>ただ,相変わらずわからないのが,証券会社が大量の株を高値で買い受けたあと,株価が下がった場合,いくらヘッジするといっても後でよっぽど頑張ってあげないと元がとれないような気がするのですが?
CCIの場合、(というか、証券会社がある特定の銘柄の株を、他に売るあても予定もなく、大量に保有する事はまずないので、他にもよくありますが)、理屈だけで考えると、
1.一旦SBからの大量の売りの株数と価格が決まった時点で、借りてきた株を、これから買う株と同数市場で売り建てて、売り買いのポジションをニュートラルにする。(この時点で、売建平均単価<買い予定単価であれば、とりあえず損失が確定する。)
2.SBから買った株の嵌め込み先と価格が決まると、ヘッジ目的の売りポジションは不要になるので市場で買い戻す。(この時点で、嵌め込み先への売却平均単価と市場での買い戻し価格の差が、損になったり得になったりする。)
という事です。損得に関係あるのは、SBからの買い単価、市場での売りポジションを作った際の平均単価、嵌め込み先への売却単価、市場で売りポジションを買い戻した際の平均単価の4つです。
さて、このような大口の取引(SB対証券、証券対機関投資家)の場合、必ずしもその瞬間に市場でついている価格で売買しなければならない、という決まりはありません。ま、ひどくかけ離れた価格だと、税務署が文句を言う場合はありますけど。また、SBから打診があった際に、SBには、例えば「○月○日から○日までの○日間の終値平均値での買い」なら受けると伝え、同時に同じ条件で機関投資家に売りを打診して、うまく両方ともOKがとれれば、買った瞬間に同条件で売りが決まりますから、少なくともその分はヘッジ売りは不要で、株価がどうなろうが無関係になります。(あるいは、マーケットリスクをとるならば、機関投資家に転売した後も、売りポジションを継続して、もっと下がったところで買い戻す事も理論的には可能です。)
これは非常に単純化した例ですが、要は、取引所についている値段の動きだけで、絶対に損をしたはずだ、とかいった議論はできない、って事です。
「一般の投資家と証券会社などのディーリングの違いについて」興味をお持ちとの事なので申し上げますが、一般投資家と自己売買が全く同じようなディーリングをする訳ではありませんが、価格変動リスクを負っている、という点では何ら違いはない、という点は覚えておかれたほうが良いと思います。そして、個人の場合は、極端にいうと投資資金がパーにならなければいい、と割り切る事は可能ですが、自己売買部門の場合、会社としてのリスク管理はそんなに寛容ではありませんから、個人投資家には関係のない様々な制限が出てきます。「自己売買部門は、制限も緩く、大きな玉を扱うから、市場操作もできてしまう」という誤った想像をしてしまう方が、時折いらっしゃいますので、念の為。(No.1の方がURLを入れたサイトの後の方でも、そういった誤解を解く為の説明が中心だと思います。)むしろ、市場で裁くのが大変なぐらいの大量ポジションを、自分の相場観とは無関係に抱え込まされるディーラーは、個人投資家よりももっと行動が制限されるはずです。
勿論、質問にあるように予め売りポジションをとっておく可能性を100%否定するつもりもありません。これは手口を見ればある程度は想像できるでしょう。とにかく、値動きだけから損したはずだ、得したはずだ、とは決め付けられない、という事です。
違法でなければなんでもあり、というのは、言うまでもない事ですが、だからといって、証券会社がいつも乱暴に相場を動かしている訳ではありません。振る玉が大きくなればなるほど、自作自演になってしまうリスクは高まります。(個人の方で、自作自演のリスクというのが、感覚的によく理解できない方が時折いるようですので、質問者の方はよくお分かりかも知れませんが、付け加えました。)
お礼
ありがとうございます. 私はいま一般の投資家と証券会社などのディーリングの違いについてとても興味をもっているので,上記URLのページもとても参考になりました.