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ちょっと、ちょいと、について 文語?口語?
昭和30年くらいから前の映画を見ていて気がついたのですが セリフで今の人間だったら「ちょっと」と使う場面でも必ず「ちょいと」と言っています 黒沢や小津、また昔の名作と呼ばれるものしか観てないですが「ちょっと」という セリフは聞いたことがありません ちょっとというのは最近の言葉なのかと思っていたら 夏目漱石の三四郎や門に「ちょっと」というセリフが出てきました ちょっとという言い方はもともとは文語だったのでしょうか? なんとなく気になるので日本語に詳しい方お願いします
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「ちょいと」も「ちょっと」も江戸時代には使われていた単語なので、両者共に、古語が現代までそのままの形で使われていると言えます。ただ、「ちょいと」が江戸時代の初期から使用されているのに対して、「ちょっと」の方が少し遅く使用されている感じですが、それほどの差があるわけでもないようです。現代でもほぼ同じような意味として使用しているとされています(『大言海』も同じとする考え方です)。ただ、『明鏡』に、「ちょいと」について、「やや古い言い方」とあるのと、『新明解』に「俗語」(くだけた言い方)とあることが差と言えるのかもしれません。 ところで、文語ですが、文章語という意味と、平安時代語以来の言語体系(古語)という二つの意味があります。文章語については「ちょっと」の方が文章語的で、「ちょいと」の方が話し言葉的だと思います。古語かと言われれば、両者共に古語ではあるのですが、そのままの形で現代でも用いられていますので現代語とも言えます。古語でも現代語でも花は花というところだと思います。言語的には江戸時代と平安時代より、江戸と現代の方が近いとも言えます。 ともかく、江戸語(特に江戸時代に発生し、使用されていた語)は、古語辞典の類には記載されないことが多く、古語辞典では引くことが難しいので、『日本語大辞典』(小学館)で見ると概要は次のようになります。 「ちょいと」=副詞。 物事の程度や動きがわずかであるさまを表わす。 感動詞。人に呼び掛ける時に用いる。 用例=心中宵庚申・浮世風呂 「ちょっと」=副詞。「ちっと」の変化したもの。 時間、物事の量や程度がわずかであるさまを表わした語。大げさでなく行うという気持ちをこめていう。ちょっと。すこし。 軽く身近な相手に呼びかける。 用例=春色梅児誉美 用字=一寸・鳥渡。一寸は一時の省字。鳥渡は当字。 *「ちっと(些・副詞)」=「ちと(些)」の変化した語(*促音便)。用例=天草本平家物語 *「ちと(些・副詞)」=*毎月抄・建礼門院右京大夫集・徒然草 他の国語辞典で引くと次のように記載されています。 @「ちょいと」 ・「ちょっと」に同じ。(以上、広辞苑) ・副詞。物事の程度や数量がわずかであるさま。少しばかり。ちょっと。 ・感動詞。人に呼び掛ける時に使う語。 *やや古い言い方。(以上、明鏡) ・俗語。少しばかり。 ・人に呼び掛ける時の語。(以上、新明解) @「ちょっと」 ・わずか。少し。 ・(逆説的に)存外。かなり。 ・しばらく(呼びかけにも使う) ・ほんのついでに ・(否定の語を伴って)少々のことでは。そう簡単には。(以上、広辞苑) ・数量や時間が少ないさま。また、程度がわずかであるさま。少し。 ・あることを軽い気持ちで行うさま。 ・(逆説的に)まあまあ。結構。 ・(否定の語を伴って)簡単には。容易には。 ・軽く相手に呼びかける語。(以上、明鏡) ・時間・分量・程度が少ない様子。 ・軽い気持ちで。 ・かなり。 ・そう簡単には。(以上、新明解) なお、ネット上におもしろい記述があったので、参考に。 http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/thsrs/14275/m0u/ [使い方] 〔ちょっと〕(副) 〔ちょいと〕(副) 〔ちょっぴり〕(副) 〔少少〕(副) 〔やや〕(副) [使い分け] 【1】「ちょっと」「ちょっぴり」は、くだけた言い方。「ちょいと」は、さらにくだけた言い方になる。 【2】「ちょっぴり」は、ほんのわずかに何かがある場合、ほんのわずかだがそれが感じられた場合にいう。その数量、程度は、「ちょっと」「ちょいと」よりも少ない意味になることが多い。 【3】「少少」は、「ちょっと」とほぼ同意だが、少し改まった場面で使う。「やや」も少し改まった場面で使われることが多い。 【4】「ちょっと」は「一寸」、「やや」は「稍」とも書く。 【5】「ちょっと」「ちょいと」は、「ちょっと(ちょいと)、店員さん」のように、人に呼びかけるときに、また、「ちょっと(ちょいと)困りますね」のように、かなり多い程度という意味にも使う。 以上、参考まで。
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- bakansky
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「ちょいと」 は、少なくとも 文語 ではないでしょう。 ご指摘のように、「ちょっと (一寸)」 のくだけた口語体で、しかも 江戸ことば に顕著かも (後者の点は私の想像ですけれど)。 文語では 「少々」 とか 「やや」 とかという語がありますが、それでもくだけた読み物なんかでは 「ちょっと」 や 「ちょいと」 が登場人物の口調として出てきてもおかしくはないという気がします。 ついでですが、下記の辞書に出ている 対比表 を見ると、「あと十分ちょっとで始まる」 とは言っても 「あと十分ちょいとで始まる」 とは言わないかのように取れます。しかし、私の地方では 「あと十分ちょいで始まる」 という言い方なら不自然ではないので、地方による差もあるのかもしれません。
お礼
返事おくれて申し訳ありません 回答ありがとうございます なるほど参考にさせて頂きます
お礼
返事おくれて申し訳ありません 回答ありがとうございます 私の何気無い疑問にこうまで深く詳しく解説して頂き感謝しております なるほどスッキリしました、ありがとうございます