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責任能力って何なんですか?

Shouhitaishakuの回答

回答No.8

>同じ病気にかかった人が、全員人を殺したりするわけじゃないのだから 表現が悪かったです。すみませんでした。 確かにその通りですし、それは病気にかかった人だけじゃなくてすべての人間に言えることですね。 ただ病気にかかった人と普通の人でちがいはないのかというのが私と質問者の考え方の違いなのです。 普通の人(責任能力のある人)ならば、その犯罪行為をするかしないかを自由に決定できます(こういう見解を非決定説ということがあります)。 このように「他の行為が出来たのにもかかわらずあえてその犯罪行為をした」ということに非難の根拠を見出しそれが刑法に言う責任の本質であるといえます。 例えば、現行法では故意犯(自分が犯罪行為をすることを認識・容認して行ったこと)と 過失犯(自分が犯罪行為をすることを認識・容認しておらず、しかしその行為を予見し回避すべきであったこと)の区別があります。 そして原則は故意犯しか処罰されません。重大な法益(法律で保護している利益)についてのみ過失犯が処罰されています。 また過失犯については故意犯より一般的に法定刑が軽いです。 例えば、殺人罪は殺すことを認識容認して行う(殺意がある)ことが必要な故意犯です。 人を殺すことはあきらかに犯罪行為ですし、これを認識していたわけですから殺さない選択も出来たわけです。 しかし殺すことを容認してやってしまった。さきほどいった「他の行為が出来たのにもかかわらずあえてその犯罪行為をした」ということになります。 だからこそ刑法上非難されるべきであり故意犯が原則的に処罰されるわけです。 しかし過失犯である過失致死罪は、殺人罪同様に人の生命を保護法益としながらもかなり軽い法定刑にとどまっています。 過失犯の場合には自分の行為が人を殺す結果になることを認識していません。 なので「他の行為が出来たのにもかかわらずあえてその犯罪行為をした」ということをそのままではいえないことになります。 しかし、少なくとも事前に結果が予見できたはずなのにそれを怠っていたのだから、予見をしなかったことについては非難できます。これが過失です。 なので過失犯は故意犯と同じレベルの非難はできないものの、処罰を正当化できるレベルの非難を認める予知はあるといったものになります。 このような理屈から、刑法は故意犯を原則処罰し、過失犯は一定の需要な保護法益についてのみ処罰しています。 上述の理屈は責任能力についてもいえます。 心神喪失状態は弁識能力・制御能力を欠いているので、他の行為をしたくてもできなかったことになります。 なので刑法上非難をできません。 こういった私の主張に対して質問者は、「やったことはやったことでしょ?」とおっしゃるわけですが、 それでは過失犯すらも「やったことはやったことでしょ?」となりませんか? 被害者が死亡したという結果からすれば、故意の殺人だろうが、過失の過失致死だろうが、責任無能力者の行為の結果だろうがみな同じだということになりませんか? それに対しての私(そして私の知る限りでの刑法およびその理論)の回答は以上のようになります。 以下は私個人の信条について表明しておきます。 私は個人としても結果責任で人間を処罰することに躊躇します。 たしかにたとえ過失であっても、責任無能力でも、家族がそれによって死んだならば、私は憤りを覚えるでしょう。 しかし私は、殺された場合と同じように私が憤るとは思いません。 家族が故意に殺された場合には、私も「犯人を死刑にすべきだ」というくらいに非難することが分かるからです。 それは、逆に過失や責任無能力のときにはそうは思わないだろうこととあわせて考えると、やはり結果責任で人間を処罰することに躊躇せざるを得ません。

noname#17700
質問者

お礼

とても丁寧な説明、本当にありがとうございました。 だいぶ、書いていただいた内容を納得できました。 過失致死の例えは、とてもわかりやすかったです。 私が始めに書いた「責任能力がなかったとしても、やったことはやったこと」っていうのは、過失致死罪の理解に近いような気がします。 >過失犯の場合には自分の行為が人を殺す結果になることを認識していません。 これは、「心神喪失」や「心神耗弱」にあてはまる人にも言えることではないですか? それとも、心神喪失や心神耗弱にあたる人は、刑に服していても、それも理解できないから、する必要がない、ということですか?だから病院に行くと? 心神喪失と心神耗弱の違いも、よくわからないのですが、どうなんでしょう? しつこくてごめんなさい。でも、Shouhitaishakuさんの説明のおかげで、少し頭が冷静になってきています。ありがとうございます。 もし、もう少しお付き合い願えたら幸いです。

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