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戦闘機とゴムボート
第二次世界大戦において、アメリカの戦闘機F6Fには、海面に着水した時に使用する折りたたみ式のゴムボート一式が積まれていたそうで、パイロットの生命を軽視する日本とは対象的だなと思いました。そこで質問ですが、今の航空自衛隊の戦闘機にもゴムボートは積まれているのでしょうか?
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現代の戦闘機において「戦闘機で着水」というのはあり得ないので、戦闘機にゴムボートを積んでも正直意味はないと思います。 ジェット戦闘機の場合は、座席ごとロケットで射出されてパラシュートで降下するのが普通です。仮に戦闘機が時速600キロで飛行していた場合、1秒で200メートルくらい進むわけですから、パイロットが着水した頃には戦闘機は少なくとも何キロも先にあるのは間違いありません。 太平洋戦争当時の米軍はパイロットの救出、回収に力を入れていました。ただそのためには「飛行機にゴムボートを積む」だけでは意味がありません。ゴムボートで島まで漕いでくるわけではないからです。 太平洋戦争当時は、米軍は飛行艇と潜水艦を使ってパイロットを救出しました。まず救出するための十分な数の飛行艇と潜水艦が必要です。 それに加えて、一番重要なのは「無線機」の存在です。どこに墜落したのかが分からないと救出しに行けないからです。しかもその無線機は塩水を多少かぶってもちゃんと作動するように防水処理もされていないといけません。 日本空軍(海軍と陸軍の航空隊を総称して空軍と呼びます)のネックは、そこでした。そこだけじゃなくて「飛行機が頑丈じゃない」という問題もあったんだけど、今回それはさておき。 当時の日本は信頼できる無線機を作ることができなかったのです。モールス信号で打電するくらいでした。音声で誘導できなかったのです。無線機がなければ救出も不可能です。 しかし日本空軍も人命軽視だったのは主に海軍の問題でした。意外に思うかもしれませんが、陸軍航空隊は人名重視だったのです。 陸軍機って海軍機に比べると地味で、とりわけよくいわれるのは「航続距離が短い」と「爆弾搭載量が少ない」ですよね。足が短くて爆弾も沢山積めないから「使えない」とされました。 だけど陸軍機の航続距離が短くて爆弾搭載量が少なかったのは、防弾処置が施されていたからです。なので機体は重くなり航続距離も短くなり積める爆弾の量も少なかったのです。 そもそも陸軍の場合はそんなに遠路はるばる飛ぶ考えはなく、短い距離を何度も往復して爆撃することを想定していました。 だけどそれは太平洋戦線では「想定外」の状況だったのです。陸軍は中国大陸かソ連(ロシア)と戦うことを想定していましたからね。「アメリカと太平洋で戦うのは海軍の仕事」だったのです。 なので航続力に劣る陸軍機は太平洋戦線では出番がありませんでした。艦船攻撃も想定していなかったので雷撃もしませんでしたし、艦船攻撃を想定した爆撃機もありませんでした。 陸軍の九九式襲撃機は海軍の九九式艦爆に似ていて「隠れた傑作機」ともいわれますが、襲撃機のほうが隠れていたのは太平洋戦線では出番がなかったからです。
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- NOMED
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救命浮舟(JC-2B改)が積まれているそうです http://kampfgebiet.server-shared.com/index_militar_jsdf-107-03.html https://blog.goo.ne.jp/yoshi0749/e/b8c1beb19c60b6b16aab1f0b79c603e6
お礼
やはり、アメリカ製の戦闘機である以上、積んであるんですね。なるほど。ありがとうございました。
お礼
陸軍は、暗号だけではなく、飛行機も優れていたんですね。なるほど。今までそこそこの空戦記を読んできて、パイロットが海に不時着した時の悲惨な状況を読んで来ましたので、アメリカのゴムボートは意外でしたね。ただ、いくらゴムボートがあっても、すぐには乗り移れなかったようで、零戦が去ってから2時間もしてから乗り移ったというのを最近の本で読みました。従って、その間にサメに襲われればせっかくのゴムボートも役たたずに終わる可能性もあったと思います。事実、大空のサムライには、4人の米兵が零戦の攻撃を避けて海中でゴムボートの端を持って浮かんでいたら、次々に米兵が海中に引きずり込まれる様子を零戦パイロットの坂井三郎が見ていた、という記述があり、サメの餌食になるなんて、何と惨いことだろう、と敵兵ながら思った事があります(1人だけゴムボートに乗り移れたようで、その人間にはさすがに坂井さんは攻撃しなかったそうです)。いずれにしても、アメリカの方が一枚上手だ、というのを感じたエピソードでした。ありがとうございました。