水が気化するときの仕事PdVの解釈(熱力学第一法則)

このQ&Aのポイント
  • 熱力学第一法則によれば、仕事dWの符号は外界から系がされる仕事の場合はプラスと定義されています。
  • 水が気化するときの仕事はPdVで表され、水蒸気が外界に対して仕事をしたことになります。
  • 質問の場合、水が気化し、体積が増加するため、水蒸気が仕事をしたと考えられます。
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水が気化するときの仕事PdVの解釈(熱力学第一法則)

いつもお世話になっております。 現在、文献「化学・生命科学系のための物理化学」を用いて勉強しています。 熱力学第一法則はdU=dQ+dWです。 仕事dWの符号は、 ・系が外界に対してする仕事の場合、符号はマイナス ・外界から系がされる仕事の場合、符号はプラス と文献に記載されています。 ここで1atm、373Kでの1molの水から1molの水蒸気への変化を考えた場合、 (上に記載した文献では57ページの例題4・4です。) 仕事W=PdV=+3100J/molと、符号がプラスになります。 ここで文献のコメントでは、「水から水蒸気へと体積が増加するため、 水蒸気が外界に対して仕事をしたことになる」と書いています。 私が分からないことは以下です。 熱力学第一法則によれば仕事dWの符号は、 「外界から系がされる仕事の場合、符号はプラス」と定義されています。 水が気化した場合の仕事の符号はプラスになったので 「外界から水蒸気が仕事をされた」と言うと思うのですが、文献のコメントと 矛盾してしまいます。 アドバイスをお願い致します。

  • 化学
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  • c80s3xxx
  • ベストアンサー率49% (1631/3289)
回答No.6

>この問題ではPΔVは3100[J/mol]とプラスの値になります。 これは当たり前です.PΔV で求まるのは,「系が外にした仕事」だからです.くどいようですが,現在の符号の定義では,体積変化過程にともなう仕事は -PdV になり,PdV ではありません.PdV で求まるのは「系が外にした仕事」です.言い方を変えれば,仕事は常に「系が受けた」方向に計算するというのが今の定義だということです. >しかし気化するのだから定圧膨張するので、熱力学第一法則の定義に従えばPΔVはマイナスになると思います。もしΔH-ΔU=-PΔV=-3100[J/mol]とするとΔU>ΔHとなり解答と異なります。 定圧過程ですから ΔH = ΔU + PΔV です.ここで w = -PΔV ですから(符号に注意),ΔH = ΔU - w です.今は熱を与えて膨張させる過程を考えているので ΔH>0 だし,温度も上がるのでΔU>0 でもあります.熱を与えても(ΔH) すべてが温度上昇(つまりΔU) にならずに仕事 (w) にもなるわけです.このとき,w<0 (外にするのだから) なのですから,当然のように ΔH > ΔU になります.

skyship29
質問者

お礼

c80s3xxx さん、丁寧なアドバイスをありがとうございました。 理解できました。

その他の回答 (5)

  • c80s3xxx
  • ベストアンサー率49% (1631/3289)
回答No.5

#3さんのせっかくのコメントなのですが,これはだめです. 第1法則云々の前に符号が定義されているからです.したがって,dQ = と書くなら,dQ = dU - dW でなければなりません. あくまでも系がなんらかの形でエネルギーを受け取れば正,失えば負と取るというのが,現在の定義です. 符号はあくまでも系がエネルギーを受け取るのか放出するのか,に基づいて決めるのです.理由はそういう定義だからです. 仕事(や熱)を絶対値で示すときは方向を言葉で示さなくてはなりません.一方,あるプロセスにおいて示される符号付きの数値は,それだけで流れの方向を一意に示しています. 「+500Jの仕事を外にした」,という表現はあまり意味がありません(間違っているわけではありませんが).「500Jの仕事を外にした」,あるいは「この過程での仕事は-500Jだった」,というべきでしょう.

