- ベストアンサー
対角化の問題
対角化について考えています。(n≧2) (a)B^n=Aが成立するとき Aが対角化可能⇒Bが対角化可能 (b)B^n=Aが成立するとき Bが対角化可能⇒Aが対角化可能 以上(a),(b)について成立するのでしょうか?証明、もしくは反例をよろしくお願い致します。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
Bが対角化可能とする。Bを対角行列にする基底変換行列をSとする(Sは必ず正則)。 S^(-1)BS・S^(-1)BS・ ・・・ ・S^(-1)BS=S^(-1)B^nS=S^(-1)AS が成り立つ。個々のS^(-1)BSは対角行列なので、S^(-1)ASが対角行列になるのは明らか。これは、AがBと同じ基底変換で対角化できる事を意味するので、(b)成立。 逆にAが対角化可能とすると、Aの固有空間の次元は全て1。xを固有値μに属するAの固有ベクトルとする。A=B^nなので、AとBは明らかに可換。よって、 B・Ax=B(μx)=μ(Bx) B・Ax=A・Bx=A(Bx) が成り立ち、 A(Bx)=μ(Bx) が言える。これはBxが、固有値μに属するAの固有ベクトルである事を意味する。ところがAの固有空間の次元は必ず1なので、Bxはxに平行で、Bx=λxが成り立つ。これはxが、固有値λに属するBの固有ベクトルという事。従ってAとBは全ての固有ベクトルを共有する。 Aを対角化する基底変換行列は、Aの全ての固有ベクトルを縦ベクトルとして並べた行列Sで、S^(-1)ASによってAは対角化される。 同様にBを対角化する基底変換行列は(あるとすれば)、Bの全ての固有ベクトルを縦ベクトルとして並べた行列Tで、T^(-1)BTによってBは対角化される。 AとBは全ての固有ベクトルを共有するので、T=Sとできる。よってBは対角化可能で、(a)成立。
その他の回答 (1)
#1です。 >Aの固有値がすべて異なる→重複度1とは限らない の意図は、「Aの固有値がすべて異ならない→重複度1とは限らない」ですよね?。確かに前回の記述は不正確でした(^^;)。 用語の問題(方言)があるのでここでは、(A-λjE)^m・x=0を満たすベクトルx全体を、固有値λjに属する根空間Rjと呼びます。Aはp次とします。 根空間Rjについては、dim(Rj)=mが成り立ちます。ここでmはλの重複度です。一般にRには、長さの不定性を除いて固有ベクトルが必ず1本は存在しますが、m本の独立な固有ベクトルが存在するとは限りません。m本の独立な固有ベクトルがなければ、Aは対角化不可能です。Rjの中にm本の独立な固有ベクトルがあれば、根空間=固有空間となり、「固有値の重複度と、固有空間の次元が等しい」ことになり対角化可能です。 しかし次の事は言えます。全空間をVとして、異なる固有値に属する固有ベクトル,根ベクトルは互いに独立なので、 V=R1(+)R2(+)・・・(+)Rj(+)・・・(+)Rp-m+1 (1) ※(p-m+1)個の和.dim(V)=p とVを直和分解できます。ここでR1,R2,・・・は簡単のため、固有値λ1,λ2,・・・に属する次元1の固有空間、Rjのみ次元mの根空間とします。(+)は直和の意味です。 そしてRjが固有空間であるときには、Rjの中から独立なm本の固有ベクトルを任意に選んで(Rjの中身は全部固有ベクトルだから可能)、Rj自身を次元1の部分空間で直和分解できる事になります。 Rj=Rj1(+)Rj2(+)・・・(+)Rjm (2) Rjiは、選んだ固有ベクトルが張る、次元1の部分空間です。(2)を(1)に代入し、番号をつけかえてやれば、 V=R1(+)R2(+)・・・(+)Rj(+)・・・(+)Rp (3) ※p個の和.dim(V)=p です。ここでR1~Rpは全て次元1で、互いに独立な固有ベクトルが張る部分空間です。Rjの中には「定義から固有空間と呼ばないもの」も含まれますが、実質は普通の固有空間(次元1)による直和分解と同じです。 (3)に対応する基底(固有ベクトル基底)に移れば、Aの対角化が得られます。 逆にAが対角化可能なら、(3)が可能という事なので、「Aの固有空間の次元は全て1」って書いちゃいました・・・(^^;)。
お礼
>逆にAが対角化可能とすると、Aの固有空間の次元は全て1。 この部分ですが、対角化可能条件は「固有値の重複度と、固有空間の次元が等しいということ」だと思います。Aの固有値がすべて異なる→重複度1とは限らないのではないでしょうか。