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今年の日本シリーズ第2戦、日本ハムのトリックプレーとブルドッグ
一昨日のNHKラジオで西田善夫元アナウンサーが「日本ハムの高度なプレー」という話でトリックプレーに触れていました。 同じ話が10月28日付け『東京中日スポーツ』の「知っていながら引っかかったトリックプレー」という記事に見られます。 それによると、日本シリーズ第2戦、中日1点リードの5回無死一・二塁。山本昌が一球目をバント。このとき日ハムが敷いたシフトが中日を狂わせたのだそうです。 守備側の日ハムが仕掛けたと言えるプレーです。 一塁・セギノールと三塁・小笠原が猛チャージ、と見せかけて小笠原は急ブレーキをかける。三塁線に転がった打球を、投手・八木が好処理。ベースカバーに戻っていた小笠原に送球し、二走・井上は封殺。 ところがこれには伏線があって、交流戦の開幕試合延長10回、同じく無死一・二塁、代打・渡辺の一塁線バントが猛チャージした内野陣の網に引っかかり最悪の併殺。このときが「ブルドッグ」と呼ばれる最強のシフトだったが、日シリ第2戦の方はそれのフェイク版で、行くと見せかけて実は行かない。日ハムがやってくることを中日はつかんでいたにもかかわらず引っかかってしまったのだそうです。 井上選手は「ブルドッグをしてきたと思ったのに、何で止まるんだ?って。警戒して、思わず止まってしまいました」と語っています。 質問 「ブルドッグ」は一シーズンにどの程度行われて、その成功率はどのくらいか? 質問 井上選手は投球がバットに当たってから走り出すほどスタートが遅れています。なにを警戒したのでしょうか。牽制ですか? 質問 山本昌が一塁側ではなく三塁側へバントしたのはなぜか。小笠原の動きを見て? なお「ブルドッグ」の映像は、最も有名な映像サイトで「日本ハム」で検索し、「日本ハムファイターズPV・作ってみた」の1分55秒経過した辺りで見ることができます。
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質問者が選んだベストアンサー
ご質問の上から順に、 「ブルドック」という名称はよく知りませんが、バントシフトには色々なパターンがあり、もちろん相手の裏をかくようなチーム各々独自のパターンもあります。 1塁手、3塁手が前方にダッシュするシフトは良くあります。成功率は統計を取ったことも聞いたこともないので分かりません。 作戦が「バントエンドラン」なら別ですが、「送りバント」であれば、バットに当たってから走り出すのは当たり前だし、普通は転がったのを確認してからスタートします。普通にうまく打者が転がせば普通は間に合うし、空振りやバッテリーが外してきたらアウトになってしまう危険性も高いし、フライになったら最悪ゲッツーになる危険もあるからです。 ただ、相手がバントシフトやピックオフをやってくれば、走者も惑わされてバントが転がってもスタートが遅れてしまうことはありえることです。(そもそもそれが狙いのシフトもあります。) ランナー1・2塁でバントの場合、最も良いと言われるのは、「3塁手に取らせるバント」です。3塁手が捕球した場合、他の選手が3塁ベースカバーに入るのは難しく、また入っていたとしても全く逆に振り返って送球しなければならず、3塁でアウトを取るのは非常に困難になるからです。 しかしながら、守備側はそれを防ぐため、投手は3塁側に走るのが基本です。(1塁手は前進、3塁手がそのまま、投手が3塁前に前進というシフトも良くある。) そこで、打者は、投手に取られないよう、強めに3塁側に転がすのが最高に良いバントと言われます。 山本は基本に忠実に3塁前に転がそうとしたが、その打球が狙いより弱くなってしまったかもしれないし、質問者様が仰るとおり小笠原の動きを見てそうしたかもしれません(ただ、予め転がす方向を決めているのが普通で、相手の動きを見てから転がす方向を変えるのは困難ではある)。ですが、1塁側に転がすのもありです。そこは駆け引きやベンチの指示があったかもしれません。 何れにしても、しっかりと練習していないと出来ませんし、過去の試合で起きたことを念頭に置くことも大切なことです。 そういう意味では、日ハムの作戦は練習の賜物と言えると思います。
