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超微細相互作用による原子核偏極生成
- 原子核のスピン偏極を行なう手法の一つに、原子をスピン偏極させ、それを超微細相互作用により原子核の偏極に移行させる方法がある。
- 原子のスピン偏極とは、軌道電子の軌道角運動量が偏極している状態を指す。原子の偏極状態は蛍光の検出によって確認できるが、その光は励起状態から基底状態への遷移に伴って発生する。
- 原子偏極が核偏極に移行する際の条件は、軌道電子が一定方向に運動し、それに伴う電流によって磁場が発生することであり、原子核はその磁場の影響で偏極する。この状態は一定期間維持される。
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> 原子偏極は分かりましたが、それが核偏極に移行する というのが分からなくなりました。 軌道電子がスピン偏極していると何が起きるのですか? 自転の向きなんて、公転の中心物に影響を与えるかどうかなど関係ないんじゃないか、という気がしてしまうのですが…… 量子力学を考える際に、太陽系型原子モデルはあまり固執しない方がいいと思います。スピンを電子の自転だとは思わない方がいいと思います。スピンはあくまでもスピンで、角運動量の一種です。 要するにスピン角運動量が有効的な磁場を作って、原子核スピンに働きかけます。その結果、両者のスピンが平行の状態と反平行の状態でエネルギーが異なってきて、エネルギーの低い方をとりやすくなります。 超微細相互作用の原因のひとつとされているものとして、フェルミのコンタクト相互作用というものがあります。これはs軌道の電子とだけ原子核スピンが相互作用するもので、s軌道電子はこの場合、原子核に触れんばかりの近さまで近づいていって相互作用します。
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- leo-ultra
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超微細相互作用って、電子の核スピンと原子核の核スピンの相互作用じゃなかったでしたっけ。 >まず、原子のスピン偏極というのは、 軌道電子の軌道角運動量が偏極している状態で間違いないでしょうか? だから、これはそもそも間違い。軌道電子のスピン角運動量。 >この原子の偏極状態はどのようにしたら確認できるのでしょうか? 原子からの蛍光を検出する、というものがあったのですが、これは、偏極状態とは一種の励起状態であり、そこから基底状態に落ちるときに出てくる光を見ているのでしょうか? 励起状態にある電子が基底状態に戻る際に光を出しますが、光も右円偏光(スピン+1)と左...(...-1)があり、保存則が成立します。 スピン編極していれば、右と左の円偏光の強度に差がでます。 尚、電子スピンの絶対値は1/2ですが、光は1です。
補足
回答ありがとうございます。 > 超微細相互作用って、 ああ、そう言えば! どうも、イメージ優先で捉えやすいように捉えやすいようにと 考えてたので定義を忘れていました。 > スピン偏極していれば、右と左の円偏光の強度に差がでます。 なるほど、円偏光がおこるために角運動量を保存するのですね。 スピン偏極していると保存するべき方向が非対称になる、と。 原子偏極は分かりましたが、それが核偏極に移行する というのが分からなくなりました。 軌道電子がスピン偏極していると何が起きるのですか? 自転の向きなんて、公転の中心物に影響を与えるかどうかなど 関係ないんじゃないか、という気がしてしまうのですが……
お礼
あらためて、回答ありがとうございました。 調べていて知ったんですが、物理学でももちろんあるんですが、 どちらかというと化学でよく登場する話題のようですね。 それと、かつての 教えて! goo でも興味深いQ&Aがあったのを発見しました (自分自身と、同じような疑問を抱くであろう他の人のためにリンクをはらせてもらいます)。 [電子スピン共鳴] http://w3p.phys.chs.nihon-u.ac.jp/~takizawa/tex/Micro-esr/node5.html [教えて! goo 原子の中の原子核と電子] http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=36150
補足
ミクロの世界ではマクロの常識は通用しない、と 承知しているつもりではいるのですが、やはり直感的な理解を求めてしまいがちで……。 スピン角運動量が有効的な磁場を作る、というのも、そうなのだろうな、 とは思うのですが、どうもしっくりきません。 ちゃんと計算すれば分かるのかな。 資料を探して考えたいと思います。 で、えーと、そうか、 「電子の偏極が核偏極に移行する」という言い方であっても、 電子が偏極を緩和して、その分を核に渡すというわけではないのだから、 原子から原子偏極に由来していた蛍光が放出されても、 そのことは、核が偏極していたかどうかとは無関係なんですね。