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貧乏人の子沢山。

コトバンクによれば、 人情本・仮名文章娘節用(1831‐34)に「貧乏人の子沢山をうらやむ」という使用例があるそうです。 幕末、この本の作者は「貧乏人の子沢山」と聞いたのか、見たのか知りませんが、そう感じたのでしょう。 あるいは、表現として面白いので、「貧乏人の子沢山をうらやむ」と書いたのかもしれません。 質問です。 江戸時代、明治大正時代のころ、「貧乏人の子沢山」を裏付けできるような資料はありますか。 よろしくお願いいたします。

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回答No.4

質問者が例示された『小三金五郎仮名文章娘節用』の当該記述の部分には… "人のほしがる金銀が 有り餘るほどの大家には 子を欲がるほど子が出来ず 貧乏人の子沢山を うらやむといふことだから 金銀づくにも換られぬは 金ぼうといふアノ大事の子宝" ~とあり。意訳解釈すれば「人の幸せは子宝に恵まれる事こそが一番であり、それが無ければ幾らお金を持っていても虚しい」となります。 江戸時代の初期頃には成立していたとされる『いろはかるた』の中に "り" の句として「律義者の子沢山(りちぎもののこだくさん)」というモノがあり、当時は「律義者は真面目に働き浮気などしないので、夫婦仲も良く子宝に恵まれて幸せな老後を迎える」という様な意味合いで、現代の解釈とはかなり異なった良い意味合いが主でした。 幕末に生まれ明治から昭和にかけて活動した文筆家である幸田露伴の随筆集の1つ『東西伊呂波短歌評釈』の中でも「律義者の子沢山」を解釈して「東は花柳に沈湎せざるもののおのづからにして真福多く天佑有るを云ひ、西は帝王の言の出でゝ反らざることを云へり」と評釈をしていますので、少なくとも明治時代の時点では子沢山という事にネガティブなニュアンスは一切、無い様に思えます。 しかしながら昭和初期の小説家である坂口安吾の『明治開化 安吾捕物 その八 時計館の秘密』の中では「貧乏人の子ダクサンとは貧民窟に於てこれを如実に見ることができる」という記述があり、明示的では無いものの描写に「子供が多いから貧乏なのだ」というネガティブなニュアンスが汲み取れるかと思います。この用法はだいぶ現代の用例に近い感じがしますね。 P.S. 因みに現実には「貧乏人の子沢山」という現象は有り得ない矛盾した慣用句であり、実際にはあらゆる医学的化学的データから「富裕層だけが子沢山」という厳しい現実が浮き彫りになっています。 - "1943年~1975年生まれの日本人の収入と教育による傾向と分析": https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0266835 要するに政治を司る支配階級とそれらに近しい富裕層の人々が、より恒久的に今後も肥え太り続けるために税制と社会制度を自分達にとって都合の良い状態に維持し続けるための方便として、自分達が加担している現行制度への不満や疑問を婉曲的に回避させるための効果的なプロパンガとして使われ続けているのだと思われます。 このプロパンガにより、現代社会の大多数派を占める中産階級以下の貧困層への公助(公的支援)が充実していない事への批判を逸らさせ、逆に「貧乏人の子沢山であるから自己責任である」という歪んだ認知に基づく世論を形成させるために積極的に使われている事は明らかです。 また同じ様に「下町のガキ大将」も現代社会では幻想であり、貧困層家庭の子弟は栄養状態が良くないため、知能は元より身体の発育も著しく富裕層の子弟に比べて劣っている事が統計的データによって明らかになっています。 - "なぜ富裕層の子は下町の子より運動能力が高いのか?": https://president.jp/articles/-/17395 余談になりますが "世界のクロサワ" として国内外に有名な映画監督の黒澤明(1910年生~1998年没)は、昭和5年の20歳の時に徴兵検査を受けていますが、その際に「虚弱体質」が理由で不合格とされその後は一切の兵役義務が免除されそのまま終戦を迎えています。 が、これは知ってる人には有名な話ですが、当時の黒澤青年は身長180cmの偉丈夫で険道三段の猛者でした。はい、少し考えればおかしい事が分かりますね。これも公然の秘密ですが、黒澤明の実父であった黒澤勇は陸軍士官学校の教官を努めていた事があり、その縁で当時の旧日本軍内部の将校たちの中にはかなりの数の彼の教え子らが居た訳です。つまりは「そういう事」だった訳です。

kouki-koureisya
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 よく分かりました。 「貧乏人の子沢山をうらやむ」の文言が、どんな場面で使われているのか、調べようと思っていましたが、できませんでした。 此度、詳しく教えてくださったので、前後の文脈から作者が言わんとしている意図が伝わってきて、すっきりしました。 おかげ様で疑問は解消しました。 >因みに現実には「貧乏人の子沢山」という現象は有り得ない矛盾した慣用句であり、・・・ 江戸時代でもそのとおりだったと思います。 「間引き」をしていたことが何よりの証拠です。 黒澤明の兵役忌避の話は知りませんでしたが、似たような例は何かで読んだ気がします。

その他の回答 (3)

  • kaitara1
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回答No.3

少しずれますが、イギリスの貴族の家系で現在消えてしまったものがたくさんあるそうです。婚姻の相手が多産系だと財産が細分化されるのでなるべく少産系の相手が選ばれたことが原因だという事です。分ける財産がない家ではそういう心配がないということかなと思いました。

kouki-koureisya
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 そうですか!そういうこともあるのですね。 こういった話を聞けるだけでも質問した甲斐がありました。

  • takochann2
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回答No.2

 貧しいと労働力として子だくさんになるのは世界の常識です。近世日本でも貴族武士階級などの知識層は出生率は低かったと太古の昔に習ったような・・・。  今は自民党の子供に厳しい政策で、子だくさんは貧乏になります。近世日本とは因果が逆なのが興味深い?

kouki-koureisya
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 「近世日本でも貴族武士階級などの知識層は出生率は低かった」ようなのですね。

noname#259815
noname#259815
回答No.1

「貧乏人の子沢山」 裏付ける具体的な資料はないが WEBLIO辞書によると (元来の意味)貧乏人は、遊ぶ金もなく子作りに励むくらいしかないので、結果として、子沢山の幸せな家庭に恵まれる。 とある「・・・・うらやむ」という皮肉にも取れる表現をしたのでしょう

kouki-koureisya
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 そうですね、「うらやむ」という表現が気になりました。

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