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S45C磨き丸棒を調質後、切削加工を行った結果の問題
- S45Cの磨き丸棒を調質後、切削加工を行った結果、全長がわずかに長くなりました。
- 内部応力を少なくするために調質を行ったにもかかわらず、結果的にムダになってしまいました。
- 戻し処理時の油冷と空冷で内部応力には違いがあるのかについて知りたいです。
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回答1に補足。実態の詳細が分からないので、適用性には、多分に疑問がありますが、コスト低減策について、私の経験を参考に、あえて提案します。 (1) 加工材の熱処理工程と使用工具材種の見直し。 ァ、加工材S45C は、所定の硬さHRC35に熱処理して用い、加工前の調質は省略。 イ、工具材種; CVDコーテイング超硬 または、CBN工具への切り換え検討--->工具寿命と切削速度の向上を図り、加工時間を短縮。CBN工具については、工具費増大の問題があるので、生産数量の多い場合に限定される。 (2) プレハードン鋼の利用。(参考) 採用に当たっては設計元との調整が必要。材料費は高くなるが、快削鋼になっているので高硬度の割には加工し易い。比較的、市場性のある材質。DH2F(大同)or FDAC(日立)硬さ;HRC38-42 PX5(大同)or HPM2(日立)硬さ;HRC29-33, GO40F(大同)硬さ;HRC35-40,各プレハードン鋼の在庫寸法、価格については要確認。以上。
変寸については過去に答えています。参考になさってください。 >内部応力と変寸は関係は薄いのですね。 とは言い切れません。ケースバイケースです。 あと4番目に残留オーステナイトがマルテンサイト化して生じる経年変寸もありますがL150で0.1も大きくはならないので今回は関係ありません。 質問No.15850 タイトル 熱処理歪について 2006-2-6 3、熱処理歪には 1)冷間加工等による内部応力が加熱されたときに変形を起こすもの 2)焼入れ冷却時の急冷時に起こる内外部の熱収縮差によるもの 3)焼入れ冷却時のマルテンサイト変態変形が内外部で冷却速度の違いから発生するもの
ご質問のごとく、仕上げ加工前の調質により、その後の熱処理変寸を軽減する方案が知られておりますが、通常の焼入れ、焼もどし処理で再現性のある高い精度を確保することは難しいと思います。金型などの場合は、寸法の微調整のためのくり返し焼もどし処理が行われますが、これらの処理は、寸法、硬さの挙動を事前に、把握しておかなければ不可能です。本事例の場合でも、若干高温側の焼もどし処理を繰り返すことによって寸法収縮の可能性がありますが、所定硬さ(HRC35)との兼ね合いがあるので方策としては危険を伴います。仕上げ代をつけて熱処理-->仕上加工、または、硬さ;HRC35に熱処理した材料を直接仕上げする加工工程への変更は出来ないでしょうか?。-------------------なお、焼もどし後の油冷、空冷の件、当然乍ら、空冷の方が内部応力は少なくなります。熱処理による内部応力は、表面と内部、端部と中央部など部位による冷え方の差によって生じます。よりゆっくりした空冷により部位による冷え方を均一化した方が内部応力(ひずみ)は少なくなります。しかし、前の変寸問題と、直接の関係はないです。朝の散歩も疲れを残さないためには、ゆっくり歩くことです。余計なことを申しあげました。以上。
お礼
わかりやすい回答ありがとうございます。 内部応力と変寸は関係は薄いのですね。 実際変化量も0.02~0.14とばらつきがあり、変化量を見越した前加工寸法も設定しづらく丸棒のロットによるばらつきや調質時の冷却のばらつきを考えると、熱処理後加工したほうが確実ですね。だけどコストが・・・・あわない・・・・