(接尾) ば 1 口語では活用語の仮定形、文語では活用語の未然形に付く。未成立の事柄を成立したものと仮定する条件を表す。もし…ならば。「暇ができれ―行く」「雨天なら―中止する」 1は係助詞「は」に由来するといわれる。口語でも「御意見あらばうけたまわりましょう」のように文語的表現には未然形に付いて用いられる。なお、近世、形容詞の連用形や打消しの助動詞「ず」に付く係助詞「は」を接続助詞「ば」と解して仮定条件を表すこともあった。
お礼
ありがとうございます。
補足
この場合では「ば」が名詞化されたものに直接(「に」「を」のあとでなく)ついていますが、そういう使い方は他にもあるのでしょうか?
お礼
ありがとうございました。 少なくとも、もしくは と 願わくは は少し違うのだということは判りました。
補足
「もしくは」の「く」は副詞について副詞をつくる接尾辞と言い変えてよろしいでしょうか?「ここだく」「そこだく」と同じものということであれば、「もしく」という言い方もありなのでしょうか? とはいえ 私の本来の疑問は「ば」です。 ここでの「ば」が >誤った類推によって生じた形 と判断されるということは、それまでの「ば」の用法に当てはまるものがないということだと思いますがそうでしょうか? >、「願わくば」を誤りと言い切ることには躊躇しますが、「もしくば」はあまり見聞きしたことがありません。誤りと断言したい なぜ躊躇されるのでしょうか? 誤った類推によるものと言えば「食べれる」がまさにそれに該当すると 思います。「もしくば」はあなたが見聞していないにしても一部の辞書には掲載されています。