回答No.4

おそらくskyship29さんは1つ誤解をされています。 dU=dQ+dW はあくまで熱力学第1法則の1つの表現方法に過ぎません。 dQ=dU+dW と書くこともあります。この場合は系に「熱エネルギー」を与えると、それは「内部エネルギー」と「系が外界にする仕事」になる、という意味です。この場合は系が外界にする仕事が正です。 ですので、この場合のようにPΔVが正なら、「外界にする仕事を正に取ったな」と判断すればよいのです。 ややこしいかもしれませんが、慣れてくれば自然になります。

skyship29
質問者

お礼

beim_bier さん、アドバイスをありがとうございました。 物理化学の勉強をはじめたところなおで慣れていないことは事実です。 がんばります。

  • c80s3xxx
  • ベストアンサー率49% (1631/3289)
回答No.3

>Pの方向は膨張するときマイナスということではないでしょうか。 そうではなく,膨張は dV > 0 の過程で,P > 0 である限り,w = -PdV としないとつじつまがあわないのです.これはw の方向の定義が現在のものであるからこうなので,逆に定義すれば当然 w = PdV となります.

skyship29
質問者

お礼

c80s3xxxさん、よろしかったらNO.1の補足欄を読んでいただけないでしょうか。 私の疑問点が伝わりやすいと思います。 再度アドバイスをいただけると嬉しいです。 よろしくお願いします。

回答No.2

全く的外れのたわごとかもしれませんが、質問を読んで次のように考えました。 dVがマイナスの方向であり、しかもPがマイナス方向なのでW=PdVがプラス方向なのではないかと考えながら、私もNO1様の回答を読み返しています。 Pの方向は膨張するときマイナスということではないでしょうか。

skyship29
質問者

お礼

Alpinia120さん、ありがとうございます。 よろしかったらNO.1さんの補足欄を読んでいただけますか? 私の疑問点が少しは分かりやすくなるかと思います。 またアドバイスをいただければ嬉しいです。

  • c80s3xxx
  • ベストアンサー率49% (1631/3289)
回答No.1

まず,符号の定義は熱力学第一法則以前の問題です.まず符号を定義しておかないと,第一法則を含めて数式化できません. さて,熱力学第一法則の意味するところは,エネルギーの保存則と,熱と仕事の等価性です.系に熱を与えるということは,熱エネルギーを与えたということです.系が仕事をしないなら,このエネルギーは系がすべて抱え込まなくてはならないので,その分内部エネルギーが増えます.仕事を外からされる場合も,その力学的エネルギーが内部エネルギーに変化しないとエネルギー収支があいません.そういう意味で,「系が受け取る」方向を一律プラスに取るという定義が採用されたのです. さて,気体の体積膨張に伴う仕事を考えてみましょう.このとき,気体は外界に対して仕事をします.つまりエネルギーを外界に与えているのです.したがって,自分はエネルギーを放出しているわけで,この過程の仕事は負の符号で表されます.一方体積は膨張しているので,体積変化は正です.これを数式で表すと,w = -PdV でなければなりません.よく考えてください.

skyship29
質問者

お礼

c80s3xxxさん、アドバイスをありがとうございます。 私の質問の内容が分かりにくいかもしれません。 補足します。

skyship29
質問者

補足

[問題]次の物質変化でΔHとΔUの値を比較せよ。 1atm, 373Kでの1molの水から1molの水蒸気への変化。 ここで、1molあたりの体積は V(水)=0.0188[L/mol]、V(水蒸気)=30.61[L/mol] [解答] 定圧条件下なので、ΔH=ΔU+PΔV 従ってΔH-ΔU=PΔV 上式よりPΔVを求めればΔHとΔVの大小関係が分かる。 問題文よりPΔV=1atm×(30.61ー0.0188)L/mol×101.3J=3100[J/mol] 従ってΔH>ΔU。←こうなる理由は、水が気化するときに体積が増加し、水蒸気が外界に対して仕事をしたからである。 以上が文献に記載されている内容です。 この問題ではPΔVは3100[J/mol]とプラスの値になります。 しかし気化するのだから定圧膨張するので、熱力学第一法則の定義に従えばPΔVはマイナスになると思います。もしΔH-ΔU=-PΔV=-3100[J/mol]とするとΔU>ΔHとなり解答と異なります。 ここが私が混乱しているところです。

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