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「お嬢さま」の話し方

小説やアニメなどでは、「~ですわ」のような喋り方が「お嬢さま」らしいとされていますよね。以前、「~ですわ」は身分が高い人が使う言葉じゃない、という意見を目にしたのですが、実際はどうなんでしょうか。

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  • Nannette
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回答No.1

言葉は時代とともに変わります。 「…ですわ」言葉と言えば、明治から昭和にかけて、たとえば夏目漱石や谷崎潤一郎の小説などによく出てくるし、当時の花形清純女優 原 節子さんなどが映画の中のセリフとして語っていた品の良い言葉づかいとして広く知られています。 実際に当時の良家の女性の間ではよく使われていたもので、わたしの母などはこうした言い方をしますが、それは、そうした言い方そのものにどこか落ち着きと品の良さがうかがえるからで、とりたててお嬢様の話し方として娘に教え込むほどでもなかったようです。今日でもよく使われる「行くわよ~」だってその流れですから。 ただ、単に「…ですわ」言葉だけでなく、「ございますわ」「存じませんわ」などといったきちんとした用語、そして話の全体が品の良い話し方、そうしたものは大切な女のたしなみとして、良家の娘には躾けの一部としてかなり厳しく指導されたもののようです。それだけに、一般の女の子にはまねが出来ない、だからこそお嬢様言葉だといえるのではないでしょうか。 「先生は、菊人形展にはお行きになりませんの」 「先生は、菊人形展に行かれないんですかぁ~」 「先生、菊人形展行かんの~」 「わたくしですか、ええ、明日にでも参りますわ」 「わたしですか~、ええ、明日でも行ってみますよ」 「わたし?、うん、行きますよ~」 つまり、日常、どの言い方を自然にしているかで、ことに女性はその品性を問われるということでしょう。 こうしたお嬢様言葉に、もうひとつ「…ことよ」というのがあります。「わたくし、きっと忘れますことよ」、「あの方、帰っていらっしゃいますことよ」などといった使い方で、こちらこそ良家の娘の言葉とされていたものでした。今日でも「いいこと?、絶対に忘れちゃだめよ」などと名残が残っていますが、実はこの「…ことよ」言葉も昭和の初期には、良家の娘が使うべきでない品がない流行言葉だとして旧制女学校などでは使用を禁じたと言われています。 お嬢様言葉はかならずしも良い言い方だとは限らないように思います。ただ、良い家庭のお嬢様はかならず品のいい言い方をするものです。品のいい話し方、つまりそれが一番大切なこと。それは成人し、中年、そしてさらにその上の年代、女性が幾つになっても品が良いと評価されるには、やはりきちんとした言葉づかいが出来ることに尽きるでしょうから。

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