• ベストアンサー

癌性腹水・胸水について

癌が腹膜に播種などすると、腹膜炎を起こし水が貯留します。しかし大量の場合と少量の場合があります。この違いは一体どうしてなのですか?また、癌性腹水・胸水は抗がん剤が奏効すれば無くなるみたいなのですが、よく水を抜くという表現をします。癌性の場合は再貯留を繰り返すものなのでしょうか?癌細胞が水を吐き出しているのでしょうか?それとも癌による炎症が原因で腹膜から水がしみでるのでしょうか? 腹水の場合はダグラス部とモリソン部など、貯留する場所がそれぞれ違うみたいなのですが、体制を変えたら結局ダグラス(上立位時の最下)に水が移動すると思うのですが、違うのでしょうか?よろしくお願いします

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • pathology
  • ベストアンサー率55% (49/88)
回答No.2

腹水・胸水について、究極のメカニズムはまだわかっていません。性状によって滲出性・漏出性に分けられたりします。悪性腫瘍の播種による場合はたいてい滲出性です。 正常でも存在して、胸水なら肺、腹水なら腹腔内臓器(腸など)の潤滑油の働きをしていると考えられています。 産生が排出を上回ると、胸水貯留・腹水貯留という病的状態になります。 量の多寡は、メカニズムがわからないので何ともいえません。個体差もあり、そのときの病態にもよるのでしょう。 抗腫瘍剤が「効けば」、原因が取り除かれて正常化することもあります。「奏功する」という言葉は、医学界が定義した言葉なので、著効ならば消失、有効なら悪化していない、ということになり、奏功しても胸水・腹水が残っている症例もありえます。 治療によって貯留が解消しない場合、必要に応じて、穿刺して排出します。それを現場では「水を抜く」と表現します。 水の源は、おそらくリンパ液由来で、胸膜・腹膜から出ているものと考えられています。癌細胞自体が「水を吐き出す」ことはないでしょう。 胸水は、癒着がなければ、確かに体勢(体位)によってある程度は下へ流れます。 腹水については、立てば下へ、仰向けになれば背面へと流れるか、と言えばそんなことはありません。滲出性の腹水が貯留する患者さんならば、大抵癒着があります。癒着がなくても腹膜および、腸間膜などは結構複雑になっていて、簡単には水がすり抜けて流れてはいきません。仰臥位でCTを撮影すると、臓器の周りを巻くように腹水が観察されることも普通です。 海辺で広げたすごく大きなレジャーシートに、濡れたウキワやらおもちゃを入れたまま適当にくるんで片付け、水を切って片付けようとしても、どこかに水が挟まったままになることがあります。腹膜、腸間膜などは主として脂肪組織からなり、もっと柔らかくて水があちこちに溜まりやすい材質です。 胸水・腹水でなぞの現象として知られているのに、 Meigs syndromeというものがあります。基本的には卵巣線維腫という良性腫瘍(良性ですから、卵巣にとどまっていて、どこにも転移・播種していません)の患者さんに、量の多い胸水・腹水が見られ、腫瘍を単純に摘出すると速やかに消失するものです。悪性腫瘍のように腹膜炎を起こしているわけではなく、現象としては有名でも原理は不明です。

ingrratera
質問者

お礼

先生、なんどもご回答していただき感謝します。 メカニズムはよく解明されてないみたいですね 先生の例えのご説明で愚弄な私にも理解しやすいです! ありがとうございました! 臓器に水がへばりつく…という感じなんですね もしお時間が許されるならばこちらの謎も教えてください! http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1479000 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1475630

その他の回答 (1)

  • inoge
  • ベストアンサー率45% (510/1116)
回答No.1

えらくまた多数の質問がありますが消化器は専門外の医師の立場からお答えしてみます >この違いは一体どうしてなのですか? 炎症の個体差だと思います。同じ機序でも人によって必ず程度は異なります。 >癌性の場合は再貯留を繰り返すものなのでしょうか? 播種に至れば再発する可能性が高いでしょう。 >癌細胞が水を吐き出しているのでしょうか?それとも癌による炎症が原因で腹膜から水がしみでるのでしょうか? 後者です >腹水の場合はダグラス部とモリソン部など、貯留する場所がそれぞれ違うみたいなのですが、体制を変えたら結局ダグラス(上立位時の最下)に水が移動すると思うのですが、違うのでしょうか? 腹膜に癒着が無ければそのとおりです。

ingrratera
質問者

お礼

inoge先生にまたご回答を頂き光栄です。 腹水貯留の量は個人差があるみたいですね、 あと、癌性の場合は再貯留することが多いのですね

専門家に質問してみよう