- ベストアンサー
檀家制度成立以前のお葬式
聞くところによると、日本人の90%以上が仏式で葬儀をするそうですが、身内の葬式をする段になって初めて自分の家の宗派が何であったか知る方も少なくないという話もよく耳にします。わたし自身もそのうちの一人ですが、これでは祖先に申し訳が立たぬかといえば、その祖先もおそらく自分の知らぬうちにどこかの寺の檀家になっていたクチでしょうから、まあ似たり寄ったりでしょう、なんてことを考えていたら、はて、じゃあ「檀家制度」が成立する江戸時代以前の葬式というのはどうだったんだろうかという疑問がわいてきました。やはり大部分の人が「仏式(もちろん今とは内容は違うでしょうが)」で死者を送っていたのでしょうか? それとも檀家制度成立以前は「仏式」の葬儀はそれほど一般的ではなかったのでしょうか? どうか教えてください。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
まず仏教が葬式を行うようになったのは平安時代以降で、それまでは神官が葬式を執り行い、天皇など非常に身分の高い方は神官による儀式で葬られ、それ以下の貴族も一般庶民も死体を捨てられてお終い。 平安期に入ると僧侶が死体を打ち捨てたままでは死者が浮かばれないと、供養を説くようになり、仏教が葬式に積極的に関わるようになります。 この時代では有力な一族が寄進をしてお寺の檀家になるような形でしたが、力のある武士などでは葬儀を出したようですが、一般庶民は相変わらずそのまま葬られてお終い。 江戸時代に宗門改めで檀家制度が始まり、この時代から檀家寺が葬式に関わるようになったもようです。
その他の回答 (2)
- les-min
- ベストアンサー率41% (269/644)
こんにちは。。 すでに良いご回答が投稿されていますが・・・少し(補足的に?)お邪魔します。 仏教が伝来してからも、しばらくは仏式の葬儀は行なわれなかったようです。 仏教自体、もともと死者儀礼を持っていませんし、祖先崇拝を説く教えではないからで、人々(主に皇族・貴族)が仏教に期待したのは、世間の安泰と除災招福だと言って良いと思います。 平安期から中世(鎌倉・室町)にかけてが、死者儀礼に仏教が関わり始めた過渡期のようです。 『往生要集』で浄土思想を展開した源信は、臨終の作法を記しており、どれぐらいの人が実践したかはわかりませんが、いちおう死者儀礼に仏教が関わり始めたと言えると思います。 お時間があるようでしたら、下記の本は、読みやすく概略的な事柄がよくまとまっていると思います。新書版でそんなに分厚い本じゃないです。(庶民の葬儀についての記述はそれほど多いわけではありませんが・・・)では。 新谷尚紀監修『「お葬式」の日本史』青春出版社
お礼
自分の日常感覚では仏教→仏壇→ご先祖様となってしまって、先祖崇拝が仏教の中核のように思ってしまっていたので、 >仏教自体、もともと死者儀礼を持っていませんし、祖先崇拝を説く教えではないから というのは改めて目からうろこの落ちる思いでした。確かにそうですよね。お勧めの本、ぜひ読んで見ます。ありがとうございました。
- d-drop
- ベストアンサー率22% (214/938)
こんにちは。 大問題ですが、以下の質疑が参考になろうかと思います。小生も「両墓制」で回答しています。 台湾や、香港(新界地区)には、「洗骨」が残ってるとか。お聞き及びになったことありますか? 参考になれば。 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=448694 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1768343
お礼
お久しぶりです。ご回答いただきありがとうございます。 不勉強で、「両墓制」というのは今回はじめて知りました。なかなか興味深いですね。 さて台湾では「洗骨」は(おそらく)一般的な行事です。土に埋めて何年か後、死者や遺族の誕生日などから割り出した日取りで掘り出し、お骨をきれいにします。台湾は高温多湿なので、数年埋めておけばきれいに骨になりそうなものですがそういうものでもないらしく、掘り返したお骨を専門の業者さんがやや強引に「洗う」ようです。それでも中にはたまたま風通しのいいところや水はけのよすぎるところ、土中のアルカリ分が多すぎるところなどに埋められたせいで、いろいろ「残っている」ご遺体もあるそうで、そういうのはあまり喜ばしくない兆候とされているそうです。
お礼
ありがとうございます。 >それ以下の貴族も一般庶民も死体を捨てられてお終い。 「羅生門」の世界ですね。もっとも当時の人にとっては普通のことで、羅生門の「下人」のようなセンチメンタリズムなどこれっぽっちもなかったんでしょうが。 鎌倉仏教の成立以降は庶民にとって仏教が近しいものなったという印象がありますが、それと葬式とはまた別の問題なのですね。