• ベストアンサー

電磁波を摂動項として考えるとき

光の吸収や放出を考えるとき、光(電磁波)を摂動項として考えています。摂動項とは非摂動ハミルトニアンに比べて非常に小さい物を選ぶと書いてあるのですが、電磁波は非常に小さいのですか? どうやって小さいと判断したらいいのかわかりません。よろしくお願いします。

  • macus
  • お礼率76% (331/433)

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.2

摂動展開は経路積分を使って導くのが標準的ですが、分かりやすさを旨としてold fashioned perturbation theory を述べます。電磁場がないときのハミルトニアンをH0、電磁場との相互作用をVとし、プランク定数を1にとるとSchroedinger方程式は  idΨ/dt = (H0 + V)Ψ ここでVは電荷eに比例します。 相互作用描像の波動関数ΨintをSchroedinger描像の波動関数Ψから  Ψint(t)= exp(iH0 t)Ψ(t) で定義すると容易に分かる様にΨintは  idΨint/dt = V(t)Ψint(t)  V(t) = exp(iH0 t)Vexp(-iH0 t) を満たします。逐次代入法で解くと  Ψint(T)   = Ψint(0)-i∫[0~T]dtV(t)Ψint(0)   +(-i)^2∫[0~T]dtV(t)∫[0~t]dt'V(t')Ψint(0)   +… となります。従って摂動展開は相互作用の強さeのベキ級数の形になります。観測される電子・光子の数を一定とすると、高次の摂動は最低次の摂動に観測されない内部電子・内部光子を付け加えたものになるので、最低次が2次なら、その次は3次ではなくて4次、6次…のようにe^2 のベキになります。  e^2 = 1/137.04 ≡ α は物理学の基本的な定数です(eは電子電荷1.6×10^-19Cとするとe^2は1/137にならないと思われるかもしれませんが、無次元化すると約1/137になるます)。漸近級数はパラメータが0に近い時始めの数項をとると良い近似になります。(前の回答でパラメータが1より小さい時とあるのはパラメータが0に近い時に訂正させて下さい)前の回答のURLのHTMLバージョンは図がうまくでないようなのでTom Heinzl,Strong-Field QED and High-Power LasersのPDFをダウンロードすることをお勧めします。

その他の回答 (1)

回答No.1

物理学では近似が適切かはあまり厳密に考えないで使っているのが実情だと思います。摂動展開は結合定数のベキ級数になり、量子電気力学の場合微細構造定数α=1/137.04 のベキになります。電磁相互作用の場合はこれが1より小さいので摂動論が良い近似になり、強い相互作用や弱い相互作用ではこれが大きいので摂動論が良い近似にならないというのが普通の説明です。摂動級数はくりこんだ後でも収束せず漸近級数ですが、小数の光子が関与する過程では始めの数項で良い近似になると期待され、実験と比較してみると事実そうなっています。しかし結合定数は実際には定数でなく、強い相互作用でもasymptotic freedom が成立する領域で摂動論が使えることはよく知られています。逆に量子電気力学でもどんな場合でも摂動論が適切と言うわけではなく、レーザーなどの強い場では非摂動論的QEDを考えなければならないことが分かっています。

参考URL:
http://www.google.com/search?q=cache:RNbt-54k3EgJ:www.tech.plym.ac.uk/maths/staff/theinzl/Talks/glasgow06.pdf
macus
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 >摂動展開は結合定数のベキ級数になり、量子電気力学の場合微細構造定数α=1/137.04 のベキになります。電磁相互作用の場合はこれが1より小さいので摂動論が良い近似になり、 ってところが良くわかりません。私が読んでいる量子力学の本(初等量子力学 原島鮮)にはべき級数とか微細構造定数などは出てきませんでしたのでよくわかりません。あと、電磁相互作用が1より小さくなるっていうのもどのようにわかるのですか?参考文献でもいいので教えていただけると助かります。 よろしくお願いします。

