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水の処理とトリハロメタン
水の処理で、水に含まれているアンモニアを取り除くために次亜塩素を加えるとあったのですが、トリハロメタンは発生するのですか? 本には、水中のマンガンを取り除くために塩素を入れるが、水中にアンモニアが混ざっているとアンモニアと先に反応してしまってマンガンが反応しないので、アンモニアを取り除く必要があると書いてありました。 もし、発生するのなら、何か取り除く方法はあるのですか?
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- h2o2
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アンモニアと次亜を反応させてもトリハロメタンは発生しません。トリハロメタンを発生させる条件としてはメタンとなる素材(炭素を含む有機物)が必要です。水の中にフミン物質類(腐葉土の一種)が含有しているとクロロホルムやトリハロメタンなどのVOC類が発生します。水道水にトリハロメタンが含まれる理由とされております。 処理方法について!(例) 最終処分場(埋立地)で発生する浸出廃水処理に於いてはCOD処理を行なう方法として次亜塩素酸を使用する場合があります。これは廃水にフミン質が多くCODの原因物質となっており、フミン質処理が目的です。フミン質は難分解性物質類なので、通常の方法では全く効果がありません。この為、次亜塩素酸で強制酸化処理を行ないます。一次反応として、クロロホルムやトリハロメタンに変化させ、二次処理として活性炭吸着処理を行ないます。(フミン質は活性炭吸着法では効果が無いので反応させて、吸着できる状態に前処理を行ないます。)しかし、この方法は処理コストが非常に掛かるので別の促進酸化法を勧めております。
- kei533
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塩素は水中で Cl2 + H2O ←→ HOCl + H+ + Cl- (1) HOCl ←→ H+ + OCl- (2) 溶存ガス(Cl2)、次亜塩素酸 (HOCl)、および次亜塩素酸イオン (OCl-) を遊離塩素と言い、pHで存在比率が変わります。水処理関係では残留塩素とも言います。 http://www.rr.iij4u.or.jp/~kohda/chemistry/tapwater-chlorine.htm もし、アンモニア(あるいはアミン)が存在すると遊離塩素と反応して(3)~(5)式のように結合塩素(クロラミン)をつくります。(5)式で生成したトリクロラミンは不安定で分解して酸化力を失います。これを不連続点塩素処理と言い、アンモニアが除去されます。 NH3 + Cl2 → NH2Cl + HCl (3) NH2Cl + Cl2 → NHCl2 + HCl (4) NHCl2 + Cl2 → NCl3 + HCl (5) http://www.asahi-net.or.jp/~kv6t-ymgc/05purification/raccoon_purification_cl-disinf.htm#不連続点塩素処理 http://www005.upp.so-net.ne.jp/wanatra/NW4/31chlorination1.htm http://www005.upp.so-net.ne.jp/wanatra/NW4/32chlorination2.htm http://www.tacmina.co.jp/oyakudati/tech_info/sakkin/1-4.html トリハロメタンは有機物が遊離塩素と反応してできるものであり、クロラミンの酸化力は低く生成しにくいと思います。質問 No.1372119 の「トリハロメタン ジクロロメタン」の回答No2をご覧ください。 マンガン(2価イオン)と遊離塩素と反応してMnOx(x=1.5~2)を作ります。 Mn+2 + Cl2 + 2H2O → MnO2 + 2HO (6) (6)の反応より(3)~(5)の反応が優先します。(3)(4)のクロラミンが存在する間は遊離塩素が消費され、不連続点を過ぎて初めて遊離塩素が残るようになり、(4)の反応が起こります。 1分子のアンモニアを分解するには3分子の塩素が必要で、アンモニアの濃度が高いと多量の塩素を加える必要があり処理費用が高くなる恐れがあります。低ければアンモニアを別の方法で除く必要なないでしょう。