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日本人として読んでおくべき本、日本に関する本

clovenfootの回答

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回答No.9

あの本から「ショック」を受けたのなら、『英語達人列伝』(斎藤兆史・中公新書)などはいい刺激になるかもしれません。 内容は、日本にいながらにして高度な英語力を身につけた十の文化人を取り上げ、英語という切り口でその人生を照射した略伝になっています。 野口英世などのよく知られた人から、一般には知られていない外交官、さらには鈴木大拙など日本文化を研究者する外国人が避けて通れない人まで多士済々です。いずれもモンスター級の人ばかりでエピソードも豪快です。 「伝記」ではありますが著者の主張が強く打ち出された本でもあり、「日本人としての確固たるアイデンティティーがなければ、いくら英語ができても通用しない」という考えが基調になっています。『国家の品格』の論調と似たところがあります。 「ショック」から得た読書欲が減退したかなと思ったら、「ビタミン剤」としても使えます。 ちなみにイギリスの大学で日本文化を研究しているある教授によると、ヨーロッパの思想界にもっとも影響を与えた日本人は「鈴木大拙をおいてほかにない」とか。(山折哲雄の文章より) 鈴木孝夫の『ことばと文化』(岩波新書)などは薄くて簡単に読める割には文化を考えるときには便利な本です。英訳も出ています。 この本に限らず、鈴木孝夫の文章はわかりやすく扱う問題も現代的なため、よく高校の教科書や大学入試などに登場します。高校生なら読んで損にはならないと思います。 英語が得意なら外国人と話す機会が今後増えることでしょう。そのとき「日本人の宗教」が必ず話題になると思います。そんなときに備えてこういった本はどうでしょう、『日本人はなぜ無宗教なのか』(阿満 利麿・ちくま新書) 日本人は「宗教」というと教祖、経典、教義などが備わったイスラムやキリスト教またはある種の新興宗教をイメージしますが、著者は(表題とは裏腹に)我々のありふれた習俗的行為も広義の宗教だと位置付ける立場をとっています。 私の評価はもう一つでしたが、アマゾンのレビューなんかでは高く評価している人もいますし、英訳も出ているようです。こういった小冊子一冊でも読んでいるといないとでは、日本文化をみる視野の幅に差が出ると思いますよ。 日本の文字文化をずっと支えてきたのは紫式部や芭蕉ではなく、孟子や頼山陽、つまり漢文でした。そもそも日本語自体が漢語によって語彙を劇的に増やし、漢文によって骨格を得てきたわけで、漢語・漢文は日本語の土台そのものとも言えます。外来語の氾濫という話題になると、「漢字はどうなんだ」と漢語や漢文を現代的意味での外来語・外国語と同列に扱う人が出てきます。こいう人たちに同調して恥をかかないためにも、丸谷才一や中村真一郎の日本語に関するエッセイはお薦めです。あとこれは品切れですが、渡部昇一の『教養の伝統について』(講談社学術文庫)の中にも同じ趣旨から推薦できる文章があります。近所や学校の図書館にあればぜひどうぞ。(No.7の方とかぶって申し訳ありません) あと時間がないようでしたら、代表的日本論をコンパクトに紹介した以下のような本もあります。 『日本文化論の系譜―『武士道』から『「甘え」の構造』まで』(大久保 喬樹・中公新書) 『外国人による日本論の名著―ゴンチャロフからパンゲまで』(佐伯 彰一、芳賀 徹・中公新書)

summer030
質問者

お礼

とても詳しいご回答ありがとうございます。 「ビタミン剤」まで紹介していただき本当に感謝しています^^ 日本の宗教について、もっと詳しく知りたいと思いました。

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