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国立の女子大って男性差別で違憲じゃない?
税金をたくさん投入している公の機関である国立の女子大が男性を一切受け入れないって男性差別で違憲にならないんでしょうか? 相撲で女性が土俵に上がれないことや宝塚に男性が出れないことは文化的な側面があること、民間団体のやってることとして理解できます。 しかし教育を行う国立機関が性差別をすることには疑問を感じます。 たとえば「来年から東大は一切女性を入れない」と言い出したら大問題になると思うんですが。 「女性が教育を受ける機会をふやそう」という設立当初の役割は現代ではすでに終わっていると思います。 できれば憲法を真剣に勉強したことのある方の意見も伺いたいです。
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はっきり言って違憲だと思います。 少なくとも、アメリカでは州立の女子大に男子学生を入学させないのは違憲だという最高裁判決が、1982年に出ているようです(MISSISSIPPI UNIVERSITY FOR WOMEN ET AL. v. HOGAN) 日本でも、御茶の水や奈良女子大に入りたいという男子学生が裁判を起こせば、勝てる可能性が高いのではないかと思います。 もっとも、そういう男子学生が本当にいるかという点は、私としても若干疑問です。 アメリカの裁判は、看護学校で看護の学位をとりたかった看護師さんが起こしたもので、入学したかった動機が割と分かりやすいのですが、男子学生が御茶の水や奈良女子大に入りたい理由となると、ちょっと想像しずらい気もします。 どうせ女子大に入りたいという男はいないのだから、別に問題ないだろうということなのかもしれません。
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この場合は国立の男子大学は無いのに国立の女子大学だけはあるので他の方もおっしゃるように積極的是正措置(アファーマティブ・アクション)による逆差別として14条1項後段事由の「性別」に基づく差別となり、原則として「違憲性の推定」が働くので違憲かどうかが問題になると思います。 そもそもこのような国立の女子大学ができた理由・目的は、当時の国立大学は男子であることが入学資格であったので、その不平等を積極的に是正、つまりは女子大学を作り国立大学を目指している女子学生を確保・保護しようとしようとしたからであると思います。 確かに当時ではその必要性が高かったと思います。しかし、このような性差別は原則違憲と推定されるのですからそれを覆すような合理的事由・正当な理由がなければなりません。 ではそのような合理的理由があるかどうかですが、今日では国立の女子大学を除くすべての国立大が男女共学となっています。また、性別による入学定員の違いもなかったと思います。とすれば、今日に至ってはもはや女子大学生を確保・保護する目的は失われたといえ女子のみを優遇する合理的理由は無いといっていいでしょう。 よって、女子のみをその入学資格としている国立大学は合理的理由も、また正当な理由もなく男子を差別しているといえ14条1項に反し違憲であると思います。 実際、最高裁がどう判断するか見てみたいですね。下級審レベルではともかく最高裁は厳格な合理性の基準なんかを使っておそらく合憲というかもしれませんね。 ちなみにある現職の裁判官は違憲であると密かに言っているらしいですが・・・(真偽不明)。
お礼
>ちなみにある現職の裁判官は違憲であると密かに言っている そうなんですか! やっぱり法律のプロにも違憲と考える人がいるんですね。 ただ最高裁は事なかれ主義的裁判が多いので微妙ですね。 ありがとうございました。
- guramezo
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#2です。ご質問者と見解が異なる点がありますので、再度回答の補足をさせてください。 >差別的なことができるかどうかに関し、国家と国民の間より私人間のほうが裁量が大きいはずでした ⇒私人間の差別的行為の方が「裁量が大きい」=「容認されやすい」ということでしょうか? もしその意味であれば、「私人間の差別的行為より、国家の差別的行為の方が、社会に与える影響度は、計り知れないくらい大きく、又、権力による抑圧の手段として使われやすいので、私人間に比べて、より強く制限する必要がある」ということでしょう。 >アメリカのアファーマティブ・アクションと同じ発想 ⇒です。 