金属の疲労破壊時の破断面の粗さ

このQ&Aのポイント
  • 0.15mm厚の銅合金の疲労破壊試験で、ベリリウム銅の方がチタン銅よりも疲労耐久力が優れていることがわかった
  • 破断面をSEM観察した結果、ベリリウム銅の破断面がチタン銅に比べて粗くなっていることが確認された
  • 疲労破壊時の断面の粗さは材料の延性によるものである可能性がある
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金属の疲労破壊時の破断面の粗さ

厚さ0.15mmほどの銅合金の展伸材2種類の疲労破壊試験を行ったのですが破断面をSEM観察したところ断面の粗さが違うことに気づきました。 比較試験に使った銅合金はベリリウム銅とチタン銅で、疲労耐久力はベリリウム銅の方が優れていました。 破断面の観察結果はベリリウム銅の方がチタン銅に比べて見た目に粗くなっていました。 疲労破壊が発生したときの断面の粗さは材料の延性によるものなのでしょうか? 文献等あればお教えください。

noname#230358
noname#230358
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noname#230359
noname#230359
回答No.3

破断面というのは、どの部分のことでしょうか。いわゆる疲労破壊(ストライエーション)のことですか?疲労破壊でも、ビーチマークをストライエーションと見間違うことがありますよ。面の粗さの違いは、そのせいでないですか? 銅合金は、鉄鋼材料のような明確な疲労限を示さないと思いますが、それでも延性よりも硬さの高い方が疲労限も高いと思います。よほどの低サイクル領域の話でなければ。

noname#230358
質問者

補足

回答ありがとうございます。 今回私が表現した破断面は材料を疲労破壊によって折った際にできた面です。専門用語に当てはめるならビーチマークの幅の差になるんだと思います。ネットで見つけた写真では本当に砂浜の模様のような写真しかありませんでしたので今回のサンプルは砂浜よりは亀の甲羅の模様を歪にしたように見えました。しかし、歪な亀の甲羅模様もビーチマークだと考えると Be銅のビーチマークの間隔>Ti銅のビーチマークの間隔 これを私は粗さと表現していたようです。

noname#230359
noname#230359
回答No.2

疲労破面の粗さとは疲労き裂の進展経路で決まります。進展経路は負荷様式・負荷の大きさ・負荷温度・材料・材質などに依存します。通常負荷に垂直に進みます。負荷が小さい場合にはかなり平滑な破面となります。最終破断は延性破断です。一方時効性合金(ジュラルミン・ベリリウム銅など)では奇妙な(負荷垂直でない)方向に進むことがあります。結局、疲労破面の粗さが材料の延性を反映することは乏しいものとお考えください。 まず疲労き裂進展からおさらいしましょう。 繰返しのかなり初期から微小なき裂が表面に無数に発生します。それぞれのき裂が負荷の一回ごとに少しづつ進展します。き裂の「進展」とは、き裂底での「塑性変形」であって、「結合力の破綻」ではありません。ここが誤解されやすい。変形による窪みすなわちき裂は主応力にほぼ垂直に進む。進展のステップは負荷によるが0.1μから100μ程度としてください(ビーチマークよりずっと微細な破面構造)。すなわち粒界や析出物の影響を受けて進むことになります。多数のこれらのき裂が合体し大きな主き裂となっていきます。合体部分には段差が生じます。寿命の最終段階では延性破壊が生じます。破面が平滑になる根拠は乏しいのです。曲げ変形が加わる負荷様式では破面はさらに平滑でなくなるでしょう。  時効性アルミ合金の破面は主応力軸の45度近くを向いた小破面で構成されることが多く観察されています。疲労による変形の結果として時効析出相が消失することに起因するものとの解釈がなされることがありますが、この実証的確認が困難です。  文献や破面集を入手なさろうとするならば「日本材料学会」にお問い合わせなさるのがいいでしょう。不親切な回答になりましたがお許しください。

noname#230358
質問者

お礼

詳しく説明いただきましてありがとうございます。誤解して考えていたところも勉強しなおすつもりです。アルミ合金についての例示は非常に興味深く思いましたので引き続き調査してみたいと思います。 お忙しい中回答いただきありがとうございます。

noname#230358
質問者

補足

回答ありがとうございます。 「負荷が小さい場合にはかなり平滑な破面となります」試験は弾性領域で行っていたため材料にかかる負荷は少なく、そういった見地から観察すると平滑な破面の部類に入ると思います。 時効性金属については知識がなかったため奇妙な方向というのが想像の域を出ません。これについては写真や資料で確認できるところを知っておいででしたらお教え願えませんでしょうか? 鋳造組織の結晶の結合力の差や結晶構造、その結晶の大きさに依存して疲労亀裂の間隔が広くなったり狭くなったりすることは考えられませんか? 負荷やその他環境は等しく比較試験を行ったつもりです。 Be銅Ti銅の2種はおっしゃる時効性金属にあたると考えられます。疲労破面の粗さが材料の延性を反映することは乏しいとして、この2種類において同一環境で破面に違いが出る場合、何が要因となるのでしょうか? 質問を重ねてしまってもうしわけありませんがお時間ありましたらお教え願えませんでしょうか。

noname#230359
noname#230359
回答No.1

そのような文献は見たことがないので回答にはなりませんが SEMは被写界深度が非常に深いわけです。破面の見た目が違うから粗さが違うと言い切れますか? 粗さが違うと推定するならまずサーフコーダで粗さを実測するべきです。

noname#230358
質問者

補足

SEMの写真で見えたビーチマークの間隔の差で面粗さの違いを判断したのですがサーフコーダで粗さを測定した結果で見解が変わるものでしょうか?材料の違い、同一箇所の繰り返し曲げによる疲労耐久性能に違いがあり、疲労破断によって破面にできた模様の間隔が違うといった表現の方がよいでしょうか。見た目だけではたしかに粗さは言えませんね。ストライエーションが最終的な極小の粗さであるならばもしかしたら大差のない値になってしまうかもしれません。

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