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電磁波を摂動項として考えるとき

光の吸収や放出を考えるとき、光(電磁波)を摂動項として考えています。摂動項とは非摂動ハミルトニアンに比べて非常に小さい物を選ぶと書いてあるのですが、電磁波は非常に小さいのですか? どうやって小さいと判断したらいいのかわかりません。よろしくお願いします。

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回答No.2

摂動展開は経路積分を使って導くのが標準的ですが、分かりやすさを旨としてold fashioned perturbation theory を述べます。電磁場がないときのハミルトニアンをH0、電磁場との相互作用をVとし、プランク定数を1にとるとSchroedinger方程式は  idΨ/dt = (H0 + V)Ψ ここでVは電荷eに比例します。 相互作用描像の波動関数ΨintをSchroedinger描像の波動関数Ψから  Ψint(t)= exp(iH0 t)Ψ(t) で定義すると容易に分かる様にΨintは  idΨint/dt = V(t)Ψint(t)  V(t) = exp(iH0 t)Vexp(-iH0 t) を満たします。逐次代入法で解くと  Ψint(T)   = Ψint(0)-i∫[0~T]dtV(t)Ψint(0)   +(-i)^2∫[0~T]dtV(t)∫[0~t]dt'V(t')Ψint(0)   +… となります。従って摂動展開は相互作用の強さeのベキ級数の形になります。観測される電子・光子の数を一定とすると、高次の摂動は最低次の摂動に観測されない内部電子・内部光子を付け加えたものになるので、最低次が2次なら、その次は3次ではなくて4次、6次…のようにe^2 のベキになります。  e^2 = 1/137.04 ≡ α は物理学の基本的な定数です(eは電子電荷1.6×10^-19Cとするとe^2は1/137にならないと思われるかもしれませんが、無次元化すると約1/137になるます)。漸近級数はパラメータが0に近い時始めの数項をとると良い近似になります。(前の回答でパラメータが1より小さい時とあるのはパラメータが0に近い時に訂正させて下さい)前の回答のURLのHTMLバージョンは図がうまくでないようなのでTom Heinzl,Strong-Field QED and High-Power LasersのPDFをダウンロードすることをお勧めします。

その他の回答 (1)

回答No.1

物理学では近似が適切かはあまり厳密に考えないで使っているのが実情だと思います。摂動展開は結合定数のベキ級数になり、量子電気力学の場合微細構造定数α=1/137.04 のベキになります。電磁相互作用の場合はこれが1より小さいので摂動論が良い近似になり、強い相互作用や弱い相互作用ではこれが大きいので摂動論が良い近似にならないというのが普通の説明です。摂動級数はくりこんだ後でも収束せず漸近級数ですが、小数の光子が関与する過程では始めの数項で良い近似になると期待され、実験と比較してみると事実そうなっています。しかし結合定数は実際には定数でなく、強い相互作用でもasymptotic freedom が成立する領域で摂動論が使えることはよく知られています。逆に量子電気力学でもどんな場合でも摂動論が適切と言うわけではなく、レーザーなどの強い場では非摂動論的QEDを考えなければならないことが分かっています。

参考URL:
http://www.google.com/search?q=cache:RNbt-54k3EgJ:www.tech.plym.ac.uk/maths/staff/theinzl/Talks/glasgow06.pdf
macus
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 >摂動展開は結合定数のベキ級数になり、量子電気力学の場合微細構造定数α=1/137.04 のベキになります。電磁相互作用の場合はこれが1より小さいので摂動論が良い近似になり、 ってところが良くわかりません。私が読んでいる量子力学の本(初等量子力学 原島鮮)にはべき級数とか微細構造定数などは出てきませんでしたのでよくわかりません。あと、電磁相互作用が1より小さくなるっていうのもどのようにわかるのですか?参考文献でもいいので教えていただけると助かります。 よろしくお願いします。

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