同期機の界磁喪失

質問

同期電動機についての質問です。
同機電動機の界磁が喪失した場合はどのような現象が起こりますか？

また直流電動機の場合はどうなりますか？

回答No.2

atm_phantom

界磁喪失の質問をするくらいなので、同期機の電機子反作用の勉強はしていますね。していなければ、機会を見つけて勉強してください。
界磁喪失すると電動機では遅れ力率、発電機では進み力率の大きな無効電流が電機子巻線の交流回路に流れます。どちらも電機子反作用によって界磁を励磁するための無効電流が流れ込むのです。従って本来、理想的な同期機なら何も起こらないはずですが、現実のマシンでは界磁鉄心端部の電機子反作用による磁束の乱れがあるために電磁誘導加熱が発生して 10 ～ 30 s くらいの時間オーダーで急速な加熱を始め、放置すれば鉄心を焼損します。
従って、これを保護するために同期機の交流電機子端子の電流・電圧を使用して上記の無効電力の流れ込みを検出して、警報や時限を持たせた運転遮断器の遮断を行います。
( 交流同期機の ) 簡易な界磁喪失保護として界磁直流電流の不足電流継電器を使用して検出している例を見たことがありますが、運転中に短時間でも無効電力を吸収する必要がある場合 ( 同期調相機や長距離無負荷送電線の充電を要求される同期発電機 etc. ) や 自動電圧調整器 ( AVR ) で緊急負荷遮断時の発電機端子電圧の急上昇を抑え込む性能が要求される場合等では励磁電流の値が大きく低下し、上記の不足電流継電器の誤動作の危険がありますので、事業用の火・水・原子力発電所などでは採用されません。

直流電動機の界磁喪失が起こると電機子に界磁鉄心の残留磁束分に相当する小さな電機子端子電圧しか発生できないので、電機子に大きな電流が流れ込み、極めて短時間で電機子巻線を焼損しますので、電機子電流の直流過電流保護継電器で即時で運転遮断器の遮断を行い保護します。

回答No.1

tarou1916

日立評論に同期電動機の界磁喪失に関する記事があります。
http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1957/08/1957_08_03.pdf#search=%27%E5%90%8C%E6%9C%9F%E9%9B%BB%E5%8B%95%E6%A9%9F+%E7%95%8C%E7%A3%81%E5%96%AA%E5%A4%B1%27
参考になれば幸いです