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Si基板とAuの共晶化についての方法と注意点
- Si基板と蒸着したAuでAu-Siの共晶を作りたい場合、高温シンターでSi基板とAuを共晶化させることがアドバイスされる。
- 共晶化の際にはシンター時間と温度に注意する必要があり、過度な設定は酸化膜の発生やAuのSi基板の吸収などの問題が発生する可能性がある。
- ダイボンド前にAuとリードフレームの接合は強固になるが、SiとAuの接合は剥離することがあり、共晶化によって接合性を向上させることができる。
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回答(1)での回答は間違いだったと思います。私の行ったことのあるダイボンディングはAuメッキフレームにAu箔を置きその上にSiを置き、共昌温度まで加熱しSiに荷重を掛けながらスクラブ(こする)することによりAuSi共昌をつくるものです。ただ共昌温度に加熱し加圧した程度では共昌はできません。物質間をこすり合わせることにより、物質間の接触を助長することが必要になります。接合界面はフレーム材料-Au-AuSi-Siとなります。AuSiが多くなりAuがなくなった場合は熱膨張率の違いが大きくなり材料間に大きな応力が働くき、弱い接合界面から剥離することになります。今回の質問の場合は、Si上にAu蒸着ですのでAuSi共昌は出来ないと思います。接合プロセスがわかりませんのでなんともいえないのですが、たぶん接合時にAuAg共昌ができフレームとSiは接合されます。AuとSiの結合はAu中へのSiの拡散によるものと考えます。シンター処理を行うことによりAu中へのSi拡散が助長されます。もし過度のシンター処理を行った場合はAu表面までSiが拡散し、Agとの結合も出来なくなることが考えられます。接合界面はフレーム材料-Ag-AuAg-Au(Si拡散)-Siとなります。結合強度的に弱いのはAuとSiの界面です。ですから、接合後の冷却により熱膨張率の違いによる応力が働きAuとSiの界面から剥離することになると考えます。以上が接合剥離の現象と考えます。ご参考になれば幸いです。
SiとAu間で剥離しているのでしょうか、AuSiとAg間で剥離しているのではないでしょうか。Au1ミクロンですと蒸着したAuが共晶温度に達して短時間で全てAuSiになってしまうことが考えられます。AuSiは熱膨張率が小さいため、温度が下がった時点でリードフレームとSi基盤の間ではがれてしまっていることが考えられます。共晶温度の維持時間、Siのスクラブの仕方が重要ではないかと思います。
お礼
有難うございます。ただ、確かにAuとSiの面で剥離しているようで、 その根拠は、リードフレーム上にAuの残渣が残っているのに、Si基板面には Auが見受けられないということです。短時間でAuSiが形成されるということですが、mSECのオーダでも形成されるものでしょうか?
お礼
有難うございます。Au-Si層を単に熱しただけでは共晶はできないとのこと、大変参考になりました。Au蒸着層にSiが入ってきている様子が蒸着面での模様の形成で確認できるので、てっきり共晶になったのかと思いました。シンターで本当に共晶が出来ているのか、確認したいと思います。なお、技術の森の以前の投稿・回答欄で、AuとAgは加工物を作らないので安定な接合ができる、そのメカニズムは拡散接合であるとの話題がありました。ほかの記事でも同様な記述がありましたので、多分Au-Agは拡散接合でついているのかなと思っています。 たびたび、回答頂き誠に有難うございます。