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落語「猫定」の死人が立ち上がる場面について
「猫定」は,悪い女房と間男が謀って夫を殺害しますが,飼っていた猫が敵討ちした話ですね。通夜の晩に夫と女房の死骸が棺桶から立ち上がり皆を恐ろしがらせます。これは猫の仕業のようですが,忠信のある猫のこの仕業はどういう意味があるのでしょうか。また,猫はそんな(物理的)力もないと思うのですが。
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ぼくも同じ違和感を持っていました。以下はぼくの解釈です。 通夜を執り行っている長屋の住人は,妻が間男をしていることは知っていましたので,猫がそれを暴くために死人を動かしたわけではありません。この猫は,住民のなかにいた浪人に発見されて殺されますが,その死体を見ると間男から噛みちぎった「のど笛(咽喉)」を持っていたことがわかります。 ぼくの考えでは,猫は自分で敵討ちをしたことを知らせたかったが喋れない。そのために死人を立たせるという奇怪な行為をして,自分に注意を向けさせる必要があった。その結果,猫は殺されてしまいますが,主人の後を追って殉死したと解釈できます。 猫にサイコキネシスはないでしょうが(笑),この猫は賭博のサイコロの目を見通す超能力をもっていましたから,特別な猫だったのでしょう。もしかすると,自分が鳴いた(予言した)とおりに,壺を振った「あと」でサイコロをひそかに動かしていたのかもしれませんね。
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No.2のお答えを拝見して。 ぼくは,20年くらい前にTBSで放送した古いモノクロの六代目三遊亭圓生で見ていますが,演者によってちがうかもしれません。圓生の演出では,野原で主人と間男の死体がそろって発見されたとき,役人に呼び出された長屋住人は間男も見知っていましたが,かかわりあいになりたくなかったので「知りません」と答えます。また,通夜を行いながら間男の話をする者がいると,他の者が「いまごろあの世で夫婦が出会っているはずだから,聞こえるとまずい」と制するくだりがあります。このあたりは,噺家による解釈が入っているはずですが,長屋の壁は薄いので間男もつつぬけだったようにも思えます。 猫が,半なら「ニャオ」,丁なら「ニャオニャオ」と鳴くときの圓生のしぐさは,猫そのものであり,さすが名人と思いました。 どうも腑に落ちないのは,賭場でもそのように鳴いたので,周囲から「ニャゴニャゴ鳴いてうるさいので気が散る」と苦情をいわれる箇所です。丁半どおりに鳴けば,そのうち誰かが猫が目を教えていることに気づくはずです。ぼくが演じるなら,「賭場で鳴くとばれるので,丁なら右足,半なら左足でおれをつつけ」と猫に教え込むことにするでしょう。うちも猫を飼っていますが,かまってほしいとき(または空腹のとき)そうやって人をつつくことはよくあります。
お礼
私が最近聞いたのも,こちらの方だったかも知れません。テレビのいろいろな落語番組を録画しておき,DVDに4時間くらいにまとめてからパソコンに録音し,iPhoneに移して聞いています。電車を待っているときとかに聞いているのと,画像をみていないので,理解がちょっと不足かも知れません。 演者が「イッチョウ懸命やります」とか言えば誰か分かるのですが,かなりの作品は演者が分からないで聞いています。 おっしゃる通り,落語には,「こうした方が自然では」と言うことがたくさんありますね。
- kamejrou
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こんにちは 私もNo 1の回答者の方と解釈は似ておりますし反論ではありません ただ、いささか違うとすれば この不義密通は長屋の人間は知らなかったであろう そうでなければ「密事」にはならない この猫は猫定が殺されるであろう事を賭場にいる時からすでに予見している 賽の目を言わない、鼻が乾く であれば死人を立たせることで浪人某が来ることも そして自分がこの浪人に殺されるであろうことも予見していたはず この猫は己の命を賭して、これが主人猫定の仇討ちである事を知らせてみせた そして間男の喉笛をさらすことでこれが不義の果てのことであると 間男はどこぞの原っぱで喉笛を食いちぎられているわけですから 容易に推察できることでしょうし
お礼
なるほど。ありがとうございました。この次聞くときはもっと深く理解できそうです。
お礼
早速ご回答ありがとうございました。この場面により,聞いている人に猫が敵討ちをしたと言うことが伝わる訳ですよね。猫の不思議な力を表したのかもしれませんね。聞いたのは2,3回目ですが,この場面が一番印象に残っています。