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hazarkの回答

  • hazark
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回答No.40

moyo 様 こんばんは 顔白くしてみました…でも元気過ぎるような気が致し…また元に戻るかと… ワンちゃんも御元気そうですね…昔の上司に、やはり帰宅直後飛びかかられ、顎にアッパーカットを喰らったようになって、のけ反り、締まりかかっていたドアに肘と後頭部をぶつけ、こぶができた方がおられました…非常に痛かったそうですが、わんこはビシビシ突き刺さるように飛びかかって顔をなめるので、目から火と涙が出た、と… 小型犬でしたがジャンプ力が凄く、足音でもう走り込んでいたらしくドアを開け、半歩身を入れた瞬間、激突、取っ手から手も離れてマンションの重たいドアが締まって来… わんこの狂喜の出迎えは、ほんとに感動ですが、私は門から玄関に入るまでに、よく泥んこのでかい梅の花マークのような前足のあとを服の前一面につけられ、軽くはたいただけで、まだ幾つも残っているのに、またそれを着ていこうとして、あれ…ま、いいか…いや…しかし…遅刻する…ってなことに… 今行き帰りの電車で、ミュリエル・スパーク(1918-2006)という英国の女性作家の短編集『バン、バン! はい死んだ』っていうのを読んでるんですが、全然知らなかった、とっても面白いけれど哀しい話ばかりで、最初のは何となく結末が判ったんですが、少し前に読み終わったのは全然わからなかった… 英国の古い歌が出てきて題名にもなっていたんですが知らなくて、後で聴いてみたら余計哀しく…でも、その話を語っている主人公は、悲しがったり恨んだり、ちっともしていなくて…最後の一言には、ほんとうに心打たれたのですが…そこだけだと何だかなので… 割と短いので全文御紹介してみようかと… 捨ててきた娘  仕事場を出たのは、ちょうど六時十五分である。 「タラタンタン」――あの曲がまた頭の中をぐるぐる回っている。レターさんが一日中、うるさい声で電話をかけたり、ぼんやり物思いにふけっていたりする合間に口笛で吹いていたのだ。〈そっと、そっと鍵をまわして〉のときもあるが、たいていは〈捨ててきた娘〉を歯切れのいいホーンパイプ踊りのテンポで吹く。  私は並んでバスを待っていた。くたくたに疲れ、あとどれくらいマーク・レターねじ釘有限会社に辛抱していられるだろうかと思った。もちろん、長患(ながわずら)いのあとだから、何事も経験ではある。だとしても、レターさんには我慢がならなかった。あの口笛、急に精力的になったり、急に無気力になったりという気分のむら、砂色の髪、そして小さな汚い歯。職場を出たあとも、あの曲がずっと頭の中を駆け巡るとなればいっそう腹も立つ。これでは、レターさんを家に連れて帰るのと変わらない。  バス停では誰も私に目をくれなかった。まあ、当然だろう。一人も知り合いがいない。でも、今度はなぜか、帰りの通勤客にまじる自分が透明人間のように思えた。周囲の視線が私を突き抜けていくばかりか、歩行者が私の体を通り抜けていくような感覚があるのだ。秋が深まると、私は悲しいことばかり考えてしまう。高いオフィスビルを見上げれば、軒先のねぐらにムクドリたちが身を寄せ合っている。そんな漠然とした不安感の奥から、非常に強く訴えてくるものがあった。仕事場に何か大切なものを忘れてきた、あるいは何か仕事をやり残してきたのではないかと思ったのだ。金庫の鍵を閉め忘れたのだろうか。心に引っかかっているのは、ごく些細なことかもしれない。疲れてはいるが、念のために引き返そうかとも思った。だが、そこへバスが来たので、みんなに押されながら乗り込んだ。  例によって座れなかった。手すりを握りしめるが、バスが前後左右に揺れ、どうしてもほかの乗客にぶつかってしまう。うっかり男性の足を踏みつけ、「あっ、すみません」と謝ったが、黙ってそっぽを向かれ、また悲しくなった。そのうえ、ものすごく大切なものを仕事場に忘れてきたという思いがますます強まった。「タラタンタン」――不安な気持ちの背後で、あの曲がずっと鳴り続けている。一日の仕事を思い返してみた。いまさらながら、手紙を書いて帰り道に投函するはずだったのかもしれないと思ったからだ。  その日の朝、仕事場に着くと、マーク・レターがすでにもうがむしゃらに仕事をしていた。よく気まぐれを起こしては朝八時に出社し、郵便物を破って開け、私が出勤する頃には、無駄な電報を五通、六通と打ち終わっている。そして、こちらはまだコートも脱いでいないというのに、染みの浮いた手をひらひらさせながら、一日分の指示をまくし立てるのだ。まったく癇に障る習慣だが、面白い点が一つだけあった。