平面上のデータから異常値を取り除く方法
- 平面上のデータから異常値を取り除く方法をご紹介します。
- データのプロット結果から異常値を特定し、取り除く方法について考えます。
- 最小二乗法やハフ変換を利用することも検討されますが、それぞれには課題があります。
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平面上のデータから異常値を取り除きたい
次のようなxy座標データがあります これを平面上にプロットして、人間が眺めると、6番目から12番目のデータが異常と判断できます コンピュータでこの異常値を取り除くにはどうすればよいでしょうか 例えば、最小二乗法で楕円近似 -> うまくいかない ハフ変換で楕円近似 -> メモリと時間が大量に必要 (565,444) (583,452) (597,464) (605,484) (611,504) (593,520) (587,539) (574,553) (554,564) (536,553) (524,540) (509,530) (497,514) (498,493) (503,472) (513,456) (529,447) (548,442)
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いつも使える手ではありませんが、やってみました。 まずデータの様子を見るために、データ系列をExcelでプロットすると、添付図の図-1の青線のようになります。黒点線はExcelのオートシェイプ(楕円)を使って、手動でフィッチングしたものです。異常値は、ランダム誤差のように見えました。 異常値がランダム誤差なら、ランダム誤差の特性として、積分すればほぼ0になる、という性質があります。見やすい形で積分するために、データ系列を極座標で表す事を考えます。楕円の中心は、その重心に一致するので、データ系列の重心位置を極座標の原点とします。多角形の面積Aと重心座標(x0,y0)は、次式で計算できます。 A=1/2×Σ(x[i]・y[i+1]-x[i+1]・y[i]) (1) x0=1/6×1/A×Σ(x[i]・y[i+1]-x[i+1]・y[i])(x[i+1]+x[i]) (2) y0=1/6×1/A×Σ(x[i]・y[i+1]-x[i+1]・y[i])(y[i+1]+y[i]) (3) (1)~(3)において、Σはi=1,2,・・・,nについて和を取り、x[i],y[i]は、多角形頂点を左回りに順序付けた時の、頂点座標です(データ系列はそうなっています)。i=1が始点, i=nがデータ系列の終点,i=n+1は始点に一致させます。 (1)~(3)は折れ線近似での結果ですが、実用的にはけっこうそれで十分です。さらに(1)~(3)は本質的に積分計算なので、ランダム誤差の影響をほとんど受けない重心位置を計算できるだろう、と予想しました。 x0=551.8036,y0=498.4852(A=9572.5,Excelです) (4) となりました。 (4)を中心に、図-1のようにr^2とθを計算し、θの昇順に並べ、台形公式で数値積分します(Excelです)。 f(θ)=∫r^2・dθをグラフにするとすぐわかりますが、f(θ)はほとんど直線に載ります。Excelで線形近似を選び、近似式を表示すると、 g(θ)=3138.5θ+9538.6 (5) になります。(5)のg(θ)とf(θ)との相関係数(R二乗値)は、0.9996でほとんど1.0です。(5)をθで微分したものをr^2(θ)とみなし、ルートをとってr(θ)を計算するのは容易です。r(θ)=√(3138.5)=56.02232=半径一定(円)を、(4)を中心に元データと重ねたものが、添付図の図-2になります。 今回は簡単にやったので、円になっちゃいましたが、f(θ)の近似式を、楕円の理論式から導かれる式にとりかえ、最小二乗法を実行するのは、可能と思います。また以上の手順は、プログラムに載ると思います。
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- f272
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> これを平面上にプロットして、人間が眺めると、6番目から12番目のデータが異常と判断できます と書いているが,どうして異常と判断できたのか?
補足
> と書いているが,どうして異常と判断できたのか? まさにそれが本質です。 正常(と思われる)データから最小二乗法で楕円近似すれば、良好な近似曲線が得られます。 従って、この近似曲線から外れたデータが異常値と判断できるわけですが、この近似曲線を得るためには異常値を取り除く必要があるので、堂々巡りになってしまいます。 また、近似曲線から外れたデータを異常値として取り除けば、残りのデータは近似曲線で良好に近似できるのは当然のことであり、その近似曲線が「正しく」近似しているかどうかは、不明です。 どうして人間は異常と判断できるのでしょうか。
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