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物権法の説明について
物権法について説明する課題があるのですが、条件がかなり細かく設定されています。 「177条の第三者の範囲について、無制限説から制限説へ、善意悪意不問説から背信的悪意者排除説へ、背信的悪意者の類型、背信的悪意者からの転得者の保護の順に説明せよ」 となっているのですが、わかる方教えてください。
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- fujic-1990
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この質問、まだ生きてますかね? 求められているのは説明なので「文章に迫力や説得力は必要ないのだ」と思い直して、回答欄の大きさに合わせ、テキストを読み直して適当に直していただくことを前提に、書いてみました。 ------- 以下、土地の売主(前所有者)をA、買主(現所有者:未登記)をB、同じ土地を甲から買いたい(もしくは買った)第三者をC、土地を不法に占拠する第三者をD、Cからの転得者をEとします。 (無制限説と制限説という昔の説の名称は記憶にないのですが) 「無制限説」は、第三者の範囲に制限を設けない(登記がなければ全ての第三者に対抗できない)という考え方でしょう。 根拠は、条文に制限が書かれていないから。 「制限説」は、登記なしでは対抗できない第三者の範囲を限定する考え方でしょう。 誰に対しても自分が所有者であると主張できないのなら、所有権を得ていないのと一緒。当事者の意思表示「のみ」で所有権が移転するという176条の規定が無意味になるから、2つの条文は解釈で調整しなければならない、と。 では、登記なくしては対抗できない第三者とは、どんな第三者かという議論になるが、Dなどは、誰が所有者だろうがやってはならないことをしているので保護する必要がない。「CのようにBと所有権をめぐって競合関係に立つものに限定されるべきだ」という話になりました。 そこで、制限説は分岐します。 1つは、「善意悪意不問説」。 Cが、AからBへの所有権移転を知らないならもちろん、知っていても、とにかく、自分Bと競合関係に立つ第三者ならば、Bは登記なくして対抗できないという考えです。 (悪意者排除説もあったような気もするが、聞かれていないのでパス) 他方、「背信的悪意者排除説」は、「所有権移転を知っていてもいいが、そのほかに背信的な事情を持つ者」は、Bが登記なくして所有権を主張できない第三者からは除かれる、という考え方です。言い方を変えると、「Bは背信的悪意者には登記なくして所有権を対抗できる」という考え方です。現在の判例通説です。 Cが背信的悪意者に該当するパターンとしては、A→Bの所有権移転と登記不移転を知っていて、且つ (1)A→Bの移転に関与した場合 契約に立ち会った、仲介した、B(法人等)の代表者だった などなど (2)Bに損害を与えようという加害の意図をもっていた場合 (3)不当な利益を得ようとした場合 などがあると思います。ほかにあるかもしれませんので、テキストを読んで補充してください。 <背信的悪意者Cからの転得者Eの保護> 「EがBとの関係で背信的悪意者であれば、登記がなくてもBは所有権をEに対抗できる。Eが背信的悪意者でなければ、Cが背信的悪意者であってもBはEに対して登記なくして所有権を対抗できない。もちろん、Eも登記なくして所有権をBに対抗できないので、この場合、BとEのどちらが先に登記を得るかによって勝敗を決める」 という趣旨の最高裁判決があったと記憶しています。 最新の判決は知りませんが、それで十分利害は調整できると思いますので、いかがでしょうか。