関連するQ&A

  • 摂動論で摂動項が非摂動項の線形結合で表現出来るわけ

    量子化学で、摂動論と言うのを勉強しているのですが、 何故、摂動項の固有関数Ψn’が非摂動項の固有関数Ψnの線形結合 Ψn’=Σa_nΨn と表現出来るのでしょうか? 勿論 Ψは完全系なので Ψ=Σa_nΨn と表せることは分かります。 でも例えば、非摂動項の境界条件でなんかの条件例えば、Ψ(X=a)=0を満たさなければならない、 とすると、総ての固有関数はΨn(X=a)=0 を満たすことになります。 つまり、その固有関数の組み合わせで与えられる関数は、全てX=aの時0になるはずです。 が、もし摂動項によりその境界条件がなくなった場合 Ψ’(X=a)≠0 である関数でなくれはなりません。 つまり、非摂動の関数では表せないはずでは?? 何故、物理、化学などでは Ψn’=Σa_nΨn としているのでしょうか? これは、単なる近似、ということなのでしょうか? でもだとすれば Ψn’=Σa_nΨnではなく Ψn’≈ Σa_nΨnと書いているはずです。 どなたか説明出来る方がいらっしゃればよろしくお願いします。

  • 摂動の問題について

    調和振動子に関して摂動項λx^3を加えると、|<m|H'|n>|^2を計算する場合、m=n+3, n+1, n-1, n-3のみ考えれば二次のエネルギー補正項が求められるようなのですが、mがこの4つに限られる理由はなんでしょうか。また、摂動項が奇関数だと一次の補正項が0になるのはなぜでしょうか。どなたか回答お願いします。

  • 電子双極遷移

    摂動ハミルトニアンをH'として時間に依存する摂動をといた結果の <k|H'|k>の項の0とする根拠はなんですか?

  • 摂動論

    量子力学の摂動において、二次のエネルギーの摂動項の計算に、もとのエネルギー固有状態以外の状態が現れてきます。これは数学的には、エネルギー固有状態が完全系をなすのでわかるのですが、この物理的意味はどう解釈したらよいのでしょうか。非常に基本的なことなのですが、はじめのエネルギー固有状態以外の、エネルギー固有状態の影響がどうして現れるのかがいまいちわかりません。

  • 摂動論を用いた波動関数

    電荷eを持つ一次元の粒子について Ho=p^2/2μ+μ^2x^2/2のハミルトニアンを考えます。電場によるポテンシャルはH1=eV=eεzです。 これの基底状態のエネルギーと波動関数を摂動論を用いて一次まで求めるのですが、エネルギーはなんとか求めることができました。さて波動関数についてですが、参考書をみると係数の求め方は乗っているのですが、係数がかかる波動関数の求め方がわからず困っています。ぜひ教えてください> <よろしくお願いします。

  • 光ファイバケーブルの電磁波について

    最近住んでいるマンションに光ファイバブロードバンドが導入されました。 VDSL方式といわれるものです。 私が住んでいる部屋は電柱に一番近い角部屋で、電線からマンションへの引き込み電線が我が家の壁面に取り付けられています。 光ファイバケーブルは電磁波の影響を全く受けないそうですが、それ自体が電磁波を放出していることはないのでしょうか? 家では現在ADSLを使用していますが、光導入後、夜になると回線がほとんど繋がらない状態が続いており、壁に取り付けれた光ケーブルの影響なのでは?と思っています。 ADSLに問い合わせるとその可能性が高いとの返答でしたが、導入している光の会社のHPには「光ファイバケーブルは他の機器に影響を及ぼすような電磁波を放出しない」とあり、ならば何がADSLを干渉しているのか???な状態です。 最近電磁波の健康への影響が新聞などで取り沙汰され、家にも小さい子供がいるのでとても心配です。 光ファイバケーブル自体から電磁波の放出はあるのでしょうか? 見識のある方、どうかよろしくお願いします。

  • 電気双極子遷移に関する問題

    H_0=(P^2/2m)+(1/2mω_0^2X^2)の調和振動子における電気双極子遷移に関する問題です。 摂動ハミルトニアンをH'=-μE(t)とすると、摂動の最低次で<l|μ|n>≠0のときに、状態|n>と|l>の間の遷移が許される。ここで、μ=qXは電気双極子モーメントであり、初期状態が|n>のときに、どのような状態への電気双極子遷移が可能か。また、ハミルトニアンH_0に摂動項H'=λx^4を加えた場合、の新しい固有状態を|n'>とすると、初期状態が|n=8>'のとき、どのような状態への遷移が可能か。(λの一次までで考える) これはどのように考えればよいのでしょうか。どなたか、回答宜しくお願いします。 摂動項H'=λx^4を加えた場合の|n>のエネルギー固有値の変化は理解できています。