一つひとつの案件に指示を出しながら、よくこう言うのである――「手紙に至急と書いて(マーク・レター・アージェント)」これがマーク・レターの口から飛び出すのがなんだかおかしく、彼がこんなふうにせかせかしているとき、私はいつも心の中で「マーク・レター・アージェント」と呼んでいた。  バスに揺られながら、今朝のマーク・レター・アージェントはやけに元気だったなと思った。いつも以上に必死だった。その必死さのおかげで、私の苛立ちは消えずにいる。何をやり残したのだろう。手掛りはないかと頭の中を総ざらいしていると、まだ二十二歳だというのにひどく老けた気分になった。何かちゃんとしていないことがある。バスが仕事場から離れれば離れるほど、その確信が強まった。特に仕事熱心というわけではないが、マーク・レターの興奮は伝染しやすく、そうなると、私も一日中ずっと神経質になってしまう。家に帰れば気分もよくなるはず、と自分を慰めたが、どうしても不安な気持ちは去らない。  レターさんも城後には少しは落ち着き、私が昼食に出る前の一時間ほどは、両手をポケットに突っ込んで仕事場の中を歩きまわり、汚い茶色の歯と歯の隙間から口笛のような音を出し、〈捨ててきた娘〉を吹いていた。バスの揺れに体をあずけていると、そのバスが「タラタンタン、タラ……」とリズムを刻んだ。昼食から戻ると、仕事場はしんと静まり返っていた。レターさん、外出中かしら、そう思った瞬間、彼専用の小さな事務室から、あの曲が聞こえてきた。速いテンポのうなるような鼻歌が、終わりに向かってだんだん小さくなっていく。その時に気がついた。また午後の空想にふけっているのね。  狭い箱みたいな事務室に入ると、そんな放心状態の彼にぶつかることがあるのだ。机の向こうで、回転椅子に座っている。たいていは脱いだ上着を背もたれに掛けていた。右肘を机についてあごを支え、左手に下げたネクタイをじっと見つめている。瞑想のときは必ずネクタイだった。今日の午後も、書類をもらいに事務室へ入ると、じっとネクタイを見つめていた。半開きの口から、小さくて隙間だらけの汚い歯がのぞく。乳歯ほどの大きさしかない。その歯の隙間から口笛のような音が聞こえた。昨日は〈そっと、そっと鍵をまわして〉だったが、今日はもう一方の曲である。  私はいつもの停留所でバスを降りた。手に運賃を握ったままである。つい切符だと思って放り投げそうになり、はっと気がついた。これでは自分が存在しないも同然である。車掌さえ、慌てていて、私に気づかなかったのだから。  マーク・レターは二時間半も夢に浸っていた。いったい私は何をやり残したのだろう。ついに事務室から出てきた彼はなんと言っていたか。それも思い出せない。たしか紅茶をいれた。レターさんが紅茶を欲しがるのは、熱に浮かされたときでも、気が抜けているときでもなく、ふつうにおしゃべりなときである。趣味の透かし彫りについてよく話す。レターさんの家庭生活はちょっと想像ができない。四十六歳で、いまだ独身。ローハンプトンの家で一人暮らしをしている。下宿に向かって路地を歩きながら思い出した。紅茶を取りに来たレターさんは、手にネクタイをぶら下げ、開襟シャツからのぞく喉元が生白く、歯の隙間から「タラタンタン」とやっていた。  ようやくうちに着き、玄関の鍵を差し込んだ。そっと、そっと鍵をまわし、とつぶやく。はあ、やっと帰れた。下宿の女主人が、皺くちゃな手に塩と胡椒の小瓶を持ち、廊下を台所から食堂へと歩いていく。数人の下宿人が新しく入った。彼女はきまって「お客」と呼ぶ。彼女が大事にするのは古い客よりも新しい客のほうだ。私は見捨てられたような気分になった。自室まで上がってうがい、手洗いを済ませ、また下りてくるというのはやりきれない。みんなと一緒にブラウンスープを飲んでも、どうせ彼女は新来の客ばかり相手にして、私のことなど無視するはずだから。私はしばらく玄関の椅子に腰掛け、元気が回復するのを待った。どんなに若くても、一年も病で臥せれば力もなくなる。急にブラウンスープがいやになり、仕事場のことも心配になって、決心がついた。部屋まで上がるのはよそう。仕事場に戻り、何を見落としたのか確認しなければ。  「タラタンタン」――このままだとノイローゼになってしまう。昔、姉のことを何度も馬鹿にした。夜ベッドに入ったあとで、旦那さんを下に行かせ、ガスの栓は閉めたか、玄関も裏口も鍵はかけたか、と確認させていたからだ。自分もこれでは姉さんを笑えない。ただ、これで姉の気苦労は理解できた。私はそのまま玄関の扉を開け、そっと表へ出て、疲れてはいたが、とぼとぼとバス停まで引き返し、仕事場に向かった。  「なんでマーク・レターのためにこんなことを」と思ったが、じつを言えば。彼のために戻るわけではない。自分のためである。まだ終わっていないという気持ちを拭い去るために戻るのだ。頭の中では、あの曲が忌々しい金魚のようにひらひら泳ぎまわっていた。 (…続く…)

