京都大学経済学研究科 平成23マクロ経済問題について

このQ&Aのポイント
  • 海外との取引のない閉鎖経済において、代表的消費者の最適化問題を考える。政府の予算制約式や家計の最適化条件などについて解説。
  • 均衡利子率の求め方や政府の財政政策による効果について分析。
  • 市場利子率と政府の支出に対する効果の比較により、経済学的な解釈を述べる。
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京都大学経済学研究科 平成23マクロ経済問題

海外との取引のない閉鎖経済を考える。代表的消費者は2期間存在し、効用関数U(c1,c2)を最大化する。c1、c2は消費である。所得は1と2期に外生的にy1とy2として与えられている。一括税はt1とt2である。政府は1期にg1支出し、t1税収得て、不足分を国債発行で賄う。2期に税収t2によって、g2支出と国債償還を行う。初期時点の国債残高は0で、2期にすべてを償還する。1期の国債発行残高はb、市場実質利子率はr。この経済に投資活動は存在せず、財は貯蓄できないもととする。 1)政府の異時点間予算制約式を書きなさい。 g1+g2/(1+r)=t1+t2/(1+r)だと思います。 2)家計の最適化のための一階条件を書きなさい(解は内点解とする) 家計の予算制約式で迷いました。家計数Nとして、y1-t1/N=c1, y2-t2/N=c2 (?) g1、g2は事前に確定されており、政府は予算制約式を満たすようにt1とt2を動かす。効用関数をU=sqrt(c1)+sqrt(c2)とする。 3)y1=110、y2=130、g1=10、g2=9として、均衡利子率を求めよ。 4)政府は1期にt1を減少させ、それに伴う税収の不足を国債発行で賄う。c1はどう変わるか? 5)g1の増加が市場利子率に与える効果とg2の増加が市場利子率に与える効果を比較しなさい。その結果の経済学的解釈を簡潔に述べなさい。 以上です。

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回答No.1

1) 代表的主体モデルでは、主体の数を1に標準化すると以下に見るように便利です。1期と2期の税をt1、t2とし、政府支出をg1、g2、1期に発行し、2期に償還する国債をBとすると 政府の予算制約は       g1 = t1+B g2+(1+r)B = t2 となる。両式からBを消去すると、あなたが導いたように      g1+ g2/(1+r) = t1 + t2/(1+r)          (1) を得る。 2) 家計の最大化問題は       max U(c1,c2) s.t. c1+ c2/(1+r) =( y1-t1) + (y2-t2)/(1+r)      (2) で与えられる。t1、t2は経済全体の1期、2期の課税額であると同時に、主体の数が1に標準化されているので、代表的主体の1期、2期の課税額でもある。(なぜなら代表的主体の1期の課税額=全体の1期の課税額÷主体の数=t1÷1=t1だからだ。t2についても同じ。) (1)を導くためには、      c1+B = y1 - t1 c2 = y2-t2 + (1+r)B からBを消去すればよい。 このBも政府の国債発行額であるとどうじに代表的主体の国債購入額でもあるのは、t1、t2の場合と同じだ。異時点間効用最大化の一階の条件は、通常の2財の世界の効用最大化問題と同じだ。第1財と第二財の限界代替率=第1財の第2財の相対価格、すなわち、      MRS(c1、c2) = 1+r あるいはMRS= U1/U2だから      U1/U2 = 1+r                    (3) となる。1+rは1期財の2期財の相対価格を表わしていることは、(2)式より1期財の価格を1とすると、2期財の価格は1/(1+r) であることに注意しなさい。(なお、U1はc1についての限界効用∂U/∂c1を表わし、U2も同様であることはいうまでもない。)    U(c1,c2) = √c1+√c2 ならば、     MRS = √c2/c1 を(3)に代入し、     √c2/c1 = 1+ r (4) あるいは両辺を2乗して         c2 = (1+r)^2・c1   (4') を得る。効用最大化の1階の条件としては、(4)あるいは(4')を書くか、(4)あるいは(4’)および予算制約(2)を書けばよい。 3)まずc1,c2を需給均衡条件(マーケット・クリアリング条件)を用いて求める。     c1 + g1 = y1 (5) c2 + g2 = y2 (6) が成り立つから、与えられた数値を代入することによって     c1 = 110-10 =100  c2 = 130 – 9 = 121 を得る。これらを(4)に代入して     √121/100 = 1+ r 11/10 = 1+ r r = 0.10 すなわち、利子率は10%である。 4)(5)式と(6)式を見てください。t1とt2は(5)、(6)に入っていない。ということは、t1を減少させて、Bを増やしても、消費には何の影響も与えない(リカードの等価性あるいは中立性という現象)。 5)もう一度(5)と(6)を見てください。g1を増やすとその分だけc1が減る(c2は変わらない)。すると、(4)を用いると、(4)の左辺は増加するので、右辺も増加する、すなわち利子率は上昇する。g2が増えると、(4)の左辺は減少するので、逆の現象が起こる、すなわち、利子率は下落する。

ruskaaa
質問者

お礼

分かりやすい説明ありがとうございました!本当に助かりました:)

その他の回答 (1)

回答No.2

No1の訂正 (2)式の前のs.t.はsubject toの意味。     U(c1,c2) s.t.    c1 + c2/(1+r) = (y1-t1) + (y2-t2)/(1+r) と直す。また、 「(1)を導くためには・・・⇒(2)を導くためには」と直す。 「第1財の第2財の相対価格⇒第1財の第2財に対する相対価格」と直す。

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