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- nnnn31
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このシフトはヒルマン監督ですら「一発勝負のギャンブルシフト」と評しているくらい危険なシフトなので 交流戦の初戦の延長戦でのピンチという物凄い勝負どころでの一回以降行われていません。
お礼
回答ありがとうございます。 ANo.2の方へのお礼を参照いただければうれしく思います。 >交流戦の初戦の延長戦でのピンチという物凄い勝負どころでの一回以降行われていません。 日ハムについては私もそう思っています。しかし12球団でもどうなのか、ブルドッグというのはほとんど見ることのできないシフトなのではないか、という気がしてきました。
- tsuyoshi2004
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「ブルドッグ」という名称は知りませんが、走者一塁二塁で三塁手、一塁手が共にダッシュをするということは、三塁ベースカバーに遊撃手、一塁ベースカバーに二塁手が入る必要が出てくるので、万が一バスターで投手の横を抜かれれば間違いなく内野安打になるシフトです。従って、100%バントのケース以外では使いにくいシフトだと思われます。シーズン中でも使われるのはほんの僅かだと思われます。 ファイターズの八木投手の二塁牽制の巧みさは中日も知っていたでしょうから、あの場面でも牽制球には十分気をつけていたと思います。また、ブルドッグを警戒していたとすれば、二塁走者は遊撃手よりも早く三塁に到達すればいいのですから、無理に早いスタートを切らないで遊撃手の位置を把握していたのかもしれません。そこを上手く遊撃手がピックオフをしかけてスタートを遅らせていたかもしれません。 走者二塁(一、二塁)での送りバントの基本は三塁手に取らせることなので、基本どおりといえば基本どおりでしょう。また、打者からみて遊撃手が投球時に二塁付近にいるのが見えていれば、ブルドッグは有り得ないので三塁に強く転がせば確実に送れると考えたかもしれません。但し、あのケースでは投球と同時に八木投手は三塁線方向へスタートしていたので、結果としてはファイターズの策略に嵌ってしまいました。 勿論、練習の賜物であることは間違いないですが、あの場面では普段守備に付かないセギノールが一塁手であったことを考えるとファイターズとしてはもし三塁側に転がされれば投手が左の八木であるので三塁封殺を狙って、一塁側ならば一死二塁三塁も仕方なしと考えていたのではないでしょうか。
お礼
回答ありがとうございます。お礼が遅くなって申し訳ありません。 回答を拝見して、野球の基礎が解っていない私にしては難しい質問をしてしまったのではないかという思いがしてきました。 ブルドッグについては質問前にネット上で調べて、情報源が限られていることと、あまり一般的ではないと感じました。 その中に「(ブルドッグは)練習時だけではなく、実践で出来るもんなんですね」というのがあるかと思えば「ああそれならウチの学校もやりますね」というのもあるのですが(笑)、プロではほとんど行われないか行われたとしても果たしてブルドッグと言われているのかどうか疑問です。 >そこを上手く遊撃手がピックオフをしかけてスタートを遅らせていたかもしれません。 NHKBSで見る限り、遊撃・金子は八木選手が始動する直前にサーッと二塁ベースカバーにはいるのですが、井上選手はそれに注意を払っていないように見えますね。コメントからは、小笠原選手の方を見てその動きに惑わされたとなっているのですが…。 その小笠原選手にしても、三塁人工芝の切れ目からタンタタンという足運びで、チャージと見せかける距離はせいぜい2~3メートルほどではないでしょうか。そこでピタッと止まって山本昌選手がバントを転がすまで留まり、八木選手の処理と判断してから三塁に戻ります。 中日としてもかなり高度なことをやっているから惑わされるのでしょうが、正直に言って私には理解が難しいです。 >一塁側ならば一死二塁三塁も仕方なしと考えていたのではないでしょうか。 そこなんですが、私は梨田氏の言うように単純に一塁側に転がせば成功していたのではないかと思います。しかし交流戦のブルドッグが頭にあってできなかったのでないかと…。 補足欄へ続く
補足
