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直交座標、斜交座標
ベクトル解析(岩堀長慶著)の中に Σ直交座標系、Σ’斜交座標系というのがでてきますが、斜交座標系を考えるメリットはなんでしょうか。斜交を考えるのは面倒ではないでしょうか。直交だけで問題処理すみませんか。 斜交を考える意味をわかりやすく説明いただければと思います。
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xy平面で | 3 0 | | 0 2 | という行列で表わされる一次変換はx軸方向に3倍、y軸方向に2倍引き延ばす変換と言うことはすぐ分かりますが、 | 1 1 | |-2 4 | という行列はどのような一次変換かすぐには分かりません。固有ベクトルを求めると(1 1)と(1 2)で固有値は2と3です。したがって、この行列は(1 1)の方向へ2倍、(1 2)の方向へ3倍する一次変換であり、互いに直交しない(1 1)と(1 2)を基底としてベクトルを表示した方が作用は分かりやすくなります。 斜交座標として意識的に使うことはあまりなく、ユークリッド空間でも斜交座標では反変ベクトルと共変ベクトルの区別があるので、その説明のために使われることが多いような気がします。ただし直交座標だけで問題処理がすむとは限りません。質点1の座標をx1,質点2の座標をx2としてポテンシャルU(x1-x2)で相互作用している時、運動方程式は2変数の連立方程式になります。重心座標と相対座標に変換すると1変数の二つの方程式に分離され、しかも重心の方は自由運動です。(質量が等しくない限り)重心座標と相対座標は直交しません。正準力学ではシンプレクティック変換を許容するので、不変に保たれるものはベクトルの内積ではなく、2つのベクトルの反対称積です。(つまり斜交座標でもポアソン括弧を不変にすれば構いません) 他の人はどうか分かりませんが、私は斜交座標とは計量がユークリッド的(または擬ユークリッド的)で直交しない基底を使う場合と定義しています。等価原理により重力場の中で計量は局所的には必ず擬ユークリッド的にできます。しかしアインシュタイン方程式の静的軸対称解を求めるために第1基本形式が ds^2 = -V(dt - wdφ)^2 +[ρ^2dφ^2 +e^2γ(dρ^2 + dz^2)]/V となる非直交基底が使われることがあります(例えばRobert Wald;General Relativity,p.166)。 この他直交しない基底を使う例としては量子力学のコヒーレント表示があります。 maya.phys.kyushu-u.ac.jp/~knomura/education/quantum-modern/notes1.pdf コヒーレント表示は古典的状態と対応をつけやすい等数々の利点があります。特殊相対論で斜交座標が使われるかについてはコメントを差し控えさせて頂きます。
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- ojisan7
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直交座標系でも、斜交座標系でも本質的な違いはありません。どちらの座標系を使っても良いのです。しかし、2つの変換を比較する場合に、直交座標に斜交座標を書き入れた図が便利です。さらに、斜交座標の方が便利だという、具体例もいくつか存在します。特殊相対性理論で用いられる斜交座標などは、その良い例です。下記URLのNo2の回答を参考にして下さい。 http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1925476.html
お礼
尊敬するojisan7さんに回答いただきうれしいです。 後から回答をいただいた人のものとあわせて参考とさせていただきます。 どうもありがとうございました。
お礼
何となく意味がわかりかけています。確かに固有べクトルなど考えれば斜交のほうがわかりやすいですね。今後勉強の参考にさせていただきます。 ごていねいにありがとうございました。