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文語体と歴史的仮名遣い
口語体と文語体の具体的違いが分かるようでいて分かりません。 現代仮名遣いと歴史的仮名遣いも同じです。 それと文語体と歴史的仮名遣いは、何がどうのように違うのですか。 また、古語とは古文のことなのですか。 ご存じの方にはおかしな質問でしょうが簡素なご説明くださいませんか。 できることならば文語体と歴史的仮名遣いを学習するための入門的な学習書を何冊か勧めてはいただけません。 学生時代に挫折した森鴎外や夏目漱石を原書のまま読書しようかと思っているので。 感覚で何となく読める日本語力からそろそろ卒業したいです。
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まず、文語体のお話をしましょう。文語体とは戦前まで日本の書物に使われた言葉です。文語体の反対は口語体です。つまり、現在の私たちは口語体を使っていますね。そもとも、文語体って何かといえば、漢文でしょう。 まず、入門書を案内します。 山本夏彦 完本・文語本 文藝文庫 2003年 http://www.amazon.co.jp/%E5%AE%8C%E6%9C%AC%E3%83%BB%E6%96%87%E8%AA%9E%E6%96%87-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%B1%B1%E6%9C%AC-%E5%A4%8F%E5%BD%A6/dp/4167352168/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1248322623&sr=1-1 愛甲次郎 世にも美しい文語入門 海竜社 2008年 http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E3%81%AB%E3%82%82%E7%BE%8E%E3%81%97%E3%81%84%E6%96%87%E8%AA%9E%E5%85%A5%E9%96%80-%E6%84%9B%E7%94%B2-%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4759310002/ref=sr_1_4?ie=UTF8&s=books&qid=1248322623&sr=1-4
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- Ishiwara
- ベストアンサー率24% (462/1914)
言葉は常に進化します。そして、話し言葉のほうが進化が速くて、書き言葉がゆっくりと後を追います。その差が大きくなると「言文一致」運動が起きて、その差を縮めようとします。歴史はそれを繰り返します。 今、私たちが文語・口語と区別しているのは、ほぼ1900年ごろに分けられた区別です。したがって現在の感覚でいう「書き言葉・話し言葉」の区別とは異なります。百年前の「口語体の小説」を読むと、現代感覚では、どう見ても「書き言葉」の感じがします。 しかし、もっと広く歴史を見たとき、1900年前後の変革が他の時代よりもあまりに大きかったので、この時点での区別が今でも文語・口語の区別として使われているのです。 例えば、特許出願は、1940年代まで「本装置は××を目的とせるものにして、××を用いることをもって特徴とせるものなり。」というように書かないと受け付けてもらえませんでした。 しかし、この手の文語体は「古文」とは異なるもので、特殊な勉強をしなくても、すぐに慣れるものです。漱石や鴎外を読んで分かりにくい理由は、文法ではなくて、時代背景と、それを反映した語彙が主ですから、やはり「法則を書いた入門書」よりも「辞書」の力に頼るしかないでしょう。 効率がよいのは「注釈」がたくさん入ったものです。百円ショップでそういった、注釈付きの明治の作品が簡単に入手できるので、まずこれがお勧めです。私は先般、百円ショップの『三四郎』を読んで、自分の知らない単語がたくさんあって驚きました。
- LN-TF
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国語学史的な観点から述べると複雑で解り難いと思いますので、明治・大正・昭和期のと云う事で記述します。 昔は、(正式な)文章に使う書き方と話言葉やそれを記述したものとは文章の書き方が違っていました。文章に使うのが「文語」です。典型例は改正前の民法(第一編~第三編)や商法の文章です。明治時代の新聞の文章もそのようのものでした。漢文の国訳(書き下し)がもとであるとも云われていますが、一概に云い切れません。実は一口に文語体と云っても色々あるのですが、いまここではこれ以上は踏み込みません。 夏目漱石の「坊ちゃん」や「明暗」等は、当時の人が普通に喋るようの文章ですからこれは口語体です。 仮名遣いについて。いわゆる「歴史的仮名遣い」は平安期のものを思い浮かべる人が多いですが、時代時代によって異なっています。表記と発音とのずれがそのままになってしまったので、発音と文字が違うのです。(但し、今のそれぞれの仮名の発音と昔の発音とは異なるものもありますが、これ以上は省略します)戦時中からこの仮名遣いは問題となり新式仮名遣いの試みがされましたが、正式に「現代かなづかい」として発表・公布されたのは戦後の昭和21年の事です。(その後昭和61年に改訂が行われています)参考URL参看。 口語文は、歴史的仮名遣い(旧かな)表記と現代かな(新かな)表記のものとがあります。 文語文は、一部で無理やり新かなにしてある例を見た事がありますが、例外的なものです。普通は、旧かなです。(却って、新かなの方が読み辛い) 古語は、「古い言葉」ですが、現在あまり使われなくなった言葉や、現在と意味が違う言葉のふるいものをさします。 文語文や旧かなを理解するには、簡単には高等学校の漢文や国文を理解するのが良いかもしれません。あまり受験対策的でない高等学校向けの参考書がよいでしょう。 漱石や鴎外など新字新かなの本が出回っています。旧い岩波の全集あたりと引き比べながら読めば、旧かなに慣れると思います。旧かなは慣れの問題です。 なお、「原書」と仰っていますが、訳書に対する原書と云うようの使い方はしますが、元の表記の本と云う意味では普通は使いません。 又、「原版」は、元の版の意味で、最初に出た版の意味です。
お礼
感想です。 改正前の法典(大日本帝国憲法)を図書館で読んでみました。 ・・・現在の法典ですら難解な者にはお手上げでした。 「文語」ってどんな感じか知りました。 夏目さんが口語であるとも分かりました。(以前「文語である。」って聞いたことがあるので、そうなんだと思っていました。旧法律を読んだら全然違いますよね。) となると、夏目さんが読めるようで読めないポイントは、仮名遣いだったようです。ご指摘どおりに「慣れ」の問題かもしれないです。(その慣れが大変!) 古語については、「明治以前」の言葉とルールと理解すればよろしいんでしょうか。 「原書」は正直迷いました。 「使い方が違う」と教わり落ち着きました。 でも、このような場合はどういえばいいんですか。 「現代かなづかいに訳した再版/再出版」? お礼 詳しく丁寧なご回答、本当にありがとうございました。
>文語体と歴史的仮名遣いは、何がどうのように違うのですか。 文語体は、言葉自体が古い文のこと。 歴史的仮名遣いは、仮名遣い(表記)が古いものだということ。 たとえばここに「I will go.」という文を日本文に直そうとしている人がいるとします。 口語体・現代仮名遣い ・わたしは行こう。 口語体・歴史的仮名遣い ・わたしは行かふ。(表記が変わっただけで、発音すると上と一緒。) 文語体・歴史的仮名遣い ・われは行かむ。(言葉自体が上と変わっている。「わたし」→「われ」、「う」→「む」) (文語体・現代仮名遣いというパターンはありえないので、書きません。) >古語とは古文のことなのですか。 古語とは古い言葉のことです。 古語で書かれた文のことを古文と言います。
お礼
とってもとってもスッキリしました。 私のつたない質問の意図をご理解いただきありがとうございます。
補足
これらを勉強するに最適な書籍ありませんでしょうか。
お礼
百均で推薦の本を探してみます。 「本装置は××を目的とせるものにして、××を用いることをもって特徴とせるものなり。」のせるの意味が分からなくて不眠症になってしまいそうです。 回答、ありがとうございます。