以下のとおりお答えします。
>英作文は練習しようにも自己採点がなかなか難しく、かといって先生に毎日何十問も答え合わせしてもらうのもできません。暗記だけでは対応しきれない英語の問題はどのように勉強すれば良いですか?
⇒なるほど、我々「非ネイティブ」にとって英作文の練習は方法に事欠く、泣き所ですね。
一般に、英語に限らず、学習する「外国語の作文は、その言語のネイティブの表現を真似しろ」と言われます。身近にあって、なるべくネイティブの表現そのもの、ないしそれに近いものは何か。それにはおそらく、教科書類の用例やリーダー用教材がいいでしょう。しかも、それなら基本文として真似るにふさわしいものに違いありません。通常、教材にある英文は訳すことができればそれでよしとされますが、ここでは、それで終らず「もう一つ応用のステップを付け加える」のです。つまり、「その訳文を今度は英作文の問題文に見立てて、それを英訳してみる」という練習をするわけです。
次のような手順をお勧めします。
①まずは原文を見ずに、訳文から正確に原文へ戻る、原文を思い出して言うことができるようになるための練習をする。
②置き換え練習(Substitution)の要領で、文型の主要素である主語・動詞・目的語・補語などをいろいろに置き換えてみる。例えば、主語だけでも、名詞、名詞句、名詞節、代名詞、名詞的用法の不定詞、動名詞、定冠詞+形容詞(=抽象名詞・複数名詞)などであり得るわけですから、置き換えによる応用拡大文の演習はほとんど際限がありません。簡単な一例を見てみましょう。
例:It is true.→What he said is true.「彼の言ったことは本当だ」。I saw her.→I saw her dance / dancing.「私は彼女が踊るのを/踊っているのを見た」。
③原文に対して、各種の修飾語句を付け加えてみる。形容詞的修飾語句と副詞的修飾語句とがあり、それぞれ語・句・節のレベルに応用できる。
例:The fire is a force of nature.→The fire is the first big force of nature that man brought under control.「火は人間が制御した最初の大きな自然の力であった。」
④文の種類をいろいろに変えてみる。平叙文から、疑問文、否定文、付加疑問文、間接疑問文、修辞疑問文、命令文、願望文などに応用が拡大できます。
例:We know the fact.→You didn’t know the fact, did you?「その事実、君は知らなかったよね?」。He is ambitious. / He is an ambitious boy.「彼は覇気のある少年だ」。→Boys, be ambitious.「少年よ、大志を抱け」。Work hard, and you will succeed.「一生懸命働け、そうすれば成功するだろう。」→Ask, and it will be given to you.「求めよ、さらば与えられん」。
⑤上記の置き換え練習の要素を様々に含んだ英作文の問題を考えて自問自答する。
例:I don’t know what he said would be true or not.「彼の言ったことが本当かどうか私は知らない」。We saw all members of the dramatic company dance except a girl, who has hurt her leg in the traffic accident in which many have been injured.「我々は、一人の少女を除いて劇団員の全員が踊るのを見たが、その少女は、大勢が負傷した交通事故で脚を怪我した」。
⑥上に見たような訳文を別記して、それを「和文英訳の問題文と見立てて」英訳を試みる。(なるべく原文を参照せずにやってみる。)さらに進めては、「自前・自作の応用英作問題」を考えてみる、などの展開が可能でしょう。ともかく、「必ずネイティブの表現文を基本にして、それを真似たり拡大応用したりする」手法で学習することが、お勧めのポイントです。
お礼