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ダイオードの温度特性について
ダイオードは温度が高くなると、順方向電圧Vdが小さくなる特性を持ち、その傾きは-2mV/℃といわれています。 トランジスタ設計の本や関連HPを見るとダイオードの特性は下記の式になっていますが、 下記の値を入れて計算すると絶対温度Tが上昇するとVdも上昇する式になってしまいます。 どうしてでしょうか? Vd = ((K*T)/q)*ln(Id/Is) = 1.785e-3*T K:ボルツマン定数=1.38e-23[J/K] q:電子の電荷:=1.602e-19[c] Id:順方向電流=1e-3[A] Is:飽和電流=1e-14[A] T:絶対温度
- kawaki
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以下、Vd,Id の d は省略します、 (q*V/(k*T)) などは (qV/kT) と略記します、 温度Tは300Kとします。 >> トランジスタ設計の本や関連HPを見るとダイオードの特性は下記の式になっていますが、 Vd = ((K*T)/q)*ln(Id/Is) << ここはぜひ、その式の元の形である I = Is・exp(qV/kT) …(1) の式で覚えてください。半導体の理論は根底が exp(エネルギ/熱エネルギ) という関数から出発してるので、この形で慣れておけば 将来ともお得です。 で、 Is 自体も exp(-Eg/kT) 的な電流です。 Egはシリコンのバンドギャップエネルギ、kTは温度Tの熱エネルギです。 Is の成分の詳細説明は専門書にゆずるとして、大局的には Is = A・exp(-Eg/kT) …(2) と書けます。 係数 A は今は定数とします。(2)を(1)に入れると、 I = A・exp(-Eg/kT)・exp(qV/kT) …(3) 両辺をAで割って 両辺を対数取って V=の形にすると、 V = (1/q){ kT・ln(I/A)+Eg } …(4) あなたが載せたVdの式より 少し詳しく求まりました。 さて、 温度係数の定義は 『Tだけが変化する』 です。そのとき I は(何らかの手段で)一定に保たれてるとします。すると(4)式はT以外すべて定数となるので単純に微分できて、 ∂V/∂T = (1/q)k・ln(I/A) …(5) これが疑問への答です。これに(3)式を入れると、 ∂V/∂T = (1/T){ V-Eg/q } …(6) 温度とバンドギャップと電子電荷だけの式になりました。Eg/q は次元が電圧で、バンドギャップ電圧と呼ばれたりします、その値はシリコンで約 1.11[V] です、この機会に暗記しましょう。(6)式を言葉で書くと 温度係数=(順電圧-1.11 )÷温度 …(7) 温度300k,順電圧 0.65V のとき、-1.5 mV/K ほど。 温度300k,順電圧 0.51V のとき、-2 mV/K ほど。 変動は、電流が小さいほど(=順電圧が小さいほど)□□く、高温ほど□□いんですね。このように 使用温度、使用電流、品種、製造ロットによって変わるものなのだ、と覚えてください。 余談; 詳しく言えば切りがないのですが、 Egそのものも温度Tの関数です。係数Aは回路シミュレータでは温度の3乗がよく使われます。SI単位系に慣れましょう。 それから、他人が書いた式を眺めてるだけでは自分の力が付きません、ぜひ式変形を自分の手で最後までやってみましょう。
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- imoriimori
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私も首を傾げたことがあります。 無意識のうちに飽和電流を定数として扱ってしまいますが、温度で大きく変わります。 順方向電圧の温度依存性は飽和電流の温度依存性のほうがより支配的です。 高温では飽和電流大なので、同じ順方向電流なら順方向電圧小ということになります。
お礼
アドバイスありがとうございました。
- Piazzolla
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時間がなくて、いい加減な説明になってしまいますが、 Vd = ((K*T)/q)*ln(Id/Is) この式は、ある温度における電流と電圧の関係を表したものです。つまり、温度Tの関数ではありません。温度Tも定数として考えています。順方向電流Idを1e-3[A]と定数にしていますが、通常VdとIdの関数です。 温度依存性を示す式があると思いますので、調べてみてください。 図だけならここのURLにありました。
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