  • レーザー関係の本の紹介

    今,レーザーの本を独学で読んでいるのですが,量子力学については入門程度のシュレーディンガー方程式の解き方くらいしか分からないので,摂動論というのが出てきて意味不明になってしまいました. 普通のシュレーディンガー方程式のハミルトニアンに電磁波中にある原子の状態を記述するのに相互作用のハミルトニアンλHiというのを加えたりしているのですが,もうやってる事が意味不明で…ほとんど理解できていません. こういった事をしっかり理解するためにはどのような本を読めばよいのでしょうか? お勧めの物がありましたらご紹介お願いします.

  • 電磁場の量子化

    (1)電磁場を量子化するさいに、電磁場を波束の集まりに分解してエネルギーを2次形式で表現します。このさいの数学的な変形は理解できるのですが、これの物理的な意味がよくわかりません。このハミルトニアンの表現は電磁場を無数の光子の集まりと考えているのでしょうか、それとも波束ベクトルの集まりとかんがえているのでしょうか。 (2)電磁場を量子化するさいに、ハミルトニアンを用います。このとき、運動量と位置の演算子が定義されますが、この量子化された運動量や位置は電磁場を構成する光子のものですか、それとも電磁場のものなのですか。 どちらかだけでもよいので、解説どうかお願いします。

  • 剛体ポテンシャルの摂動の問題ですが合ってますか?

    二次元剛体ポテンシャル V(x,y)=0 for |x|<(L/2) ,|y|<(L/2) V(x,y)=∞ otherwise について基底状態のエネルギー固有値と固有関数を求めた後 摂動ポテンシャルΔV(x,y)=axy、(a:摂動パラメータ)に対してエネルギーのずれを一次近似で求める問題です。 (解) Schrödinger方程式の解はu(x,y)=X(x)Y(y)と変数分離可能であるから X(x)=0 X(x)=A_x Cos[k x]+B_x Sin[k x] 境界条件X(±L/2)=0より非自明解が存在するためにはdet(・)=0より k_n=n_x π/Lである必要がある。 したがってエネルギー固有値はE_xn=ħ^2 π^2/(2 m L^2) n_x^2 完全性関係式によって規格化すると X_n(x)=√(2/L) Sin[n_xπx/L] for n_x=2,4,... X_n(x)=√(2/L) Cos[n_xπx/L] for n_x=1,3,... Y方向も同様にして Y_n(y)=√(2/L) Sin[n_yπy/L] for n_y=2,4,... Y_n(y)=√(2/L) Cos[n_yπy/L] for n_y=1,3,... 以上よりエネルギー固有値は E[n_x,n_y]=ħ^2 π^2/(2 m L^2) (n_x^2+n_y^2) と書ける。よって基底状態のエネルギー固有値は E[1,1]=ħ^2 π^2/(m L^2) 固有関数は u[1,1](x,y)=X_[1](x)Y[1](x)=(2/L) Cos[πx/L]Cos[πy/L] 摂動ハミルトニアンH'を考えるとH'=H_0+ΔV(x,y) 摂動論より基底状態のエネルギーE_0とすると一次近似は, E_0(1)=<u_0(0)|H'|u_0(0)>=<u_0(0)|H_0+ΔV(x,y)|u_0(0)>=E_0(0)+<u_0(0)|ΔV(x,y)|u_0(0)> したがってエネルギーのずれは ΔE=E_0(0)-E_0(1)=-<u_0(0)|ΔV(x,y)|u_0(0)>=-a (2/L)(∫{-L/2,L/2}x Cos[πx/L]^2 dx)(∫{-L/2,L/2},y Cos[πy/L]^2 dy)=0 と求まる。 上のように摂動論を考えたところエネルギーのずれがゼロになってしまいましたがこの問題の解答としてはこれで合ってるでしょうか。エネルギー変化がないということは摂動ハミルトニアンが非摂動ハミルトニアンに等しいということで理解すれば大丈夫ですか?