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哲学的ゾンビについて教えて下さい。
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集団心理プログラム
行動は、何に基づいているかを含めて、普通の人間と全く同じです。ただし、行動している自分を、自分で眺めたり感じたりするという心の働きを持っていないのです。 似た概念に行動的ゾンビというものがあり、例えば非常に人間によく似た人工知能を持つアンドロイドが該当します。ある環境に置かれたときの行動が、全く人間と見分けがつかないアンドロイドですね。 人間そっくりにする目的のAI研究などでも「自由意思」を持つ自分自身が存在すると認識する「自我」が、AIに持たせられそうにないということが問題になっています。応答だけはそっくりにできたとしても（チューリングテストレベル）、AIは自分の動作を眺めて何か考えるということはありません。 もちろん、そのAIに「お前には自由意思や自我があるのか？」と問えば、「ある」とAIは答えます。人間そっくりに行動するようプログラムされているからですね。でも、単なるコンピュータプログラムです。原理的にはAIのどんな動作も、何がどうなっているかを全て解析することができます。プログラムが自分自身について考えたり、感じたりするすることはありません。 SFなどではコンピュータが「自我」に目覚めて人類を滅ぼすと決意したりする話がよくありますが、自我を持つ存在は制御不能なんですね。コンピュータは自分が何者で、自分をどうしたいかを考えないから道具として使えるわけで、自分自身について考えるコンピュータは外からの刺激だけでは行動が決定できません。外界と切り離せる内面を持っていることになるからです。 現実のAIは（まず間違いなく将来においても）、原理的には完璧に解析可能な知性で、しかも自分自身については何も考えない知性ということです。自我も自由意思も持っていません。持っているかどうかを感じることすらありません。決まった手順と外界からの刺激だけで行動します。 人間の自由意思を持つ自我は完全には分析できない、という思想があり、その思想に基づいた思考実験が哲学的ゾンビです。AIは普通はコンピュータですけれど（アンドロイドも要はロボット、機械）、哲学的ゾンビは人間の体を使った、人間そっくりのAIプログラムが生身の脳に仕込まれている、全身が生身のアンドロイド、といったものです。 ですので、哲学的ゾンビは知性ある発言や応答もするし、喜怒哀楽を見せるし、脳波を測定しても人間と同じなんだけど、内面あるいは心では一切何も感じていないのです。しかも分析は可能。そこが人間と異なります。人間の知性・感情は「自分自身を眺める、感じる」分析不能な部分を持ち、その分析不能な部分が最重要であるわけですから。 従って、判断が何に基づくかについて、差異は見いだせないと考えるべきです。少なくとも客観的な差異はありません。そうでなければ、他人がどんなに調べても人間と見分けがつかないという哲学的ゾンビにはなりませんから。 それでも相違を求めるとすれば、普通の人間では自分の振舞いを眺める自分からのフィードバックが判断に加わるのに対し、哲学的ゾンビは自分を眺める自我が存在しないため、人間のような自我からのフィードバックがありません。そのことは本人にしか分からないわけですが、哲学的ゾンビは自分自身について考えませんから、人間だけが「自分は哲学的ゾンビではない」と判断することができます。ただし、自分についてだけです。 P.S. 物理主義的な知性機械論ですと、哲学的ゾンビというものはありません。人間の知性や感情は、原子や電子などの素粒子レベルまで調べれば、原理的には分析可能であるとします。要はよくできたコンピュータプログラムであり（※乱数的な仕組みはあるとすることが多い模様）、自由意思や自我は幻想であるとさえします。 この考え方に基づくなら、実在の人間は全て哲学的ゾンビであるということになります。人間が自分が哲学的ゾンビであることに気が付かないだけです。
- 雪中庵（@psytex）
- ベストアンサー率21% (1064/5003)
認識を経ない、条件反射的な生； 「虚栄心・自己顕示欲＝他人による評価」 「お金・出世＝目先の損得」
- raiden787
- ベストアンサー率37% (179/473)
脳神経を中枢とした細胞の化学反応でしょう。 人間の脳にもプログラム的なものは存在します。 我々が言葉をしゃべったり手足を動かせるのは脳内にそれを可能とする演算システムが存在するからです。
- kaitara1
- ベストアンサー率12% (1119/8890)
自分が考え出したと錯覚している、有名な哲学者の所説では。
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