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民法で「善意」・「悪意」?

法律初学者です。民法でよく「善意」・「悪意」と出てきますが、これは大まかに言うと「知らなかった」・「知っていた」ですよね。 ここで質問なんですが、その行為が問われる時、裁判になるんでしょうが、この善意・悪意って、どういう風に証明されるものなんでしょうか?勉強していてなかなかイメージがつきません。 質問自体、なんか自信ないのですが宜しくお願いします。

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noname#1455
noname#1455
回答No.3

 結論から言いますと、訴訟では、「間接事実の積み重ね」+「立証責任」によって決着をつけています。  民事訴訟法を勉強されないと、なかなか理解しにくいかもしれませんが、以下がご参考になれば幸いです。  民法96条2項は、「或人に対する意思表示に付き第三者が詐欺を行いたる場合に於ては相手方がその事実を知りたるときに限り其意思表示を取消すことを得」と規定しています。そこで、「Aが、甲に対して『乙所有の日本刀は徳川家康秘蔵の銘刀で、1億円の価値があるが、乙は金に困っていて、今なら1000万円で売るそうだ。お買い得だぜ。』と持ちかけ、甲もその気になって乙から本件刀を1000万円で購入したが、実は本件刀は偽物だった」という例を設定します。  この場合、甲が乙との売買契約を取り消すには、「乙がAの甲に対する欺罔行為を知っていたこと」という事実を甲が立証しなければならないと解釈されています。すなわち、証拠によっても裁判官が「乙は悪意だった」と確信できない場合は、「乙は善意だった」とみなして民法96条2項を適用します(甲の乙に対する売買契約の詐欺取消を理由とする代金返還請求は、棄却されるわけです。)。要は、立証できなければ負けるということで、これを、「甲に乙の悪意についての立証責任がある」といいます(立証責任は、当事者の一方のみに課されます。本事例では、「乙は乙で、自己の善意についての立証責任を負う」とはなりません。もしそうなら、乙が善意か悪意か分からない場合、裁判できないからです。)。  さて、実際の訴訟で、どうやって「乙の悪意」を甲が立証するかといいますと、乙が「自供」してくれない限り、乙の頭の中身を直接立証はできませんので、例えば、   ・ Aは、乙に800万円を貸していた。   ・ 乙は、甲との売買契約当時、資産が全くなかった。   ・ 甲乙の売買契約の前夜、Aと乙が一緒に酒を飲んでいた。   ・ 甲乙の売買契約の翌日、乙はAに800万円を返済した。 といった事実を、甲は立証します。こういう事実があれば、「Aは、乙に対する貸金を回収するため、乙とぐるになって今回の詐欺を働いた」と考えるのが合理的ですよね。こういう、「乙の悪意を推認させる事実」を間接事実(刑事事件では「状況証拠」ともいいます。)というわけです。

firenze
質問者

お礼

たくさん書いてくださいましてありがとうございます。よく分かりました。民事訴訟法というのもあるんですね・・・。これから大変そうです。。。。

その他の回答 (2)

  • knj9999
  • ベストアンサー率18% (29/156)
回答No.2

悪意を証明するのではないでしょうか。諸般の事情から状況を知っていた、または知っていたはず、知らなければならなかった、ということを証明する、というのが実務的でしょう。知らなかった、ということを証明するのは不可能ですから、立証責任はその人の「悪意」を証明して利益のある方にある、というのが当然でしょう。

firenze
質問者

お礼

「知らなかった、ということを証明するのは不可能」そうですよね。これは証明できません! ということは、knj9999のいう通り「知らなければならなかった」を証明するのか! なんか、そういう見方もできるんですね。ありがとうございました。

  • hanbo
  • ベストアンサー率34% (1527/4434)
回答No.1

民事裁判では、この善意・悪意が重要な判決の要素になります。善意を証明するのはケースによりますが、法律違反だと知っていて違反行為をするのと、知らないで違反をしてしまった場合や、大人が町内の子供を連れて遊びに行き、大人は十分子供たちを注意し監視していたにもかかわらず子供がけがをしてしまった場合と、大人は子供をそっちのけで昼寝をしていて子供がケガをした場合など、色々例はあります。  結局、その行為の心情が善か悪であったか、と言うことでしょうか。行為の状況を客観的に検証することで、善・悪の判断がなされることになります。加えて、民法では「故意・過失」の有無も重要な要素です。(民法709条参照)

firenze
質問者

お礼

確かに「故意・過失」って言葉もよく出てきますよね。頑張って少しずつでも法律に慣れていなかいと!! なんとなくわかりました。ありがとうございました。

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