moyomoyo4
質問者

お礼

こんばんは >顔白くしてみました…でも元気過ぎるような気が致し…また元に戻るかと… 顔が白くないです。モノクロで以前よりかっこよくなってしまっています(笑) 葉ザールさんと言えないです。あはは(笑) >ワンちゃんも御元気そうですね…昔の上司に、やはり帰宅直後飛びかかられ、顎にアッパーカットを喰らったようになって、のけ反り、締まりかかっていたドアに肘と後頭部をぶつけ、こぶができた方がおられました… うちのワンコは大型犬で、ラブラドールの女の子です。甘えん坊さんです。興奮しすぎてジャンプされました。おでこで良かったです。あ~ いたかったです(涙)  >わんこの狂喜の出迎えは、ほんとに感動ですが、私は門から玄関に入るまでに、よく泥んこのでかい梅の花マークのような前足のあとを服の前一面につけられ、軽くはたいただけで、まだ幾つも残っているのに、またそれを着ていこうとして、あれ…ま、いいか…いや…しかし…遅刻する…ってなことに… そうなんです。室外で飼っていますので、前足の跡とかついてしまいます。ワンコの匂いも心配ですので、すぐにシャワーを浴びます。 >今行き帰りの電車で、ミュリエル・スパーク(1918-2006)という英国の女性作家の短編集『バン、バン! はい死んだ』っていうのを読んでるんですが、全然知らなかった、とっても面白いけれど哀しい話ばかりで、最初のは何となく結末が判ったんですが、少し前に読み終わったのは全然わからなかった… ブックオフで買われたのでしょうか(笑) hazarさまはいつも本はブックオフでと言われていますので、印象に残ってしまいます。ミュリエル・スパークさんの短編集『バン、バン! はい死んだ』は知らなかったです。 >最後の一言には、ほんとうに心打たれたのですが…そこだけだと何だかなので…割と短いので全文御紹介してみようかと… 少し長いですね。お礼が遅くなりそうですので、少しずつ読んでみます。 散文詩にいきます。 いつか 追いつけず 別別になる双方から、命が棚引き流れ一つに戻ろうと身を捩り、顧みた刹那一陣の旋風に捲き綴られ飛ばされるという文章は素晴らしいです。 この一文だけで情景が浮かびます。あとは、どこの文を減らすかだと思います。 どうしても好きなことを書いていると、文が長くなってしまいます。 文が長すぎて、内容を引っ張ると作者の自己満足になってしまう場合が多いです。 どこの文を思いきって削るかの工夫もいるかなと思います。 頭の中では、あの曲が忌々しい金魚のようにひらひら泳ぎまわっていた。で続くんですね。 軽めにしか読んでいないです。 素敵な回答とても感謝しています。 ご回答をしていただきまして、ほんとうにどうもありがとうございました。

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