理由は、下記による物ですが、散々差別をしておいて、少し権利を与え始めるとすぐに「逆の平等」を主張するのは「喉もと過ぎれば熱さを忘れ」ですね。 >国会議員に女性が少ないのは男性や社会のせいではありません。 ⇒男性や社会のせいが大きいと思います。 権利が保障されているのと、権利を行使できる状況が整えられているのとは、別の問題です。 これについては背景が多すぎて書ききれませんが、項目だけ挙げれば、(女性=家庭の観念)(企業内の評価差別→社会的活動の制限)(夫による妻の行動抑制)などなど・・・ >女性だって立候補したければ自由にできるのですがそもそも立候補者が少ないのです ⇒前記の理由によるものです。 「自由を与えているのに、権利を行使しない」というのが男性の、社会の発想。与えた権利を行使する環境作りを怠ってはいけないと思います。勿論、棚からぼた餅ではないので、権利を行使する側の努力不足、認識不足もありますが。 市会議員への立候補も、多いとはとてもいえないと思います。当選者のデータ(立候補比率も大差ないと思います)ですが、女性は7.6%で、国会議員と変らないですから。 付け加えて、国家公務員になると、9級以上はたった1%です! >野心的で(経済的にも)男性に頼らない志の高い女性がもっと増えて欲しい ⇒そうですね。 ただ、「志の高い」人は、男女問わず「政治の世界」には行かなくなっていますね。 今の政治の世界には、全く魅力がありませんので、「人材不足」に陥っている、最悪の状態と思います。 >歌舞伎に女性が出れないのは歴史的には男尊女卑の発想から ⇒テーマと離れてしまいますので、詳しくは述べませんが、「政権=幕府」の抑制に対して、演じ方を変えていった(遊女~若衆~野郎)ので、歌舞伎側に「男尊女卑」の発想があったわけではなく、女性を出れなくした抑圧自体も、男女差別からではなく、売春の取締りが目的です。
お礼
ありがとうございました。
- teinen
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法学部の憲法のゼミで時折取り上げられるテーマですね。 女性だけしか受け入れないのは,法の下の平等を謳った憲法第14条に反するという意見もあれば,そもそも女性の進学率が低いため,より多く女性が進学しやすいように女性だけの学校を設けることによって,平等の社会が実現できるので,違憲ではないという意見もあります。 概ね,後者の考えが支持されているようです。 >たとえば「来年から東大は一切女性を入れない」と言い出したら大問題になると思うんですが。 そりゃ大問題になるでしょう。東大の入学定員すべてを男性のみに充てるのは,合理的理由がありませんからね。 >「女性が教育を受ける機会をふやそう」という設立当初の役割は現代ではすでに終わっていると思います。 そうでしょうか。今日においても,男性より女性の進学率が低いのが現状です。 私立の女子高校や女子大学が男女共学化しているのは,少子化が進んでいて,生徒や学生の減少で学校経営が苦しくなっているので,進学率の高い男性を受け入れようとしているのですから。 誠に申し訳ありませんが,私の専門は民法で,憲法ではありませんので,悪しからずご了承ください。
お礼
ありがとうございました。 女性の大学進学率が低いのはそもそも大学入学を希望する女性が男性に比べ少ないからです。 「大学に行きたい」と思えば女性のほうが行けているのが実情です。
- guramezo
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憲法 (第14条) すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 (第23条) 学問の自由は、これを保障する。 (1)国立機関が性差別をすること ⇒ご質問に対する回答としては、順番が逆になりますが、まずご説明したい点として取り上げます。 第14条は、「国家」が差別しないだけでなく、「国民互い」に、差別しないということを意味しています。 従って、民間だからいいとか、国立だからダメとかいうことではありません。 税金云々のことを言いますと、むしろ、国家が教育に関与しすぎる=国家権力による国民の自由制限ともなりがちで、国立機関への関与には、国家(特に政府)自体が充分注意して自制する必要があるでしょう。 (2)女子(しか入れない)大は、違憲か ⇒(第14条)の、「政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」というのは、平等に機会を与えられる、ということです。 (第23条)の「学問の自由は、これを保障」ということと併せて、学問を受ける権利が、平等に与えられているということで、日本に女子大しかないのであれば「違憲状態」ですが、そうではありませんので、違憲とはなりません。 「来年から東大は一切女性を入れないと言い出したら大問題」、というより、「来年からすべての大学は一切女性を入れないと言い出したら、大々問題」ということです。 この「大々問題」は、実は実際にあったことで、女子大も共学もなかった時代は、今の憲法からすれば、とんでもない「違憲状態」だったわけですね。 (3)相撲で女性が土俵に上がれないことや宝塚に男性が出れないことは文化的な側面があること ⇒相撲については、私は「違憲」と思います。文化的な側面や、伝統とか言われますが、そういった考え方の元には、古来の「男尊女卑」思想があるから「文化」や「伝統」になっているわけで、本末転倒の「言い訳」と思います。 宝塚については違うと思います。「女性で全て(男性役も)を演じることが目的ですから、男性を登場させたら、それは普通の「演劇」になるからです。 この逆が「歌舞伎」です。 それぞれ、異性を演じることに意味を持たせている芸術ですから。 (4)「女性が教育を受ける機会をふやそう」という設立当初の役割は現代ではすでに終わっている ⇒女子大の創設の理念は、「機会を増やす」ことではなく、充分な教育が受けられなかった女性が、社会的に低く扱われていることを女性自ら高度な教育を受けて是正しよう、ということと思います。 最初の女子大は、国立ではありませんし、女子大の発展は民間によるものです。 総じて、大学のことばかりでなく、まだまだ「社会的な女性差別」が解消されているとは思いません。 国家が本気で考えるならば、公務員の管理職や、国会議員が、男女同数になっているはずです。 つまり、「男女平等」は、憲法にうたわれていますが、まだまだ「建て前」に終わっているのも現実です。 女性に「肩入れ」や「有利な条件」は、「建て前」を「実情」に持っていく重要な手段ですから、大事にすべきと思います。 憲法が専門ではありませんが、国民の一員として、このように考えました。
お礼
詳細なご回答ありがとうございまいた。 >第14条は、「国家」が差別しないだけでなく、「国民互い」に、差別しないということを意味しています。 昔、少し憲法をかじったのですが、差別的なことができるかどうかに関し、国家と国民の間より私人間のほうが裁量が大きいはずでした。 >女性に「肩入れ」や「有利な条件」は、「建て前」を「実情」に持っていく重要な手段ですから、大事にすべきと思います。 アメリカのアファーマティブ・アクションと同じ発想ですね。 あちらはマイノリティーを積極的に大学などに合格させようというものですが。 ただし最近ではこういう考えに疑問を持つ人がアメリカでも増えています。 ところで国会議員に女性が少ないのは男性や社会のせいではありません。 女性だって立候補したければ自由にできるのですがそもそも立候補者が少ないのです(身近な問題を扱う市議会議員に立候補する人は多いですが)。 個人的には野心的で(経済的にも)男性に頼らない志の高い女性がもっと増えて欲しいです。 ちなみに歌舞伎に女性が出れないのは歴史的には男尊女卑の発想からです。
- utama
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現在、国立大学の入学定員は 約96000人です。内、女子大の定員は、お茶の水、奈良女子大がそれぞれ約500人で計1000人です。 他方、男女別大学進学者数については、公・私立も含みますが、男子が約33万人、女子は24万人です。国立の入学定員96000人を100%として、男女比が全体と同じとすれば、男子55600人、女子40400人となり、男女の大学進学者数について、5200人の差があると推定されます。国立大学の入学者について男女比の資料があるといいのですが、まあ、こんなものでしょう。 男女の大学進学者数に明らかな格差がある一方、女性優遇といっても、全定員の1%強を優遇しているに過ぎないのですから、不合理な差別とはいえないと思います。
お礼
ありがとうございました。 >男女の大学進学者数に明らかな格差がある一方 これはそもそも男性のほうが受験者数が多い結果だと思います。 女性のほうが合格率は高いので。 >全定員の1%強を優遇しているに過ぎない 許容性があるから合憲というご意見ですね。 具体的な数字を出していただいたので参考になりました。
お礼
アメリカの判例は知りませんでした。 ありがとうございました。