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親の扶養義務について
長兄と母親が母所有の土地を担保にお金を借り、共有名義で長兄の自宅購入をしましたが、返済が滞り自己破産しました。その間に母が要介護となり、母の面倒を兄弟間で看ることになりましたが、自己破産した長兄に対して引取扶養義務もしくは金銭扶養義務を求めることは可能でしょうか?本で調べる限り、不動産等の優遇を親から受けている者は他の兄弟よりもその優遇に応じただけの扶養義務があるように書かれていますが、自己破産した長兄に対しても同様の事が言えるのでしょうか?よろしくお願いします。
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結論から言いますと、自己破産して自己の生活を支えることもやっとの状況にある人に対して、それ以上の負担を強いることはできないものと考えられます。 扶養に関しては、民法第六章(877~881条)に規定があります。 直系血族、兄弟姉妹は互いに扶養する義務があります(民法877条1項)が、「扶養すべき者の順位〔兄弟間の誰が優先して看るべきか〕(民法878条)」や、「扶養の程度や方法(民法879条)」については、まず当事者の協議によってこれを決め、協議によって決まらないときや、協議ができないときは、家庭裁判所が調停を行い、それでも決まらない場合には、扶養権利者(お母様)の需要と扶養義務者の資力その他の事情一切を考慮して、家庭裁判所の『審判』によって、義務者達に一定の扶養を命ずることになります(民法877~879条、家事審判法9条1項乙類8号、家事審判規則94~98条)。 お兄様は、扶養義務者(民法877条1項)であり、親から財産も得ているわけですから、通常であるならば、他の子供に比べて扶養義務の程度は高いと考えられます。 しかし、それはあくまでもお兄様の生活が安定し、他のお子さん達との生活レベルも同等と考えられる生活を送っている場合の話です。 基本的には、親は、自己の生活レベルを犠牲にしても子供を扶養する義務があるものと考えられておりますが、それ以外の関係の場合、今回のように、子が親の面倒を看るというような場合には、まず、子自身の生活を安定させることが前提で、その上で、余力をもって親の面倒を看るものと考えられております。 ですから、子供達全員が親の面倒を看ることもできないほどに困窮しているような場合には、それ以前に親からどれほどの生活上の援助を受けていたとしても扶養義務者とはされず、それ以外の、お母様から見て姻族を含む3親等内の親族のどなたかに、その扶養義務を負わせることもあり得ます(民法877条2項)。 実際の生活ができない者に対して、それ以上の負担を強いたとしても、扶養してもらう者と扶養する者の両方を、結局は、一家心中にまで追い込むようなことにもなりかねないことを考えると、お分かりいただけるのではないかと思います。 blessingさんとしては、何か割り切れない気持ちが残るものと思いますが、何とか残りのご兄弟で協力し合って、お母様の介護という、この難局を乗り切って下さい。 そして、長兄の方の生活が安定してきた場合には、その時こそ、それ相応の負担を負ってもらうようになされれば宜しいのです。 この場合には、それ以前に家庭裁判所によって他の者おを扶養義務者とする審判を受けていたとしても、審判の変更や取消をすることができます(民法880条)。 以上、ご参考まで。
お礼
ご回答頂き、感謝いたします。 『やっぱり・・・』という気持ちですし、それでも割り切れないものが残るのも正直なところです。ただ家族それぞれがよい方向へ進んでゆけるように頑張っていこうと思っています。また何かありましたときに、助言を頂けるとありがたいです。また、このようなサイトを開設してくださったスタッフの方にも感謝します。