2006年日本シリーズの報道で私が最も注目したのが、この質問のきっかけとなった『東京中日スポーツ』の検証記事です。新聞が新聞だけに「インサイド情報」といえるのではないでしょうか。とくに伏線があったという話は興味深く読みました。 さらに、私の知る限り二人の例外を除いてバントシフトに関心を示す専門家がいないということが驚きでした。 その例外の一人『朝日新聞』の安藤記者が「流れを変えた攻撃的守り」というタイトルでこの回の守備に触れています。独自の視点で優れた記事だと思うのですが、意外にも小笠原選手(の動き)に全く言及していません。これはブルドッグ自体が一般的になっていないだけでなく、そのフェイク版ともなればチームにとって秘中の秘であるということの証左のように思いました。 上田利治氏も『デイリースポーツ』で大きな関心を寄せています。「山本昌のバントを読んだ日ハムは、三塁封殺を狙うバントシフトを仕掛けた」「内野陣と八木の連係プレー」などという表現(約400字)で本質を付いています。上田氏は野球の技術書を原本で読むような方らしいので、興味の方向が伺われますね。 NHKBSで解説の梨田氏は事前に「このケースの場合基本は三塁へのバントだが小笠原のチャージが厳しいので一塁・セギノールへ転がした方が成功率は高いと思う」と指摘します。そして石川アナとともに、遊撃・金子選手の二塁ベースカバー、小笠原選手のチャージしかけて戻る動き、井上のスタートが非常に遅れた(帰塁しかけた)ことなどを瞬時に読みとって、「あそこへ転がせば普通はアウトにならない」と言い、怪訝そうな話しぶりですが、実況中継なので次のプレーに移ってしまいます。翌日の『日刊スポーツ』で梨田氏はこのプレーに触れていないのでそれ以上関心を持たなかったのかもしれません。 つまりシフトで井上選手のスタートを遅らせなければ八木選手の守備も生きなかったのですが、安藤記者・上田氏以外の専門家は「八木の好守備」と言うだけなのです。その中で現役にもかかわらず阪神の捕手である矢野選手が「八木の好フィールディング」と言うだけでシフトは全く問題にしていないのが意外でした。 『報道ステーション』も相変わらずです。日シリ1・2戦が終わった時点で「勝敗を分けた守備」という守備の特集まで作っています。その中で栗山サンが「山本昌のバントをサードへガァーといってくれましたよね」などと八木の守備を絶賛するのですが、やはりバントシフトは全く頭にないようです。新聞を読まないんでしょうか?「ガァー」はいいから新聞を読んでほしいですね。そして最後に古舘さんの相方の女性が「守備って面白いですねぇ~」と言うとスポーツ担当の女性が「ねぇ~」と同調するんですが、本当に面白いと思っているんですかねぇ~(笑)
お礼
季節はずれの質問にお答えいただきありがとうございます。 >「ブルドック」という名称はよく知りませんが… 私も初めて聞きました。『プロ野球ニュース』が情報源になっているようにも思うのですが、私は見ていないので分かりません。 テレビ局や新聞も含めて浸透していないように思えました。 >作戦が「バントエンドラン」なら別ですが、「送りバント」であれば、バットに当たってから走り出すのは当たり前だし… バントエンドランと混同したかもしれません。解説の梨田氏が「井上のスタートが遅れた」と盛んに言っていたのと、井上選手自身のコメントから適当に書いてしまいました。 >相手がバントシフトやピックオフをやってくれば、走者も惑わされてバントが転がってもスタートが遅れてしまうことはありえることです。(そもそもそれが狙いのシフトもあります。) 私は野球経験がないので走者の心理も分からないのですが、dorarokuさんのお答えのとおりだとすると「ブルドッグのフェイク版は走者のスタートを遅らせるシフト」だということでかなり納得できます。 >日ハムの作戦は練習の賜物… まさにおっしゃるとおりですね。 『東京中日スポーツ』には、「セ・リーグでこのシフト(ブルドッグのフェイク版)を採用しているチームはないが、パ・リーグであれに引っかかるチームはない」とあります。 さらに中日は、スコアラーが(ブルドッグのフェイク版を)つかんでいたうえに、シーズン途中で日ハムから中日に移籍した奈良原選手からも説明があったそうです。それにもかかわらず体が反応してしまった、という井上選手の述懐等、生身の人間が情報を生かせないこともある典型例として載っています。