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正当防衛の事例について

正当防衛の事例について 刑法の授業で論点をまとめたレポートを書く必要があるのですが、以下の事例ではどのような点が論点になるか、それと個々の学説についても、お詳しい方おられましたら、簡単にで良いのでご教授ください。 甲とAが路上で争っており、激高したAが通行人Bの金属製ステッキを奪い、甲に殴り掛かった。甲はAともみ合い、Bがそれを避けようとして転倒して負傷した。その後甲はステッキを拾い、Bを助けようとしたが、Aが背後からつかみかかったため、やむを得ずステッキでAの肩口を狙ったが、Aがその方向へ動いたため、頭部を打ってしまい、重傷を負わせ、Bのステッキは折れ曲がった。 甲の罪責を論じよ。 という事例なのですが、正当防衛や、緊急避難、あたりが論点となるのかなあと思うのですが、ちょっと整理が出来なくて、ご教授頂けますと助かります。

みんなの回答

  • kgei
  • ベストアンサー率61% (230/376)
回答No.1

 論点というのは、法律の基本的知識で事案を検討していく過程で、いくつかの考え方が成立し得る場合に、どのような考え方を採るべきか理論的に検討しなければならない事項ということが可能だと思います。  したがって、ただ「論点」だけ見つけても意味はなく、なぜその「論点」が問題になるかがわからなければ、本当に「論点」を理解したことになりません。「論点」だけを論じても、先生からの評価・採点も低くなります。  また、論点を論じた後の「あてはめ」も重要なので、「あてはめ」がしっかりできないと高得点は望めません。  それでも「論点」だけの質問ですので・・・ 「Bがそれを避けようとして転倒して負傷した。」  甲の認識と実際に発生した結果とには食い違いがありますから、傷害罪の故意が成立するかが問題になります。  前提として客体の錯誤か方法の錯誤かについて一言書く必要があります。  設問では、同一構成要件内の方法の錯誤なので、著名論点である具体的符号説と法定的符号説が問題になります。 「甲はステッキを拾い、Bを助けようとしたが、Aが背後からつかみかかったため、やむを得ずステッキでAの肩口を狙ったが、Aがその方向へ動いたため、頭部を打ってしまい、重傷を負わせ」  ここでは傷害罪と正当防衛、過剰防衛、違法性阻却事由の錯誤が問題になります。  この設問文からは「B」に急迫不正の侵害があったかは微妙な書き方です。「甲」は転んだ「B」の立ち上がり行為を助けようとしたのであって、{A」が「B」に危害を加えたようとしていたから「B」を助けようとしていたとは書いていないからです。設問文には{A」が「甲」の背後からつかみかかったというのですから、「B」に危害の危険はなかったようにも読めます。    ここをどう読むかによって、論述が違ってきます。レポートとしては、場合分けするのが一番安全かなと思いますが。  そうするとけんか闘争と正当防衛の成否という著名論点が出てきます。正当防衛を否定するのが一般的ですが、その法的根拠は見解が分かれます。また、正当防衛を否定するのが原則としても例外が認められるのかが問題となり、例外を認めるのが一般的です。  正当防衛が成立しうるとした場合、今度は防衛行為の必要性・相当性が問題となります。相当性を判断する場合、方法の相当性か結果の相当性か、両方が必要か見解が分かれます。  多分、素直に考えると、正当防衛状況が存在するが、防衛行為の相当性が否定されて過剰防衛になるということになるでしょう。そして、傷害罪の故意が問題になります。そうすると、まずは同一構成要件内の錯誤として自らの見解に立って傷害罪の構成要件的故意が成立することを簡単に論証する必要があります。そのうえで、甲は防衛行為の認識と実際に生じた結果との食い違いがあること=著名論点である違法性阻却事由の錯誤があることを指摘します。 「Bのステッキは折れ曲がった。」  これは正当防衛ではなく、緊急避難の問題であるとする根拠は何かを書いて、あとは緊急避難の要件に該当するか、あてはめをしていけば足ります。その前提として、当然ですが器物損壊罪の構成要件該当性をさらっと書きます。  なお、設問文をリアルに考えると、金属製ステッキで肩口を狙って叩いても、ステッキが折れ曲がることは考えにくいので、器物損壊罪の故意が欠けると考えることもできます。ステッキは体を支えるためのものでかなり丈夫ですから、未必の故意さえも無いと考えることが可能です。あくまでレポートとしては未必の故意くらいはあるとするのが無難かもしれません。  

hana0608
質問者

補足

詳しいご回答ありがとうございます!! 設問の書き方が曖昧ですみません。Aの二回目の暴行は甲へ向けられていると捉えて良いそうです。 正当防衛と、防御的緊急避難の違いがいまいち分からないのですが、相手による不正の侵害であれば正当防衛、適法行為であれば緊急避難、と理解すれば良いのでしょうか? 学説の対立についてや、基本的な思考方法をもっと勉強しなければ行けないと思いました。

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