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特別背任で相殺できるか
会社を経営している者です。 閉鎖会社で資本金一千万 住居設備工事の会社を経営しております。 さっそくですが、取締役の1人が 会社を無断で辞めました。 彼は、注文を取ってきて工事は完成して いるのですが代金を回収できず。 その分の売掛金は未収となってしまいました。 その彼の責任で会社に損失を与えたということで 特別背任でその損失を彼の会社の出資金(株式) で相殺しようかと思いますが 何か問題点があるのでしょうか?
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「特別背任」は、「特別背任罪」という刑事罰のことであり、それと民事上の損害賠償とは関係ありません。 取締役に対して、会社から責任を追及するには、民法709条の不法行為責任か、商法266条の会社に対する責任が認められる必要があります。 会社を無断で辞めること自体は、No.1 さんのいうように、法令で認められていますので、それをもって、会社に損害を与えたというのは難しいです。 また、売掛金が未収となっている点については、損害が発生したという結果責任を追求することはできず、その取締役に、善管注意義務違反となるような行為があったかどうかが問題になります。 善管注意義務違反とは、取締役として、当然為すべきことをしていたかどうかで判断します。たとえば、取引先に支払い能力があるかどうか十分調査すべきだったのにしなかったとか、はじめから支払い能力が無いのがわかっていて契約したなどの場合です。 ご質問からでは、このような善管注意義務違反の有無がわからないので、損害賠償請求が妥当かどうかは判断できません。 また、仮に、損害賠償義務があるとしても、出資金との相殺は非常に困難です。出資と相殺するというのは、事実上、出資金を払い戻すということです。しかし、株式会社では、特定の株主についてのみ、出身金を払い戻すことは認められていません。 実質的に、特定株主のみの資本金を払い戻す方法としては、自社株買いしかありません。しかし、相手が売り渡しに同意しなければならないのと、自社株の購入は配当可能利益の範囲で行わないといけないため、難しいと思います。 当該取締役が、会社への自社株の売り渡しに同意して、それを買い取るだけの配当可能利益があるのであれば、会社の当該取締役に対する損害賠償請求権と、取締役の会社に対する株式の代金債券を相殺することはできます。
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- nhktbs
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ご質問を拝見する限りでは、問題大有りです。 取締役は社員ではありませんのでいつでも辞任が出来ます。 また、未収の売上金は、法人である会社が注文主に請求権があるだけですので、その彼が辞めたことと関係がありません。請求すればよいだけです。 注文を取って来た者が退職または辞任したとしても、そもそも特別背任にはなりません。 つまり、会社は未収の売上金について、その彼には請求権を有していません。彼に請求しようとするのは単なる八つ当たりです。 また、彼の出資金というのは株主としての権利であり、仮に会社が彼に何らかの請求権を有していたとしても相殺の対象にはなり得ません。 論外です。
お礼
ありがとうございました。 閉鎖会社でありオーナーの一言で 動く会社ですので 自社株買いから入るのが常套手段ではないかと思います。