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ライプニッツについて

ライプニッツの「モナドと予定調和」についての考え方がまったく分かりません。どのような意味なのか単純で良いので御説明していただければ幸いです。

  • s-word
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  • starflora
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回答No.1

    まず、わたしは哲学の専門家ではないので、自分の理解する処を述べるだけです。またライプニッツの「モナドロジー」については、本を読んでいて、分からなくなり、中断した記憶がありますので、よく分かっていない可能性が高いです。     モナド Monade というのは、ギリシア語の monas(単数属格 monados, 従って語幹は、monad-)から派生したもので、monas は monos の特別形で、「単一実体」のような意味でプラトンも使っている言葉です(日本語訳で、「単子」と言います)。     しかし、ライプニッツのモナドは特殊な意味を持ち、それは、単独に自存する「精神的実体」で、かつ「単純実体」だとされます。とはいえ、モナドとして、「神のモナド」「天使のモナド」「人のモナド」「動物のモナド」「植物のモナド」「物質のモナド」などが、連続的順位としてあるとされますから、精神の位相が段々減って来ると、物質に近づくのだとも言えます。     モナドと予定調和がどうして関係してくるかと言うと、モナドは、表象と意欲を持ち、また、宇宙のありようを、それぞれにおいて反射板のように映し出しているのですが、名前が「単独・孤独」という原義から分かるように、モナド同士の相互作用とか相互影響はありません。これを、モナドには「窓がない」と言います。モナドはそれ自身で充足し閉じているのです。     人間は、高次な精神存在であるので、その表象において、宇宙のありようをかなり複雑に知っているということになりますが、これは、経験を通じて知ったのではなく、どこから新しい知識が訪れるのかわたしも未だに分かりませんが、モナドの意欲に応じて表象されるということになっています。物質は、延長としての実体と呼ばれますが、延長としての実体は存在せず、それはモナドの表象のなかにある現象のありようだとされます。     そこで、「窓」がモナドにありませんから、無数のモナドがこの宇宙に存在しても、一体どうやって相互の関係が成立しているのか、モナドとモナドの関係は、どこで決まって来ているのか、という疑問が出てきます。これに対する答えが、「予定調和」で、宇宙におけるモナドの相互関係や、モナドのありようなどは一切、完全にして最高の明晰度を持つモナドである神によって、予めに調和的に定められており、モナドが時間のなかにいると表象する時、生起するできごとなどは、予めに決まっているのだということになります。     また、無限のモナドで構成されるこの宇宙全体のありようは、神のモナドによって、「最高善」を実現するように予定調和で定められているとします。     モナドは、不生不滅だともされますから、このモナドの宇宙と予定調和の世界は、時間を超えた処にある、完了した、または完成した宇宙の話で、わたしたち人間の「時間における経験」とは、また別の次元での宇宙の真実の姿を語っているのだとも思えます。時間過程における経験の表象とは、モナドにおいては、すでに完了・完成しているのだということになります。   この完了したモナドの宇宙と、現象の展開する時間経過のこの経験世界は、どうなっているのか、「モナドロジー」をよく理解していませんので分からないのですが、「悪は何故存在するのか」という有名な問いの答えの一つに、このライプニッツのモナド説が出てきて、ライプニッツの理論では、「悪はない」というか、俗的な言い方をすると、宇宙は「最善な状態」にあるよう予定調和されてあり、「悪」と思えることを排除した場合、「もっと大きな悪」が、宇宙に現れるのであり、「悪の最小化」というか、「悪しきこと」は、「もっと悪しきこと」を排除するためにあるのであり、その意味で、「悪しきこと」も「善」であり、宇宙には、「悪はない」という説明があります。     上で述べたように、現象の時間経過と明らかに無関係な次元でモナドロジーは唱えられており、しかし、これは現象世界の説明理論でもあるのであり(そのことは、「悪」についてのモナドロジーの解釈からも分かります)、そこが、どうなっているのか、実はわたしも分かりません(もっと勉強しなければならないのです。……なお、回答して、すぐにとはいいませんが、役に立ったと思われる場合は、ポイントを発行してください)。  

s-word
質問者

お礼

starfloraさん、お返事ありがとうございました。モナドって難しいですね。長文どうもありがとうございます。こちらもそのお気持ちに答えて全身で理解しようとしたのですが、いかんせん哲学的な思考に慣れていないので頭がついていけないところがございます。 モナドがもう一つ分からないのですが・・・、「単一実体」という意味だったんですね。「単子」という日本語訳だったので、原子のような「粒」だと思っていたのですが。ライプニッツの哲学に忠実に御説明していただけて非常に光栄なのですが、あまり奥深いことを学ぶには私は全然勉強不足なので、初歩的なイメージのお話で御説明していただければ幸いです。 >なお、回答して、すぐにとはいいませんが、役に立ったと思われる場合は、ポイントを発行してください すいません、忘れていました。どうか気を悪くなさらずに。

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